介護職員初任者研修や実務者研修は、国・自治体・スクールの支援制度を活用することで、条件を満たせば費用0円で取得できる。
無料で取る方法は主に4つあります。①スクールの就業割引キャンペーン②ハローワークの職業訓練③自治体の資格取得支援事業④介護事業所の資格取得支援制度。さらに無料にならない場合でも、教育訓練給付金(20〜最大80%還付)や受講資金貸付制度(最大20万円・返済免除あり)を活用すれば、自己負担を大幅に抑えられます。
この記事のポイント
- 無料で取る4つの方法を完全網羅
- 費用を減らす5つの制度も紹介
- 資格別の無料ルート早見表つき
- 状況別おすすめ分岐チャートあり
【結論】介護資格を0円で取る4つの方法
介護資格を無料で取得する方法は主に4つあり、それぞれ対象者や条件が異なります。自分の状況に合った方法を選ぶことで、初任者研修も実務者研修も自己負担ゼロでの取得が可能です。
- ①スクールの就業割引キャンペーン
- ②ハローワークの職業訓練
- ③自治体の資格取得支援事業
- ④介護事業所の資格取得支援制度
無料になる4つの方法一覧表
4つの方法の対象者・条件・メリット・デメリットを一覧表で整理しました。
| 方法 | 対象者 | 対象資格 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| ①スクール就業割引 | 介護職への就業希望者 | 初任者研修・実務者研修 | 手軽で利用者が多い。在職中でもOK | 就業先に条件あり |
| ②ハローワーク職業訓練 | 求職中の方 | 初任者研修・実務者研修 | 受講料無料+給付金あり | 選考試験あり。在職者不可 |
| ③自治体の支援事業 | 自治体の住民 | 初任者研修が中心 | 受講料全額助成の自治体も | 制度がない自治体もある |
| ④事業所の支援制度 | 既に介護事業所で勤務中 | 初任者研修・実務者研修 | 勤務しながら取得可能 | 事業所によって内容が異なる |
あなたに合う方法はどれ?状況別チャート
以下の4パターンから自分に近い状況を選ぶと、最適な方法が見つかります。
| あなたの状況 | おすすめの方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 求職中(失業中) | ②ハローワーク職業訓練 | 受講料無料+給付金が最もお得 |
| 在職中で転職を検討中 | ①スクールの就業割引 | 在職中でも使える。転職と資格取得を同時に |
| 既に介護事業所で勤務 | ④事業所の支援制度 | 勤務先が費用を負担してくれる可能性 |
| ひとり親家庭 | 自立支援教育訓練給付金 | 受講費用の60%(最大80万円)が支給 |
方法①スクールの就業割引キャンペーン
最も手軽で利用者が多い方法が、スクールの就業割引キャンペーンです。介護職への就業を条件に受講料が0円になる仕組みで、在職中の方でも利用できるケースが多いのが特徴です。
- 在職中でも利用可能なスクールが多い
- 選考試験なしで手軽に申し込める
- 就業先の条件は事前確認が必須
カイゴジョブアカデミー「介護職デビューキャンペーン」
初任者研修・実務者研修の受講料+テキスト代を全額当校が負担する仕組みで、介護業界への就職・転職を希望する方が対象です。カイゴジョブアカデミーが紹介する事業所への就業が条件ですが、紹介先の幅は比較的広く、就業先の自由度は3社中で最も高い傾向にあります。
ニチイ「受講料キャッシュバック制度」
受講料を一旦自己負担した後、ニチイの介護事業所に就職すると全額キャッシュバックされる制度です。条件は「修了後3ヶ月以内にニチイに入社」+「3ヶ月以上在籍」の2点。返金は給与に上乗せされる形で、課税対象となる点は注意が必要です。
三幸福祉カレッジ「就職応援制度」
三幸の就職サポートを利用して提携先の介護事業所に就業すると、受講料を三幸が全額負担してくれる制度です。提携先への就業が条件で、就業先の自由度はカイゴジョブアカデミーよりやや限定的です。
就業割引の注意点|「0円」の条件を正直に比較
「0円」という文字は魅力的ですが、就業先の自由度・返金方式・途中退職時の扱いは3社で大きく異なります。
| 比較項目 | カイゴジョブ | ニチイ | 三幸 |
|---|---|---|---|
| 就業先の自由度 | ★★★(比較的幅広い) | ★☆☆(ニチイ限定) | ★★☆(提携先限定) |
| 返金方式 | 最初から全額負担 | 後からキャッシュバック(課税対象) | 三幸が全額負担 |
| 初期の自己負担 | なし | 一旦全額自己負担 | なし |
カイゴジョブアカデミーとニチイの最大の違いは「初期の自己負担の有無」です。カイゴジョブは最初から受講料がかからないのに対し、ニチイは一旦自己負担してから後日返金される方式です。手元資金が少ない方はカイゴジョブの方がハードルが低いでしょう。
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方法②ハローワークの職業訓練(公共職業訓練・求職者支援訓練)
求職中の方が最もお得に介護資格を取得できるのがハローワークの職業訓練です。受講料無料に加えて、訓練期間中は各種給付金が支給されるため、「生活費を確保しながら資格を取る」ことが可能になります。
- 受講料無料+給付金あり
- 2種類の訓練で対象者が異なる
- 選考試験あり・在職者は利用不可
公共職業訓練|雇用保険受給者向け
雇用保険受給中の求職者が対象で、受講料無料(テキスト代等は実費)に加え、基本手当+受講手当(500円/日)+通所手当(交通費)が支給されます。選考試験(面接+筆記)があり、人気講座は倍率が2〜5倍になることもあります。
「退職後に介護業界に転職したい」という方にとっては、生活費を確保しつつ資格を取得できる最も手厚い制度です。ただし開講時期と場所が限定されるため、お住まいの地域のハローワークで最新の開講スケジュールを確認してください。
求職者支援訓練|雇用保険を受給できない方向け
雇用保険の受給資格がない求職者が対象で、受講料無料に加えて、条件を満たせば職業訓練受講給付金(月10万円)+通所手当+寄宿手当が支給されます。主な要件は本収入が月8万円以下、世帯収入が月30万円以下などです。
パートやアルバイトを辞めた後に雇用保険を受給できない方、専業主婦(夫)から介護職を目指す方などが対象になります。
ハローワーク職業訓練のメリット・デメリット
メリットとデメリットを正直に整理すると以下のとおりです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 受講料が完全無料 | 選考試験がある(倍率2〜5倍の場合も) |
| 訓練期間中に給付金がもらえる | 開講時期・場所が限定される |
| 就職あっせんも受けられる | 受講期間が3〜6ヶ月と長め |
| テキスト代以外の費用負担なし | 在職者は原則利用不可 |
方法③自治体の介護職員資格取得支援事業
都道府県や市区町村が独自に実施する資格取得支援事業を利用する方法もあります。制度の有無や内容は自治体によって異なるため、お住まいの自治体で確認する必要がありますが、受講料全額助成の事例もあります。
- 東京都など全額助成の自治体あり
- 制度がない自治体もある
- お住まいの自治体で要確認
東京都「初任者研修等資格取得支援事業」の例
東京都福祉局では、介護業務への就労を希望する方を対象に初任者研修の受講料を全額助成する事業を実施しています。修了後に都内の介護事業所に就業することが条件です。人気が高く定員に達し次第締め切りとなるため、募集開始時期を事前にチェックしておくことが重要です。
自治体によって制度の有無・内容が異なる
全ての自治体が資格取得支援事業を実施しているわけではありません。制度の有無や対象資格、助成額は地域によって大きく異なります。お住まいの自治体の福祉関連部署またはWebサイトで「介護職員 資格取得支援 ○○県(市)」と検索して確認しましょう。
神奈川県の綾瀬市や海老名市など、市町村レベルで独自の無料講座を開設している事例もあるため、都道府県だけでなく市区町村の制度も漏れなくチェックすることをおすすめします。
方法④介護事業所の資格取得支援制度
既に介護事業所で働いている方は、勤務先の資格取得支援制度を利用できる可能性があります。受講料の全額または一部を事業所が負担してくれる制度で、研修受講日を出勤扱いにしてくれる事業所もあります。
- 勤務先が費用を全額/一部負担
- 研修日を出勤扱いにする事業所も
- 求人票の福利厚生欄で確認
事業所の費用負担制度の概要
事業所の資格取得支援制度は「受講料の全額負担」「受講料の一部負担」「研修日の出勤扱い」の3パターンが一般的です。エフネクストの派遣スタッフ向け資格取得支援制度もこのカテゴリに該当し、初任者研修の受講費用を会社が負担してくれる仕組みがあります。
「勤務先の制度を使うと辞めにくくなるのでは?」と心配する方もいますが、多くの事業所では「取得後○年間の勤務」が返還免除の条件となっており、合理的な範囲の条件設定がなされています。
資格取得支援制度がある事業所の見つけ方
求人票の「福利厚生」欄に「資格取得支援あり」と明記されている事業所を選ぶのが最も確実な方法です。面接時には「対象資格は何か」「全額負担か一部か」「勤務条件はあるか」の3点を必ず確認しましょう。
介護業界は人手不足が深刻なため、資格取得支援制度を設けている事業所は年々増えています。転職先を探す際は、給与だけでなく資格取得支援の有無も比較基準に入れることをおすすめします。
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無料にならなくても費用を大幅に減らせる5つの制度
無料にする条件に合わない方でも、教育訓練給付金や貸付制度を活用すれば自己負担を大幅に減らせます。3種類の教育訓練給付金に加え、実務者研修受講資金貸付制度、ひとり親向け給付金の計5制度を網羅します。
- 教育訓練給付金は3種類ある
- 貸付制度は返済免除の可能性あり
- ひとり親向けの手厚い支援制度も
一般教育訓練給付金|受講料の20%が戻る
雇用保険に3年以上加入(初回は1年以上)している方が対象で、受講料の20%(上限10万円)が修了後にハローワークから支給されます。初任者研修や実務者研修の対象講座が多く、最も利用しやすい給付金制度です。
特定一般教育訓練給付金|受講料の40〜50%が戻る
速やかな再就職やキャリア形成を支援する制度で、受講料の40%(上限20万円)が支給されます。令和6年10月以降に開講した講座では、修了後1年以内に資格取得+就職した場合にさらに10%が追加支給され、合計最大50%(上限25万円)になります。初任者研修は特定一般の対象講座が含まれるため、一般教育訓練給付金より還付率が高くなる可能性があります。
なお、特定一般教育訓練給付金を受けるには、受講前に「訓練前キャリアコンサルティング」を受ける必要があります。
専門実践教育訓練給付金|受講料の最大80%が戻る
中長期的なキャリア形成を支援する制度で、受講料の50%(年間上限40万円)が受講中に支給され、修了+資格取得+就職で追加20%、さらに賃金5%以上上昇で追加10%、合計最大80%(年間上限64万円)が還付されます。
| 教育訓練給付金の種類 | 給付率 | 上限額 | 主な対象講座(介護分野) |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練給付金 | 20% | 10万円 | 初任者研修・実務者研修 |
| 特定一般教育訓練給付金 | 40%(+10%追加で最大50%) | 25万円 | 初任者研修・介護支援専門員実務研修 |
| 専門実践教育訓練給付金 | 50%(+30%追加で最大80%) | 年間64万円 | 介護福祉士養成施設 |
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」。※令和6年10月以降開講の講座に追加支給が適用。
実務者研修受講資金貸付制度|最大20万円・返済免除あり
知名度は低いですが、都道府県の社会福祉協議会が実施する「介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度」は、最大20万円を無利子で借りられ、介護福祉士試験に合格して2年間介護職に従事すれば返済が全額免除される非常に強力な制度です。
実質的に「もらえるお金」と同等の効果があるにもかかわらず、利用率が低いのはもったいないとしか言いようがありません。実務者研修の受講を検討している方は、お住まいの都道府県の社会福祉協議会に問い合わせてみてください。
ひとり親家庭向け|自立支援教育訓練給付金事業
母子家庭の母・父子家庭の父が対象で、受講費用の60%(上限は修学年数×20万円、最大80万円)が支給される手厚い制度です。初任者研修や実務者研修も対象となる場合があります。
申請はお住まいの市区町村の福祉担当窓口で行います。受講前に事前相談が必要なケースが多いため、「受けたい講座が決まったらまず窓口に相談」を鉄則として覚えておきましょう。
▶ 関連記事:教育訓練給付金の申請方法
初任者研修・実務者研修・介護福祉士|資格別の無料・割引ルート早見表
「自分の取りたい資格でどの制度が使えるか」を一目で確認できる早見表を作成しました。○が付いている制度は利用可能、△は条件次第で利用可能、×は対象外です。
- 初任者研修は使える制度が最も多い
- 実務者研修は貸付制度が活用可能
- 介護福祉士は独学なら約1万円
資格×制度マトリクス早見表
3資格×9制度のマトリクス表で、自分が使える制度を即座に判断できます。
| 制度 | 初任者研修 | 実務者研修 | 介護福祉士(受験対策) |
|---|---|---|---|
| スクール就業割引 | ○ | ○ | × |
| ハローワーク職業訓練 | ○ | ○ | × |
| 自治体の支援事業 | ○ | △ | × |
| 事業所の支援制度 | ○ | ○ | △ |
| 一般教育訓練給付金 | ○ | ○ | △ |
| 特定一般教育訓練給付金 | ○ | △ | × |
| 専門実践教育訓練給付金 | × | △ | × |
| 受講資金貸付制度 | × | ○ | × |
| ひとり親自立支援給付金 | ○ | ○ | × |
初任者研修は使える制度が最も多く、6つの制度が活用可能です。実務者研修は貸付制度(最大20万円・返済免除あり)が加わるため、組み合わせ次第で自己負担を大幅に削減できます。介護福祉士の受験対策は独学なら参考書3冊で約1万円と、元々の費用が低いのが特徴です。
制度の併用で最大限にお得にする方法
就業割引と教育訓練給付金は原則として併用できませんが、貸付制度とスクールのセット割引は併用可能なケースがあります。どの制度を使うのが最もお得かは個人の状況によって異なるため、以下の手順で確認するのがおすすめです。
- ①自分の保有資格で受講料を確認
- ②就業割引の条件に合うか確認
- ③合わなければ教育訓練給付金を試算
- ④貸付制度の併用可否を確認
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よくある質問
- 介護資格を完全無料で取る方法はある?
-
あります。スクールの就業割引キャンペーン、ハローワークの職業訓練、自治体の資格取得支援事業、介護事業所の資格取得支援制度の4つが代表的な方法です。いずれも就業意思や求職中であることなどの条件があります。
- 働きながら無料で資格を取れる?
-
取れます。スクールの就業割引は在職中でも利用可能なものが多いです。また勤務先の介護事業所に資格取得支援制度があれば、費用を事業所が負担してくれる場合があります。
- ハローワークの職業訓練は誰でも受けられる?
-
求職者であることが条件です。在職中の方は原則利用できません。また選考試験(面接+筆記)があり、人気講座は倍率が2〜5倍になることもあります。
- 教育訓練給付金はいくらもらえる?
-
一般教育訓練給付金は受講料の20%(上限10万円)、特定一般は最大50%(上限25万円)、専門実践は最大80%(年間上限64万円)が支給されます。種類によって対象講座が異なります。
- 実務者研修受講資金貸付制度とは?
-
都道府県の社会福祉協議会が実施する制度で、最大20万円を無利子で貸し付けてくれます。介護福祉士試験に合格し2年間介護職に従事すれば返済が全額免除されるため、実質的に給付金と同等の効果があります。
- ひとり親家庭が使える制度は?
-
自立支援教育訓練給付金事業があります。受講費用の60%(上限は修学年数×20万円、最大80万円)が支給されます。お住まいの自治体の福祉窓口に事前相談が必要です。
- エフネクスト派遣スタッフは費用支援を受けられる?
-
エフネクストでは派遣スタッフ向けの資格取得支援制度を用意しています。初任者研修・実務者研修の費用補助について、担当者に相談してみてください。
まとめ|「お金がないから資格が取れない」は解決できる

介護資格の取得費用は、支援制度を正しく活用すれば大幅に抑えられます。条件を満たせば完全無料で取得することも可能であり、「お金がないから資格が取れない」という悩みには必ず解決策があります。
無料4方法+割引5制度のまとめ
- ①スクール就業割引で0円(在職中もOK)
- ②ハローワーク職業訓練で0円+給付金
- ③自治体の支援事業で全額助成
- ④事業所の支援制度で費用負担
- ⑤教育訓練給付金で20〜最大80%還付
まず「自分がどの制度を使えるか」を確認することが第一歩です。求職中ならハローワーク、在職中で転職を考えているならスクールの就業割引、既に介護事業所で働いているなら勤務先の支援制度を優先的にチェックしましょう。どの制度が最もお得かは個人の状況によって異なるため、複数の制度を比較してから決めることをおすすめします。
▶ 関連記事:教育訓練給付金の申請方法を詳しく見る
▶ 関連記事:初任者研修のスクール比較
▶ 関連記事:実務者研修のスクール比較
公式/参考URL一覧
- 厚生労働省「教育訓練給付制度」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
- 厚生労働省「専門実践教育訓練の教育訓練給付金のご案内」 https://www.mhlw.go.jp/content/001529622.pdf
- 厚生労働省「特定一般教育訓練の指定講座を公表しました(令和8年4月1日付け指定)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70327.html
- 東京都社会福祉協議会「実務者研修施設在学者向け修学資金貸付事業」 https://www.tcsw.tvac.or.jp/jinzai/shikin2.html
- 補助金ポータル「教育訓練給付金とは?」 https://hojyokin-portal.jp/columns/kyoiku_kunren_kyufu

