行政書士試験の基礎知識(旧・一般知識)は、56点満点中24点(14問中6問)以上を取らないと足切りで不合格になる科目です。法令でどれだけ稼いでも、ここを割れば一発アウトです。
怖い足切りですが、対策の方向は明確です。得点しにくい政治・経済・社会は深追いせず、文章理解・個人情報保護・諸法令という「取れる分野」で確実に稼ぐ。この記事を読み終えると、基礎知識の内訳と足切り回避の得点戦略がわかり、最大の不安要素を安全圏に変えられるようになります。
この記事を書いた人


2013年に「ビジネス実務法務検定2級」と独学で「行政書士」試験に合格。この資格を活かし、法務やコンプライアンスの視点からも安心できる情報発信を心がけています。
この記事のポイント
- 24点で足切り回避
- 政経社は深追いしない
- 文章理解を確実に取る
- 諸法令・個人情報で稼ぐ
基礎知識は「24点の足切り」が最大の壁【結論】

基礎知識対策の核心は、高得点ではなく「足切り回避」です。まずは足切りの仕組みと、その怖さ、そして令和6年度の制度変更を押さえましょう。
56点中24点(6問)の足切りとは
試験研究センターの合否基準によると、基礎知識は56点満点中24点(14問中6問)以上が合格の必須条件です。全体で180点を超えても、この基準を割れば不合格。いわゆる足切りです。
逆にいえば、14問中6問取れば通過。満点は不要で、確実に6問を超える設計が目標になります。
法令満点でも足切りで不合格の怖さ
足切りの怖さは、どれだけ法令で高得点でも、基礎知識が5問以下なら不合格という点にあります。合格率が低い一因もここにあり、実力者が足元をすくわれる典型パターンです。基礎知識を「おまけ」と軽視するのは危険です。
合格率の構造は行政書士の合格率と低い理由で解説しています。

正直、法令が得意な人ほど基礎知識を油断して足をすくわれます。
令和6年度から「基礎知識」に改称・諸法令が追加
制度変更にも注意が必要です。令和6年度から「一般知識等」が「基礎知識」に改称され、行政書士法等の諸法令が範囲に追加されました。この諸法令は対策すれば得点しやすく、むしろ足切り回避の追い風になります。さらに重要なのが、2026年1月1日施行の行政書士法改正です。使命規定の創設、職責・デジタル対応の努力義務、特定行政書士の業務範囲拡大、業務制限(第19条)の明確化と罰則整備などが行われており、令和8年度試験は2026年4月1日現在施行の法令が出題基準のため、諸法令対策では改正後の条文で学習する必要があります(日行連・改正法の説明より)。
名称と範囲が変わったため、古い教材の情報には注意。最新版で範囲を確認しましょう。



諸法令の追加は、実は得点しやすい分野が増えた「追い風」です。
【内訳マップ】どこで点を取るか


基礎知識は複数の分野で構成され、得点しやすさに差があります。内訳を知り、「取りにいく分野」と「捨て気味にする分野」を仕分けるのが戦略の出発点です。
| 分野 | 出題数・配点(令和7年度実績) | 得点しやすさ |
|---|---|---|
| 一般知識(政治・経済・社会等) | 6問・24点 | 低(範囲広い) |
| 諸法令(行政書士法等) | 2問・8点 | 高(暗記で取れる) |
| 情報通信・個人情報保護 | 3問・12点 | 中〜高 |
| 文章理解 | 3問・12点 | 高(読解力で安定) |
内訳は一般知識6・諸法令2・情報3・文章理解3(令和7年度実績)
基礎知識14問の内訳は、令和7年度の実績で一般知識6問・諸法令2問・情報通信/個人情報保護3問・文章理解3問でした。ただし配分は年度ごとに動くため、あくまで目安です(令和6年度は一般知識5問・諸法令2問・情報通信/個人情報保護4問・文章理解3問)。出題数の推移は伊藤塾の基礎知識対策が年度別に整理しています。合計14問のうち、どこで6問を確保するかを設計します。
この内訳を知らずに漠然と対策すると、効率が悪くなります。分野ごとの戦略が要です。
政治・経済・社会は範囲が広く効率が悪い
最も対策しにくいのが政治・経済・社会です。範囲が膨大で時事も絡むため、勉強量が得点に結びつきにくいのが実情。ここに時間を注ぎ込むのは非効率で、深追いは禁物です。
政経社は「取れたらラッキー」の位置づけ。基礎的な時事に軽く触れる程度で十分です。
狙うのは諸法令・情報・文章理解
得点を取りにいくべきは、対策が報われる3分野です。諸法令・情報通信/個人情報保護・文章理解(近2年度実績で計8問前後)で、6問突破を狙うのが定石。この3分野を固めれば、足切りは十分に回避できます。
- 文章理解→3問狙う
- 情報・個人情報→2問以上
- 諸法令→2問狙う



足切り対策は「捨てる分野」を決めることから始まります。
足切り回避の得点戦略【独自】


ここからは、6問を確保する具体的な戦略です。得点源を明確にし、確実に積み上げる。この設計ができれば、足切りへの不安は消えます。
文章理解3問を確実に取る
足切り対策の主軸が文章理解です。現代文の読解力があれば、対策次第で3問すべて取れる安定分野。並べ替え・空欄補充・要旨把握といった出題形式に慣れれば、得点が読めます。ここで3問取れれば、足切りの半分は達成です。
知識に左右されにくいのが文章理解の強み。最も投資効果の高い分野です。



文章理解を得点源にできると、足切りへの不安はかなり軽くなります。
個人情報保護・情報通信で稼ぐ
次の得点源が個人情報保護・情報通信です。個人情報保護法は条文暗記で得点でき、範囲も限定的。IT用語などの情報通信とあわせて、4問中2問以上を狙います。対策が素直に点になる分野です。
個人情報保護は法令科目に近い性質。行政法と同じ「暗記が効く」感覚で対策できます。
諸法令(行政書士法等)は暗記で取る
令和6年度から加わった諸法令も狙い目です。行政書士法など業務関連の法令は範囲が狭く、暗記で2問取りにいける分野。新設分野ゆえに対策が手薄になりがちですが、得点効率は高めです。
文章理解3問+この2分野で、無理なく6問を超えられます。これが足切り回避の黄金ルートです。
分野別の勉強法


戦略が決まったら、分野ごとの具体的な勉強法です。それぞれ性質が違うため、アプローチを変えるのが効率的。3分野の攻略法を押さえましょう。
文章理解=現代文の解法を身につける
文章理解は、大学受験の現代文と同じ解法パターンで対応できます。過去問や問題集で並べ替え・空欄補充の解き方を反復し、根拠を持って選ぶ訓練を積みます。センスではなく、技術で取れる分野です。
直前でも伸びる分野なので、諦めずに最後まで演習を続けましょう。
個人情報保護=条文を暗記する
個人情報保護は、個人情報保護法の条文・定義を正確に暗記するのが基本です。範囲が限定的なので、テキストと過去問を往復すれば得点が安定します。情報通信のIT用語も、頻出のものを押さえておきます。
暗記が効く分野なので、行政法対策と同じ要領で取り組めます。



個人情報保護は範囲が狭く、コスパの良い得点源です。
政治・経済・社会=深追いしない
政経社は、時間をかけず、基礎的な時事や頻出テーマに軽く触れる程度に留めます。範囲が広く運要素が強いため、深入りは他分野の時間を奪うだけ。ここは「取れたら加点」の割り切りが正解です。
捨てる勇気も戦略。政経社に費やす時間を、文章理解や法令に回すほうが賢明です。
よくある質問(FAQ)
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- 基礎知識の足切りは何点ですか?
-
56点満点中24点(14問中6問)以上が必須です。全体で180点を超えても、この基準を割ると不合格になります。満点は不要で、確実に6問を超える設計を目標にします。
- 一般知識と基礎知識は何が違うのですか?
-
令和6年度から「一般知識等」が「基礎知識」に改称され、行政書士法など業務に関連する諸法令が範囲に追加されました。配点56点・14問は変わりません。諸法令は得点しやすく、足切り回避の追い風になります。
- 基礎知識のどの分野で点を取ればいいですか?
-
文章理解3問、個人情報保護・情報通信、諸法令を狙います。この3分野は対策が得点に結びつきやすく、6問突破の主軸になります。政治・経済・社会は範囲が広く効率が悪いため、深追いしないのが定石です。
- 文章理解はどう対策すればいいですか?
-
大学受験の現代文と同じ解法で対応できます。並べ替え・空欄補充・要旨把握の出題形式に慣れ、根拠を持って選ぶ訓練を積みます。知識に左右されにくく、技術で安定して取れるため、足切り対策の主軸に据えます。
- 政治・経済・社会は捨ててもいいですか?
-
完全に捨てるのは危険ですが、深追いは避けます。範囲が広く運要素が強いため、勉強量が得点に結びつきにくい分野です。基礎的な時事に軽く触れる程度に留め、時間を文章理解や法令分野に回すのが効率的です。
- 個人情報保護は難しいですか?
-
難しくありません。個人情報保護法は範囲が限定的で、条文や定義を暗記すれば得点できます。法令科目に近い性質のため、行政法と同じ「暗記が効く」感覚で対策でき、コスパの良い得点源になります。
- 諸法令とは何を勉強すればいいですか?
-
行政書士法をはじめとする、行政書士業務に密接に関連する法令です。令和6年度から追加された分野で、範囲が狭く暗記で2問取りにいけます。新設ゆえ対策が手薄になりがちですが、得点効率が高い狙い目分野です。
- 基礎知識は直前期でも間に合いますか?
-
間に合います。個人情報保護や諸法令は範囲が狭く暗記で取れ、文章理解も直前まで演習で伸びます。政経社を深追いせず、得点しやすい3分野に絞れば、直前期からでも足切り回避は十分に狙えます。
まとめ|基礎知識は「捨てる勇気」で足切りを越える


基礎知識対策の目標は、高得点ではなく24点(6問)の足切り回避です。範囲が広く効率の悪い政治・経済・社会は深追いせず、文章理解3問・個人情報保護・諸法令という「取れる分野」で確実に稼ぐ。令和6年度から加わった諸法令は、むしろ得点しやすい追い風です。捨てる分野を決めれば、足切りは怖くありません。
法令が得意な人ほど、ここを固めれば盤石です。最大の不安要素を、安全圏に変えましょう。
- 文章理解を主軸にする
- 個人情報・諸法令で稼ぐ
- 政経社は深追いしない
今日できる一歩は、文章理解の過去問を1問解き、自分の現在地を確かめること。配点全体は行政書士試験の科目・配点・合格点、勉強法は行政書士の勉強法・独学のコツで確認できます。全体像は行政書士完全ガイドへ。


参考URL一覧
- 行政書士試験研究センター・令和7年度合否判定基準:https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/basis.pdf
- スタディング・基礎知識の足切り対策:https://studying.jp/gyousei/about-more/gokakukijun.html
- アガルート・基礎知識(一般知識)対策:https://www.agaroot.jp/gyosei/column/pankyou/
- 伊藤塾コラム・基礎知識攻略法:https://column.itojuku.co.jp/gyosei/basic/ippanchishiki-taisaku/
- 行政書士試験研究センター(試験概要):https://gyosei-shiken.or.jp/

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