行政書士試験の民法は、配点76点・択一9問+記述2問を占める準・主役科目です。行政法と並ぶ得点源で、ここを固められるかが合否を大きく左右します。
民法は「暗記」ではなく「理解」の科目。頻出分野を押さえ、事例を図解し、記述の書く練習を早めに始めるのが攻略の王道です。この記事を読み終えると、民法の頻出分野マップと分野別の勉強法、そして記述対策までがわかり、苦手意識のある民法を得点源に変えられるようになります。
この記事を書いた人


2013年に「ビジネス実務法務検定2級」と独学で「行政書士」試験に合格。この資格を活かし、法務やコンプライアンスの視点からも安心できる情報発信を心がけています。
この記事のポイント
- 配点は76点
- 暗記でなく理解の科目
- 頻出分野に集中する
- 記述2問=40点は必須対策
行政書士の民法は「配点76点」の準・主役科目【結論】

民法の攻略方針を決めるには、その重みと性質を知ることが出発点です。配点の大きさ、そして「理解の科目」という特性を踏まえれば、力の入れどころが見えてきます。
配点76点(択一9問+記述2問)の重み
試験研究センターの合否基準を踏まえると、民法は択一9問(36点)+記述2問(40点)で計76点を占めます。記述3問のうち2問が民法から出るため、実質的な重みは配点以上です。
行政法に次ぐ得点源であり、記述の主戦場。民法を捨てて合格するのは、現実的ではありません。
民法は「暗記」でなく「理解」の科目
民法最大の特徴は、丸暗記が通用しないことです。条文を覚えるだけでは、ひねった事例問題に対応できません。「誰が誰に何を主張できるか」という関係性を理解することが、得点への近道になります。
覚える科目だと思って挫折する人が多い分野。理解の科目、と捉え直すだけで景色が変わります。

正直、民法を「暗記科目」と誤解すると、そこでつまずきます。
満点でなく「合格点」を狙う
民法は範囲が広く、完璧を目指すと沼にはまります。頻出分野で確実に得点し、細かい論点は割り切るのが賢明です。満点は不要で、択一9問中6〜7問取れれば十分。全部を追わない勇気が要ります。
配点全体の考え方は行政書士試験の科目・配点・合格点で確認できます。



民法は「満点より合格点」。深追いは他科目の時間を奪います。
【頻出マップ】分野別の出題傾向


民法は総則・物権・債権・家族法に分かれ、頻出テーマがほぼ決まっています。当サイトが各社の傾向を統合した頻出マップで、どこを重点的に学ぶべきかを可視化します。
| 分野 | 頻出テーマ | 優先度 |
|---|---|---|
| 総則 | 制限行為能力・代理・意思表示・時効 | 高 |
| 物権 | 不動産物権変動・所有権・抵当権 | 高 |
| 債権 | 債務不履行・債権譲渡・相殺・詐害行為取消権 | 最高 |
| 家族法 | 相続・親族 | 中 |
総則(制限行為能力・代理・意思表示・時効)
総則は民法の入口で、制限行為能力者・代理・意思表示・時効が頻出です。抽象的で最初はわかりにくいものの、民法全体の土台になります。伊藤塾も、総則はここで完璧を目指さず先へ進むよう勧めています。
代理と時効は記述でも狙われる重要テーマ。優先的に固めておきましょう。



総則は「わからなくても進む」。全体を回すと後で腑に落ちます。
物権(不動産物権変動・抵当権)
物権では不動産物権変動と抵当権が二大頻出テーマです。対抗要件(登記)をめぐる第三者の関係が問われやすく、図を描いて権利関係を整理する練習が効きます。所有権も基本として押さえます。
物権変動は「誰が対抗できるか」の勝負。事例を図解する癖が、そのまま得点力になります。
債権(債務不履行・詐害行為ほか)と家族法
最も出題が多いのが債権分野です。債務不履行・債権譲渡・相殺・債権者代位権・詐害行為取消権が頻出で、記述でも狙われます。家族法(相続・親族)は配点は中程度ですが、無視できません。2026年4月1日に改正民法が施行され、離婚後の共同親権や財産分与の請求期間の伸長(2年→5年)が導入されたためです(法務省・父母の離婚後等の子の養育に関する民法等の改正)。令和8年度試験の範囲に入る新しい論点なので、教材は改正への対応状況を必ず確認してください(追補資料で対応している教材もありますが、最新版が確実です)。
- 債権→最頻出・記述も
- 物権→図解で攻略
- 家族法→共同親権の改正に注意
民法を得点源にする勉強法


頻出分野がわかったら、次は学び方です。民法の性質に合った勉強法を選べば、苦手意識は解けていきます。得点源に変える3つの方法を紹介します。
総則は止まらず1周する
民法学習の鉄則は、総則で完璧を目指さず、まず民法全体を1周することです。総則は抽象的で、単体では理解しづらい部分。物権・債権まで学んでから戻ると、驚くほど腑に落ちます。
最初の総則で立ち止まると、そこで挫折します。わからなくても前へ、が民法攻略の合言葉です。



総則は2周目で急に見通しが良くなる、と語る合格者が多い分野です。
事例を図解して理解する
民法は登場人物が複数出てくる事例問題が中心です。AがBに、BがCに……という関係を図に描くと、頭の中が整理されます。文章だけで追うより、図解のほうが圧倒的に速く正確です。
この図解の習慣は、記述式でも効きます。手を動かして関係を可視化しましょう。
過去問で「問われ方」を知る
知識を入れたら、過去問で「どう問われるか」を早めに体感することが重要です。同じテーマでも、問われる角度は決まっています。過去問を通じて出題パターンに慣れれば、本番で迷いません。
過去問の回し方は行政書士の過去問活用で解説しています。


民法の記述式対策


民法を語るうえで避けられないのが記述式です。3問中2問が民法から出るため、択一とは別の対策が欠かせません。記述で得点するための考え方を押さえましょう。
記述2問=40点の重み
民法の記述2問は40点分と、択一9問(36点)を上回るボリュームです。ここで大きく失点すると、択一の貯金が一気に吹き飛びます。記述は「捨てる」のではなく「部分点を積む」意識が大切です。
記述全体の戦略は行政書士の記述式対策で詳しく扱っています。
書く練習を早めに始める
記述対策の第一歩は、「知っている」を「書ける」に変える練習です。頭でわかっていても、40字にまとめる訓練をしないと本番で手が止まります。自信がなくても、まず書いてみることが上達の近道です。
直前に慌てないよう、択一の学習と並行して少しずつ書く習慣をつけましょう。



正直、記述は「書いた量」がものを言います。早く始めた人が強いです。
頻出テーマから記述を対策する
記述も闇雲に対策せず、債権や物権の頻出テーマから優先的に書く練習をします。択一で頻出のテーマは、記述でも問われやすいからです。択一と記述を、同じ頻出分野で連動させると効率的です。
頻出マップと連動させれば、択一と記述の対策が一石二鳥になります。



択一の頻出テーマは記述でも出やすい。連動させると効率的です。
よくある質問(FAQ)
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- 行政書士試験の民法の配点は何点ですか?
-
民法は択一9問(36点)+記述2問(40点)の計76点です。記述3問のうち2問が民法から出るため、実質的な重みは配点以上です。行政法に次ぐ得点源で、捨てて合格するのは現実的ではありません。
- 民法が難しくて覚えられません。どうすれば?
-
民法は暗記でなく理解の科目です。条文の丸暗記をやめ、登場人物の関係を図に描いて「誰が誰に何を主張できるか」で捉えます。総則で立ち止まらず全体を1周すると、2周目で理解が深まります。
- 民法の頻出分野はどこですか?
-
総則の制限行為能力・代理・意思表示・時効、物権の不動産物権変動・抵当権、債権の債務不履行・債権譲渡・相殺・詐害行為取消権が頻出です。特に債権分野は出題が多く、記述でも狙われます。
- 民法は満点を目指すべきですか?
-
いいえ。範囲が広いため、満点を狙うと沼にはまります。頻出分野で確実に得点し、択一9問中6〜7問取れれば十分です。細かい論点は割り切り、浮いた時間を他科目や記述に回すのが賢明です。
- 総則から順番に完璧にすべきですか?
-
完璧にする必要はありません。総則は抽象的で単体では理解しづらいため、まず民法全体を1周するのがおすすめです。物権・債権まで学んでから総則に戻ると、理解が一気に深まります。止まらず進むのがコツです。
- 民法の記述式はどう対策すればいいですか?
-
「知っている」を「書ける」に変える練習を早めに始めます。頻出テーマから40字でまとめる訓練を、択一学習と並行して行いましょう。自信がなくても書いてみることが上達の近道で、直前に慌てないためにも早期着手が有効です。
- 民法と行政法はどちらを先に勉強すべきですか?
-
どちらも最重要ですが、民法は理解に時間がかかるため早めの着手がおすすめです。行政法は暗記要素が強く後半でも伸ばせます。積み上げ型の民法を先行させ、行政法と並行して進めるのが効率的です。
- 民法の改正には注意が必要ですか?
-
必要です。とくに令和8年度試験では、2026年4月1日施行の改正民法(令和6年法律第33号)が新たに範囲に入ります。離婚後の共同親権の導入、法定養育費、親子交流、財産分与の請求期間の2年→5年への伸長が柱で、家族法の出題に影響します。行政書士試験は試験実施年度の4月1日現在で施行されている法令から出題されるためです。加えて債権法や相続法など近年改正が入った分野があり、古い教材の知識が通用しないことがあります。最新版のテキストを使い、改正点は特に丁寧に確認しましょう。独学の場合は改正情報のキャッチアップが課題になります。
まとめ|民法は「理解」と「頻出集中」で得点源に


行政書士の民法は配点76点の準・主役科目。暗記でなく理解の科目と捉え、総則・物権・債権の頻出テーマに集中するのが攻略の軸です。総則で止まらず全体を1周し、事例は図解で理解する。そして記述2問=40点のために、早めに書く練習を始める。この型ができれば、苦手だった民法が得点源に変わります。
もう民法に振り回される必要はありません。まずは頻出マップの債権分野から、手をつけてみましょう。
- 理解の科目と捉える
- 頻出分野に集中する
- 記述は早めに書く
今日できる一歩は、頻出マップを見て、まず債権分野の過去問を1問解いてみること。勉強法の全体像は行政書士の勉強法・独学のコツ、行政法対策は行政書士の行政法の勉強法で確認できます。全体像は行政書士完全ガイドへ。


参考URL一覧
- 行政書士試験研究センター・令和7年度合否判定基準:https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/basis.pdf
- 法務省・父母の離婚後等の子の養育に関する民法等の改正(2026年4月1日施行):https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00357.html
- 伊藤塾コラム・民法の勉強法:https://column.itojuku.co.jp/gyosei/method/minpou/
- アガルート・行政書士試験の民法の勉強法:https://www.agaroot.jp/gyosei/column/minpou/
- フォーサイト・民法の勉強法と出題傾向:https://www.foresight.jp/gyosei/guide-exam/civil-law/
- クレアール・行政書士試験の民法の勉強方法:https://www.crear-ac.co.jp/gyousei/guide/benkyouhou/





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