介護職員(月給・常勤)の平均給与額は338,200円、年収換算で約406万円である(令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果・厚生労働省)。
全産業の平均年収460万円(令和5年分民間給与実態統計調査・国税庁)と比べると約54万円の差があるが、介護職の平均月収は10年間で約5.8万円上昇しており格差は縮小傾向にある。資格取得による給与アップも明確で、無資格290,620円→介護福祉士350,050円と月額約6万円の差が生じる。
この記事のポイント
- 平均月収33.8万円・年収約406万円
- 介護福祉士で無資格比+月6万円
- 特養36.2万円 vs デイ29.4万円
- 10年で月5.8万円上昇・改善中
「介護職の給料は安い」——ネットやSNSでよく見かけるフレーズですよね。でも、最新のデータを並べてみると、その印象は変わるかもしれない。この記事では厚労省の令和6年度調査をもとに、介護職の給料を資格別・施設別・勤続年数別に徹底分析する。さらに「どうすれば年収を上げられるか」の具体策まで踏み込んでいこう。
【結論】介護職の平均年収は約406万円|「安すぎる」は本当か?
介護職員(月給・常勤)の平均給与額は338,200円、年収換算で約406万円。全産業平均の460万円と比べると約54万円の差があるが、飲食サービス業や宿泊業の平均年収を下回るわけではない。しかも10年間で月額約5.8万円上昇しており、「安いまま」ではなくなりつつある。
- 平均月収338,200円(前年比+13,960円)
- 全産業平均との差は約54万円
- 10年で月5.8万円の上昇実績あり
介護職の平均月収338,200円・年収約406万円【令和6年度調査】
まず押さえるべきは最新のデータ。厚労省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員(月給・常勤)の平均給与額は338,200円。前年度比で13,960円の増加だ。
| 内訳項目 | 令和6年9月 | 前年度比 |
|---|---|---|
| 基本給 | 192,660円 | +4,240円 |
| 手当 | 97,980円 | +8,330円 |
| 一時金(賞与月割) | 47,560円 | +1,390円 |
| 合計(平均給与額) | 338,200円 | +13,960円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」統計表第70表
年収に換算すると338,200円×12ヶ月≒約406万円。ただしこの「平均給与額」は基本給+手当+賞与月割を含む総支給額であり、手取りとは異なる点に注意したい。
全産業平均460万円との比較|差は約54万円だが縮小傾向
国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」による全産業の平均年収は460万円。介護職の年収約406万円との差は約54万円で、全産業平均の約88%の水準まで追いついてきている。
業種別で比較すると介護職は決して「最低レベル」ではない。同じ民間給与実態統計調査で、宿泊業・飲食サービス業の平均年収は約265万円と介護職を大きく下回る。「介護は安い」という印象は全産業平均との比較で生まれるが、同じサービス業の中ではむしろ高い方だということは知っておきたい。
「手取り20万円」と「平均33.8万円」のギャップの正体
「平均33.8万円って嘘でしょ?」——そう感じる方もいるんじゃないでしょうか。このギャップの正体は主に3つある。
1つ目は、338,200円が社会保険料・税金を引く前の「総支給額」だという点。手取りは総支給額の75〜80%が目安なので、33.8万円なら約25〜27万円になる。2つ目は、夜勤手当や処遇改善手当が含まれているため、夜勤が少ない人や処遇改善加算を未取得の事業所で働く人は平均より低くなること。3つ目は勤続年数の影響で、1年目の平均は298,760円と全体平均より約4万円低い。
手取りの目安=平均給与額の75〜80%。月収33.8万円なら手取り約25〜27万円
資格別の給料比較|無資格→介護福祉士で月+約6万円
介護職の給料を最も確実に上げる方法は資格の取得だ。令和6年度調査では、無資格290,620円→介護福祉士350,050円と月額約6万円の差がある。年間約71万円もの差が生じるため、資格取得の投資対効果は極めて高い。
- 介護福祉士は無資格比+月約6万円
- ケアマネは+月約9.7万円
- 資格取得が最速の年収アップ策
資格別の平均月収比較表【令和6年度調査】
保有資格別の平均給与額(月給・常勤)を一覧にまとめた。
| 保有資格 | 平均月収 | 無資格との差 | 年収換算 |
|---|---|---|---|
| 無資格 | 290,620円 | — | 約349万円 |
| 初任者研修 | 324,830円 | +34,210円 | 約390万円 |
| 実務者研修 | 327,260円 | +36,640円 | 約393万円 |
| 介護福祉士 | 350,050円 | +59,430円 | 約420万円 |
| 介護支援専門員 | 388,080円 | +97,460円 | 約466万円 |
| 社会福祉士 | 397,620円 | +107,000円 | 約477万円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」統計表第89表
資格取得で年収はいくら変わる?|累積シミュレーション
資格を段階的に取得すると、年収は累積でこれだけ変わる。
| ステップ | 月収アップ額 | 年収アップ額(累積) |
|---|---|---|
| 無資格→初任者研修 | +34,210円 | +約41万円 |
| 初任者研修→介護福祉士 | +25,220円 | +約71万円 |
| 介護福祉士→ケアマネ | +38,030円 | +約117万円 |
→ 介護福祉士を目指す方は「介護福祉士国家試験の全情報」を、初任者研修からスタートしたい方は「初任者研修とは?」をチェックしてほしい。
資格手当の相場|月5,000〜15,000円の上乗せ
上記に加え、事業所独自の「資格手当」が上乗せされるケースも多い。初任者研修で月3,000〜5,000円、介護福祉士で月5,000〜15,000円、ケアマネジャーで月10,000〜20,000円が一般的だ。転職時には求人票の資格手当欄を必ず確認しよう。
施設別の給料比較|特養36.2万円 vs デイ29.4万円
働く施設の種類によっても給料は大きく変わる。令和6年度調査では、最も高い介護老人福祉施設(特養)が361,860円、最も低い通所介護(デイサービス)が294,440円と、月額で約6.7万円の差がある。この差が生まれる構造的な理由も解説する。
- 特養・特定施設が月36万円超
- デイサービスは月29.4万円
- 夜勤の有無が最大の差因
施設別の平均月収比較表【令和6年度調査】
サービス種類別の平均給与額(月給・常勤)を高い順に並べた。
| サービス種類 | 平均月収 | 前年度比 |
|---|---|---|
| 介護老人福祉施設(特養) | 361,860円 | +14,890円 |
| 特定施設入居者生活介護 | 361,000円 | +15,300円 |
| 介護老人保健施設(老健) | 352,900円 | +14,390円 |
| 訪問介護事業所 | 349,740円 | +16,930円 |
| 介護医療院 | 330,030円 | +15,710円 |
| 通所リハビリテーション | 319,310円 | +11,480円 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 305,220円 | +10,470円 |
| 認知症対応型共同生活介護 | 302,010円 | +11,820円 |
| 通所介護(デイサービス) | 294,440円 | +10,870円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」統計表第73表
→ 各施設の仕事内容の違いを知りたい方は「介護施設の種類と特徴を完全比較」も参考にどうぞ。
なぜ特養と特定施設が高いのか?
「同じ介護職なのに、なぜこんなに差がつくの?」と疑問に思いますよね。最大の要因は夜勤手当の有無だ。特養や特定施設は24時間体制のため月4〜5回の夜勤が発生し、1回あたりの夜勤手当は平均6,000〜8,000円。これだけで月24,000〜40,000円の差がつく。
加えて、特養や老健は規模が大きい事業所が多く、処遇改善加算の上位区分を取得しているケースが目立つ。賞与・昇給制度も整備されやすいため、基本給の底上げにもつながっている。
デイサービスの月収が低い理由
デイサービスの平均月収294,440円は全体平均より約4.4万円低いが、その理由は明確だ。日勤のみで夜勤手当がない点、比較的小規模の事業所が多く処遇改善加算の上位区分を取得していないケースがある点が主因となっている。
ただし、デイサービスには「夜勤なし・土日休みが多い・身体的負担が少ない」というメリットもある。給料だけでなく働き方との総合判断で施設を選ぶことが大切だろう。
勤続年数別の給料データ|1年目29.9万円→10年以上35.9万円
「経験を積めば給料は上がるの?」——答えはイエス。令和6年度調査では1年目298,760円→10年以上359,040円と、10年で月額約6万円の昇給が確認できる。男女別のデータも含めて紹介しよう。
- 10年で月約6万円の昇給
- 男性月35.6万円・女性月32.9万円
- 長く続ける価値がある職種
勤続年数別の平均月収データ
勤続年数が長くなるほど給料は着実に上がっている。
| 勤続年数 | 平均月収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 1年 | 298,760円 | 40.4歳 |
| 2年 | 309,630円 | 40.5歳 |
| 3年 | 316,080円 | 42.2歳 |
| 4年 | 322,370円 | 42.7歳 |
| 5〜9年 | 335,640円 | 45.3歳 |
| 10年以上 | 359,040円 | 48.9歳 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」統計表第86表
1年目から10年以上で月額60,280円の差。年間にすると約72万円だ。特定処遇改善加算は「経験・技能のある介護職員」に重点配分する仕組みのため、勤続年数を重ねるほど上乗せが期待できる。
男女別の給与データ
令和6年度の介護労働実態調査によると、男性の平均月収は356,030円、女性は328,830円で、月額約27,200円の差がある。基本給の基準自体に男女差はないが、男性の方が夜勤回数が多い傾向にあること、管理職に就く割合が高いことが主な要因と考えられている。
年収ベースでは男性約427万円、女性約393万円。約34万円の差だが、これは業界の性差というよりも、夜勤や役職の有無が反映された結果だろう。
介護職の給料は上がっている|10年間の推移と2026年の賃上げ
「安い」と言われがちな介護職だが、実はこの10年間で月額約5.8万円も上昇している。さらに2026年6月の臨時介護報酬改定で月額最大19,000円の賃上げが予定されており、上昇トレンドは加速中だ。
- 10年で月5.8万円(約21%)上昇
- 2026年6月に月最大19,000円の賃上げ
- 2027年度の定期改定でさらなる上昇も
過去10年の平均月収推移|28万→33.8万円に
平成27年度の280,250円から令和6年度の338,200円まで、10年間で57,950円(約20.7%)の増加。処遇改善加算の段階的な拡充と介護報酬改定の積み重ねが、この上昇を支えている。
とくに令和6年度は前年比+13,960円と過去最大級の上昇幅を記録した。これは2024年度改定で処遇改善加算が一本化・拡充されたことが大きい。「介護職の給料は安いまま変わらない」というのは、少なくともデータ上は過去の話になりつつある。
2026年6月の臨時報酬改定|月額最大19,000円の賃上げ
さらに注目すべきは2026年の動き。2026年6月の臨時介護報酬改定(改定率+2.03%)で、介護従事者全体に月額1万円の賃上げ+生産性向上に取り組む事業所の介護職員にはさらに月額7,000円が上乗せされる。合計で月額最大19,000円の賃上げが実現する見込みだ。
2025年12月〜2026年5月は補助金(月額相当の臨時給付)でつなぎ、2026年6月以降は介護報酬の処遇改善加算に恒久化される設計となっている。加えて、処遇改善加算の対象がこれまでの「介護職員」から「介護従事者」に拡大され、訪問看護やケアマネジメント事業所にも新設される。
今後の展望|2027年度定期改定に向けた動き
次回の定期改定は2027年度に予定されている。政府は「他産業との賃金格差をなくす」ことを目標に掲げており、さらなる処遇改善が議論中だ。介護職の給料は「安い→改善中→さらに上がる見込み」というフェーズにあるといえるだろう。
これから介護職を目指す人にとっては、今が「参入のタイミング」として決して悪くないと感じる。
介護職の給料を上げる5つの方法
ここまでのデータを踏まえ、介護職として年収を上げるための具体的な方法を5つ紹介する。制度を待つだけでなく自分から動けば、年収400万円超えは十分に射程圏内だ。
- 資格取得が最速・最確実
- 夜勤・管理職で大幅アップ
- 転職・派遣という選択肢も
方法①:資格を取る|介護福祉士で年収+約71万円
最もインパクトが大きいのは資格取得。無資格→介護福祉士で年収+約71万円は先ほどデータで示した通り。初任者研修→実務者研修→介護福祉士の「王道ルート」で段階的に年収アップを狙おう。
資格取得の費用は教育訓練給付金やハローワーク職業訓練を活用すれば大幅に抑えられる。→「介護資格の費用を全額タダにする方法まとめ」で詳しく解説している。
方法②:夜勤を増やす|月4〜5回で+約2.5〜4万円
施設別データで見た通り、夜勤手当は1回あたり平均6,000〜8,000円。月4〜5回の夜勤で25,000〜40,000円の上乗せになり、年間30〜48万円のアップが見込める。体力的な負担とのトレードオフにはなるが、短期間で収入を増やしたい場合は最も即効性の高い方法だろう。
方法③:管理職を目指す|リーダー・サ責で年収アップ
令和6年度の介護労働実態調査では、管理職の平均月収は非管理職より高い水準にある。勤続年数を重ねて主任・リーダー・サービス提供責任者(サ責)へ昇進すれば、役職手当として月1〜3万円が上乗せされるケースが多い。
方法④:処遇改善加算が高い施設に転職する
同じ介護福祉士でも、処遇改善加算の上位区分(Ⅰ)を取得している施設とそうでない施設では月数万円の差がつく。転職時は求人票で処遇改善加算の取得状況を必ず確認しよう。特養や老健など大規模施設は上位区分を取得している割合が高い傾向にある。
方法⑤:派遣で時給アップ|正社員より高い場合も
介護派遣の時給は1,300〜1,800円が相場。介護福祉士保有者なら時給1,500円以上が狙えるエリアも多く、正社員より時給換算で高くなるケースもある。ボーナスや退職金がない点は考慮が必要だが、「残業なし・シフトの自由度が高い」というメリットを重視する人には魅力的な選択肢だろう。
→ 正社員と派遣の年収比較は「正社員と派遣どっちが得?年収・自由度をガチ比較」で詳しく解説。エフネクストの派遣スタッフの時給水準も「エフネクストの評判」で紹介している。
よくある質問
- 介護職の平均年収はいくら?
-
常勤介護職員の平均月収は338,200円、年収換算で約406万円(令和6年度厚労省調査)。資格や施設の種類によって大きく異なる。
- 介護福祉士の年収はいくら?
-
介護福祉士の平均月収は350,050円、年収換算で約420万円。無資格者と比べて年間約71万円高い。
- 介護職は年収400万円を超えられる?
-
超えられる。介護福祉士で夜勤あり・勤続5年以上の場合、年収400〜450万円は十分に射程圏内。ケアマネなら年収466万円が平均だ。
- 介護職の手取りは実際いくら?
-
平均月収338,200円の場合、社会保険料+税金で約20〜25%が控除され、手取りは約25〜27万円前後が目安。扶養の有無や夜勤回数で変動する。
- 介護職の給料は今後も上がる?
-
上がる見込み。2026年6月の臨時報酬改定で月額最大19,000円の賃上げが予定されている。10年間で月5.8万円上昇した実績もあり、上昇トレンドは続く。
- 派遣と正社員、どちらが給料が高い?
-
月収ベースでは正社員が高い場合が多いが、時給換算では派遣が上回るケースもある。ボーナス・退職金を含めた総年収と、自由度・残業の有無で総合判断すべきだ。
- 給料が高い介護施設はどこ?
-
特別養護老人ホーム(月収361,860円)と特定施設入居者生活介護(361,000円)が最高水準。24時間体制で夜勤手当が付くことが主な理由だ。
まとめ|介護職の給料は「安いまま」ではない

介護職員の平均月収は338,200円・年収約406万円。全産業平均460万円との差はまだあるが、10年で月5.8万円上昇し、2026年の臨時改定でさらに月最大19,000円の賃上げが予定されている。「安い」は過去の話になりつつあるといっていい。
- 介護福祉士で年収+約71万円
- 特養なら月収36万円超
- 10年勤続で月+約6万円
- 2026年の賃上げで更に上昇中
給料を上げたいなら、まず資格を取ることが最速ルート。初任者研修からのスタートで十分だ。
→ 初任者研修の全体像を知りたい方は「初任者研修とは?費用・期間・メリットを完全ガイド」をチェック。
→ 資格を無料で取りたい方は「介護資格の費用を全額タダにする方法まとめ」を参考にどうぞ。
→ 正社員と派遣で迷っている方は「正社員と派遣どっちが得?ガチ比較」もあわせて読んでみてほしい。
公式/参考URL一覧
- 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06gaiyou.pdf
- 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06point.pdf
- 介護労働安定センター「令和6年度介護労働実態調査結果の概要」 https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf
- 国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査結果」
- GemMed「2026年度にプラス2.03%の臨時介護報酬改定」 https://gemmed.ghc-j.com/?p=72017

