介護業界の有効求人倍率は全国平均4.02倍で、全職業平均1.10倍の約3.6倍にあたる売り手市場である。20代未経験からの介護転職は十分に現実的な選択肢だ。
初任者研修を取得してから転職すれば応募できる求人が大幅に広がり、月収も無資格者より約3.4万円高くなる傾向があります。20代は「若さ=体力+長期キャリア」が武器になるため、介護業界で最も歓迎される年代の一つです。
この記事のポイント
- 有効求人倍率4.02倍の売り手市場
- 20代で始めるメリット5つ
- デメリットも正直に3つ解説
- 転職ロードマップ4ステップ
20代未経験から介護職に転職するのは実際どう?
介護業界は慢性的な人手不足が続いており、20代未経験者を積極的に受け入れる体制が整っています。厚生労働省のデータでは2026年度に約25万人の介護職員が不足すると推計されており、有効求人倍率は全職業平均の約3.6倍という超売り手市場です。
- 2026年度に約25万人が不足
- 有効求人倍率4.02倍の売り手市場
- 異業種からの転職組は多い
介護業界は20代未経験者を歓迎している|データで見る実態
「未経験で雇ってもらえるの?」と不安に感じる方がいるかもしれませんが、データが示す現実は真逆です。介護関係職種の有効求人倍率は全国平均4.02倍で、求職者1人に対して約4件の求人がある状態が続いています(厚生労働省「職業安定業務統計」令和6年度)。
全職業の有効求人倍率1.10倍と比べると約3.6倍の差があり、介護業界がいかに人材を求めているかが一目で分かります。20代は「長く働ける見込み」と「新しい知識の吸収力」が評価されるため、未経験でも積極的に採用されやすい年代です。
異業種からの転職組はどんな前職が多い?
介護職への異業種転職は珍しいことではありません。飲食・サービス業、販売・小売、事務職、IT、建設業など幅広い業種からの転職者がおり、前職のスキルが意外な形で活きるケースが多いです。
| 前職の業種 | 介護で活きるスキル | 活用シーン |
|---|---|---|
| 飲食・サービス業 | 接客力・コミュニケーション力 | 利用者や家族との会話・信頼構築 |
| 販売・小売 | 傾聴力・観察力 | 利用者の体調変化に気づく力 |
| 事務職 | 記録作成・PC操作 | 介護記録の入力・ケアプラン補助 |
| IT業界 | ICTリテラシー | 介護ソフト・タブレット操作 |
| 建設業・体力仕事 | 体力・忍耐力 | 移乗介助・夜勤対応 |
「介護とは無関係の仕事しかしてこなかった」と感じていても、それは必ずしも弱みではありません。異業種で培ったスキルは、介護の現場で新しい価値を生み出す可能性を秘めています。
転職前に感じた不安と、実際どうだったか
介護への転職を検討する20代が感じる不安は、大きく4つに集約されます。これらの不安に対して、実際に転職した方の傾向を交えて正直にお伝えします。
| 転職前の不安 | 実際の傾向 |
|---|---|
| 排泄介助に抵抗がある | 最初は抵抗を感じるが、1〜2週間で慣れるという声が多い |
| 体力的にきつそう | ボディメカニクスの技術で負担を軽減できる。施設選びも重要 |
| 給料が低いのでは? | 初任者研修修了で月収約32.5万円。資格取得で段階的に上がる |
| 人間関係が不安 | 施設による差が大きい。派遣なら合わなければ職場を変えられる |
不安の多くは「事前に実態を知らないこと」から生まれます。事前情報を集めた上で転職した人ほど、満足度が高い傾向にあるのは間違いないでしょう。
20代で介護職に転職する5つのメリット
20代で介護職に就くメリットは、若いうちからキャリアパスを描ける点にあります。時間の余裕を活かして資格を段階的に取得し、30代で管理職やケアマネジャーを目指すことも現実的です。
- 若いうちにキャリアを設計できる
- 求人に困らない売り手市場
- 資格で着実に年収が上がる
キャリアの全体像を若いうちに描ける
20代で介護職をスタートすると、25歳で介護福祉士→28歳でサービス提供責任者→32歳でケアマネジャーや管理職という長期キャリアを描くことが理論上可能です。40代から始める方にはない「時間の余裕」が最大の武器になります。
| 年齢 | ステップ | 年収目安 |
|---|---|---|
| 22歳 | 初任者研修取得+入職 | 約300〜350万円 |
| 25歳 | 介護福祉士取得 | 約370〜420万円 |
| 28歳 | サ責・リーダー職 | 約400〜450万円 |
| 32歳 | ケアマネ or 管理職 | 約450〜500万円 |
介護業界は「資格+経験年数」で着実にキャリアが上がる仕組みが整っているため、早く始めるほど有利なのは間違いありません。
求人に困らない|有効求人倍率4倍超の売り手市場
2026年度に約25万人の介護職員が不足する見込みがあり、20代未経験者でも「選ぶ側」でいられるのが現状です。都市部ではさらに倍率が高く、東京都では8.73倍に達する地域もあります。
この状況は少なくとも2040年まで続くと推計されているため、「一時的な売り手市場」ではなく「構造的な人材不足」だといえます。安定した雇用需要がある業界に20代のうちに足を踏み入れるのは、長期的なキャリア安定につながるでしょう。
資格取得で着実に年収が上がる仕組みがある
介護業界には「資格を取れば給与が上がる」明確な仕組みがあります。令和6年度調査では、初任者研修修了者の月収は無資格者より約3.4万円、介護福祉士は約6万円高いというデータが出ています。
加えて、2024年以降の処遇改善加算の拡充により、介護職員の給与は年々上昇傾向にあります。「介護は給料が安い」というイメージは過去のもので、資格を取り続ければ着実に年収が上がる仕組みが整備されてきました。
▶ 関連記事:介護職の資格別年収データ
異業種スキルが意外と活きる
前述の異業種スキル×介護の親和性表のとおり、異業種経験は「弱み」ではなく「強み」になるケースが多いです。接客業出身者は利用者とのコミュニケーションで即戦力になりますし、IT出身者は介護ソフトの操作や業務効率化で重宝されます。
介護業界は「異業種の視点」を持つ人材を求めています。これまでの経験を否定するのではなく、「この経験が介護でどう活かせるか」を考える視点が大切です。
「ありがとう」が直接もらえる仕事
転職者の声として最も多く聞かれるのが「こんなに『ありがとう』と言われる仕事は今までなかった」という感想です。利用者やその家族から直接感謝の言葉をもらえる仕事は、社会的にも個人的にも大きなやりがいになります。
デスクワークや数字を追いかける仕事では得られにくい「人と人との直接的なつながり」が、介護職の最大の魅力ではないでしょうか。
知っておくべきデメリット・覚悟しておくこと
メリットだけを語るのは誠実ではありません。体力的な負担、初任給の水準、精神的な重みの3点は、転職前に正直に知っておくべきデメリットです。ただし、それぞれに対処法が存在するのも事実です。
- 体力的な負担は避けられない
- 初任給は前職より下がる場合も
- 認知症ケア・看取りの精神的な重さ
体力的な負担は避けられない
移乗介助、不規則なシフト、夜勤——介護職の体力的な負担はデスクワークとの差が大きいのは事実です。特に特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、日中の業務量も夜勤の負担も大きくなります。
ただし、ボディメカニクスの技術を正しく使えば身体への負荷は大幅に軽減できます。また、デイサービスなら夜勤がなく、訪問介護なら移乗介助の機会が少ないなど、施設の種類によって身体的負担は大きく異なります。「介護=きつい」と一括りにせず、自分に合った施設種を選ぶことが重要です。
初任給は他業種より低い場合がある
初任者研修修了者(常勤)の平均月収は約32.5万円ですが、この数値には手当や賞与按分を含む全年代の平均値です。20代前半の入職時点では月収20〜25万円程度が現実的なラインでしょう。
前職がIT業界や金融業界だった場合、一時的に年収が下がる可能性はあります。しかし前述のとおり、介護福祉士を取得すれば月収は約35万円に上がり、ケアマネや管理職に進めば年収450〜500万円も射程圏に入ってきます。短期的な年収ダウンを「将来への投資期間」と捉えられるかが判断のポイントです。
精神的な負担|認知症ケアと看取りへの向き合い
認知症の利用者から強い言葉をかけられたり、担当していた利用者の看取りに立ち会ったりする場面は、介護職に就く以上避けて通れない精神的な負担です。「慣れる」のではなく「向き合い方を学ぶ」ことが求められます。
初任者研修のカリキュラムには認知症ケアと終末期介護の基礎が含まれているため、まったくの準備なしで現場に出るわけではありません。それでも、研修で学ぶ知識と現場で感じる重みは別物だと思います。先輩職員や上司に相談できる環境があるかどうかも、職場選びの大切な基準の一つです。
20代未経験者の介護転職ロードマップ
「何から始めればいいか分からない」という方のために、異業種から介護職に就くまでの具体的な手順をStep1〜4で整理しました。初任者研修の取得→求人探し→面接→入社の流れを順番に進めれば、迷わずゴールにたどり着けます。
- Step1:初任者研修を取得する
- Step2:施設の種類と働き方を知る
- Step3:履歴書と志望動機を準備
- Step4:面接→入社(派遣も選択肢)
Step1. 初任者研修を受講する(1〜4ヶ月)
転職活動の最初のステップは、初任者研修の取得です。資格があれば訪問介護の身体介護に従事でき、応募可能な求人の幅が大きく広がるためです。受講費用は約3万〜9万円で、スクールの就業割引を活用すれば実質0円での取得も可能です。
現職を続けながら取る場合は、週1回の土日コースで約4ヶ月。離職中なら短期集中コースで最短1ヶ月で修了できます。「資格を取ってから転職活動」の順序が、20代未経験者の最も効率的なルートです。
Step2. 求人を探す|施設の種類と働き方を知る
初任者研修を受講中から、自分に合った施設のタイプを調べ始めましょう。介護施設は「特養」「老健」「デイサービス」「訪問介護」「有料老人ホーム」など種類が多く、それぞれで業務内容や勤務形態が大きく異なります。
| 施設タイプ | 特徴 | 20代未経験者との相性 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 要介護度高い。夜勤あり | 体力を活かせる。経験を積むには最適 |
| デイサービス | 日帰り。夜勤なし | プライベートとの両立がしやすい |
| 有料老人ホーム | 接客サービス的要素が強い | 接客経験者にはぴったり |
| 訪問介護 | 利用者宅で1対1のケア | ある程度の経験を積んでからが安心 |
▶ 関連記事:介護施設の種類と特徴を比較
Step3. 履歴書・志望動機を準備する
異業種からの転職で最も重要なのは「なぜ介護職なのか」の志望動機です。前職の経験を「介護でどう活かせるか」に言い換えることで、異業種経験を強みに変えられます。
たとえば飲食業出身なら「お客様一人ひとりに合わせた接客を3年間続けた経験を、利用者へのきめ細かなケアに活かしたい」のように、前職の具体的なエピソードと介護との接点を示すのがポイントです。「給料が良いから」「安定しているから」だけでは面接で深掘りされた際に答えに窮するので、自分なりの動機を言語化しておきましょう。
▶ 関連記事:介護職の志望動機例文10パターン
▶ 関連記事:面接で聞かれる質問と回答例
Step4. 面接→入社→派遣からスタートもあり
「いきなり正社員は不安」という気持ちは自然なものです。派遣からスタートして2〜3ヶ月働いてみて、合っていれば正社員に切り替えるという段階的なルートも有力な選択肢です。
派遣のメリットは「合わなかったら別の施設に移れる」柔軟性です。介護業界の雰囲気や自分との相性を確かめてから正社員に転換すれば、ミスマッチのリスクを最小限に抑えられるでしょう。
エフネクスト派遣なら「お試し転職」ができる
「介護に興味はあるけど、いきなり正社員は怖い」——そんな20代の方に知ってほしいのが、派遣という選択肢です。エフネクストでは資格取得支援と派遣就業を組み合わせた「費用ゼロで資格を取り、まず派遣で現場を体験する」仕組みを提供しています。
- 派遣なら合わなければ職場変更可
- 資格取得支援で初期費用ゼロ
- 正社員への切替も相談できる
派遣×資格で「まず介護を体験する」という選択肢
正社員転職に不安がある20代にとって、派遣は「介護業界を2〜3ヶ月だけ試せるお試し切符」のような存在です。合わないと感じたら別の施設に移ればいいし、合っていると感じたら正社員転換を目指せばいい。この柔軟性が、異業種からの転職ハードルを大幅に下げてくれます。
さらに、派遣は時給制のため残業代も確実に支給されます。「まず体験してから決めたい」という慎重派の20代には、最もリスクの低い介護デビュー方法だといえるでしょう。
▶ 関連記事:正社員と派遣のガチ比較
エフネクストの資格取得支援と高時給の仕組み
エフネクストでは派遣スタッフ向けの資格取得支援制度を設けており、初任者研修の受講費用を会社が負担してくれる仕組みがあります。資格を取得した後は有資格者としての時給が適用されるため、「費用ゼロで資格を取り、その資格で時給アップを実現する」好循環が生まれます。
20代で介護業界に飛び込むかどうか迷っている方は、まずエフネクストに相談してみるのも一つの方法です。「自分に合った施設はどこか」「初任者研修はどのタイミングで取るべきか」といった疑問に、介護業界を知り尽くした担当者が個別に答えてくれるでしょう。
▶ 関連記事:エフネクストの評判を見る
よくある質問
- 20代で介護職に転職して後悔する人はいる?
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後悔の主な理由は「給料の低さ」と「体力的なきつさ」です。ただし資格取得で給与は段階的に上がり、ボディメカニクスの技術で身体の負担は軽減可能。事前に実態を知った上で転職した人の満足度は高い傾向にあります。
- 20代男性の介護職はどうなの?
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男性介護職の需要は非常に高いです。体力が求められる移乗介助や夜勤でのニーズが大きく、男性だからこそ重宝される場面は多くあります。
- 介護職は本当にきつい?
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身体的・精神的にきつい面があるのは事実です。ただし施設の種類(デイサービスvs特養)や働き方(日勤のみvs夜勤あり)で負担は大きく異なるため、自分に合う職場選びが重要です。
- 20代で介護職に就くと年収はいくら?
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初任者研修修了の常勤20代は月収20〜25万円程度が相場です。介護福祉士を取得して夜勤ありなら年収350〜400万円も射程圏に入ります。
- 無資格のまま介護職を始められる?
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無資格でも施設系・通所系では働けますが、訪問介護は資格必須です。初任者研修を先に取ると応募可能な求人が大幅に広がるため、取得してからの転職をおすすめします。
- 初任者研修は働きながら取れる?
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取れます。週1回の土日コースなら約4ヶ月で修了可能です。夜間コースもあり、現職を辞めずに取得する方が多数派です。
- 介護職から異業種にまた転職できる?
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コミュニケーション力、観察力、臨機応変な対応力は他業種でも評価されます。ただし20代の早い段階でキャリアの方向性を定める方が長期的には有利でしょう。
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まとめ|20代の「今」が介護キャリアの最高のスタート地点

介護業界は有効求人倍率4.02倍の売り手市場で、2026年度には約25万人の人材が不足する見込みです。20代未経験からの転職は十分に現実的で、初任者研修を取得すれば応募できる求人は大幅に広がります。
20代で始める3つの理由
- 「時間の余裕」でキャリアを設計できる
- 資格取得で着実に年収が上がる
- 2040年まで続く安定した雇用需要
体力的な負担や初任給の水準といったデメリットは確かに存在しますが、施設選びやキャリアプランの設計次第で十分にカバーできる範囲です。「まずは初任者研修から」という一歩が、10年後の自分を大きく変える可能性を持っています。
▶ 関連記事:初任者研修の全体像を見る
▶ 関連記事:おすすめスクールを比較する
▶ 関連記事:未経験からの転職ロードマップ
公式/参考URL一覧
- 厚生労働省「介護人材確保の現状について」 https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001592637.pdf
- 厚生労働省「職業安定業務統計」(有効求人倍率データ)
- 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の将来推計」

