29-退職代行を使ったのに会社から連絡…無視してOK?実際の事例で学ぶ、正しい解決策

退職代行を使ったのに会社から連絡…無視してOK?

退職代行サービスに依頼したにもかかわらず、会社から直接連絡が来てパニックになっていませんか?まず、心を落ち着けてください。結論として、その連絡にあなたが応答する必要は一切ありません。やるべきことはただ一つ、「その事実を、すぐに依頼した退職代行業者に報告する」ことです。この記事では、なぜ会社が連絡してくるのかという心理的背景から、電話・メール・自宅訪問といったケース別の完全対処法、そして実際にあったトラブル事例まで、あなたがこの想定外の事態を冷静に乗り切るための全てを、具体的に解説します。

この記事のポイント

  • 絶対に応答しない:会社からの電話やメールには、一切応答・返信してはいけません。それが、あなたと業者との間の「ルール」です
  • 即座に業者へ報告:連絡があった事実(日時、相手、内容など)を、スクリーンショットなどを添えて、すぐに代行業者に連絡しましょう
  • 業者が再度対処してくれる:報告を受け、優良な業者であれば、再度会社に対して「本人への直接連絡は控えるように」と強く警告してくれます
  • 自宅に来てもドアは開けない:万が一家に来ても、絶対に対応してはいけません。インターホン越しに「お帰りください」と告げ、しつこい場合は警察に通報しましょう
  • 原因は「業者選び」にも:交渉権のない民間業者に依頼した場合、会社側が業者を無視して、本人に連絡してくるケースが比較的多く見られます
目次

なぜ会社は「ルール違反」をしてまで連絡してくるのか?

退職代行業者からは「今後の連絡は全て当方が窓口となります」と会社に伝えているはずです。それを承知の上で、なぜ会社はあなたに直接コンタクトを取ろうとするのでしょうか。その理由は、主に3つ考えられます。

  • 純粋な事務的確認への無理解
  • 感情的な揺さぶり・引き止め工作
  • 悪意のある嫌がらせ・脅し

理由1:純粋な事務的確認

貸与品の返却方法や、最終的な書類の確認など、悪意なく、単純な確認のために連絡してくるケースです。しかし、これも本来は業者を通すべきであり、ルール違反に変わりはありません。

このような場合でも、あなたが直接応答する必要はありません。業者に事実を報告し、業者から「事務的な連絡であっても、必ず代行業者を通すように」と再度伝えてもらいましょう。

理由2:感情的な揺さぶり・引き止め

「お前の本心が聞きたい」「最後くらい自分の口から言え」といった感情論で、あなたの罪悪感に訴えかけ、退職を思いとどまらせようとするケースです。これに応じると、交渉が振り出しに戻ってしまいます

このような心理的圧力は、退職代行を利用する人が最も陥りやすい罠です。罪悪感を感じる必要はありません。あなたは正当な手順で退職手続きを進めているのです。

理由3:悪意のある嫌がらせ・脅し

「話があるから会社に来い」「このままでは済まないぞ」といった、あなたを怖がらせ、支配下に置こうとする、最も悪質なケースです。これはパワハラに該当する可能性があります

このような脅迫的な連絡を受けた場合は、必ず証拠を保全し、退職代行業者だけでなく、必要に応じて労働基準監督署や警察への相談も検討しましょう。

退職時の嫌がらせ・圧力への対処法【録音・証拠保全の方法も】

【ケース別】連絡が来た時の完全対処マニュアル

いかなる場合でも、基本方針は「応答せず、業者に報告」です。その上で、連絡手段別の具体的な対処法をマスターしておきましょう。

ケース1:会社から「電話」がかかってきたら

【OK対応】

  • 知らない番号、会社や上司の番号からの電話には出ない。これが鉄則です
  • 留守番電話にメッセージが残されていたら、その内容を確認し、すぐに代行業者に報告・相談する
  • 万が一、うっかり電話に出てしまった場合は、「全て代行業者様に一任しておりますので、そちらにご連絡ください」とだけ冷静に伝え、すぐに電話を切る

長話には絶対に応じないでください。感情的になったり、事情を説明したりする必要は一切ありません

【NG対応】

  • 相手の感情的な言葉に、こちらも感情的になって言い返す
  • 罪悪感から、つい謝ったり、事情を説明したりしてしまう
  • 「分かりました」と、相手の要求(出社など)を安易に受け入れてしまう

ケース2:会社から「メール」や「LINE」が来たら

【OK対応】

  • 絶対に返信しない
  • メッセージのスクリーンショットを撮り、そのまま代行業者に転送する
  • 業者に「会社からこのような連絡が来ましたが、対応をお願いします」と報告する

証拠保全の観点から、記録は必ず残しておきましょう。後からトラブルになった際に重要な証拠となります。

【NG対応】

  • 「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」など、返信してしまう
  • ブロックしたり、削除したりする(証拠保全の観点から、記録は残しておきましょう)

ケース3:会社の人間が「自宅に訪問」してきたら

これは最も悪質で、恐怖を感じるケースですが、冷静に対処すれば大丈夫です。

【OK対応】

  • 絶対にドアを開けない。インターホン越しに対応します
  • インターホンで「退職の件は、全て代行業者様にお任せしております。直接のお話はお断りしておりますので、お帰りください」と、毅然とした態度で伝える
  • 相手が帰らない場合は、「これ以上お帰りいただけない場合は、警察に通報します」と警告する
  • それでも帰らない場合は、ためらわずに110番通報してください。これは、あなたの身を守る正当防衛です(不退去罪に問える可能性があります)
  • すぐに代行業者にも、訪問があった事実を報告する

【NG対応】

  • かわいそうだと思い、ドアを開けて話を聞いてしまう
  • 相手の恫喝に屈し、家に入れてしまう
  • パニックになり、何もできずに居留守を使い続ける

自宅への突然の訪問は、明らかに異常な行為です。遠慮や同情は不要です。あなたの安全を最優先に考えて行動してください。

退職代行は違法?会社にバレる?法的リスクを徹底解説

【実録】本当にあったトラブル事例と、その結末

実際に起こったトラブル事例を通じて、適切な対処法の重要性と、業者選びの影響を理解しましょう。

事例1:民間業者に依頼し、上司が激昂したケース

状況:20代女性Aさんは、料金の安さから民間企業の退職代行に依頼。業者が連絡すると、上司は「代理人でもない奴の話は聞かん!A本人と話させろ!」と激昂。

経過:業者は「当社は交渉できないので…」と引き下がり、その後、Aさんの携帯に上司から鬼のように着信が。結局、Aさんは恐怖で電話に出てしまい、数時間にわたる説教の末、退職日は1ヶ月引き延ばされ、有給も消化できなかった。

教訓:交渉が必要になりそうな相手に対して、交渉権のない民間業者を選ぶと、トラブル時に守ってもらえないリスクがある

事例2:労働組合に依頼し、会社からの連絡を毅然とシャットアウトしたケース

状況:30代男性Bさんは、労働組合運営の退職代行に依頼。翌日、会社の人事部長からBさんの携帯に「話がしたい」と電話が。

対応:Bさんは電話には出ず、すぐに代行業者の担当者に報告。担当者は即座に人事部長に連絡し、「組合員への直接連絡は、団体交渉権の侵害にあたる不当労働行為と見なす可能性がある。今後の連絡は全て組合を通すように」と、法的根拠に基づき強く警告。

結果:その後、会社からの連絡は一切なくなった。

教訓:法的な交渉権を持つ業者に依頼し、ルール通り「応答せず、報告」を徹底すれば、問題はプロが解決してくれる

事例3:自宅訪問を受けたが適切に対処したケース

状況:40代男性Cさんは、退職代行利用後、元上司が自宅マンションまで押しかけてきた。

対応:Cさんはドアを開けず、インターホン越しに「代行業者を通してください」と伝達。相手が居座ったため、「警察を呼びます」と警告し、実際に110番通報。

結果:警察が到着し、元上司に退去を指導。その後、代行業者から会社に厳重抗議が行われ、二度と直接接触はなくなった。

教訓:違法・不当な行為に対しては、躊躇なく法的機関(警察)の力を借りることが重要

トラブルを未然に防ぐための、依頼時の重要ポイント

そもそも、会社から直接連絡が来るという事態を防ぐために、依頼時に以下の点を業者に明確に伝えておきましょう

依頼時に業者に伝えるべき重要事項

  • 「本人への直接連絡は、緊急時を除き、絶対にしないよう、強く念押ししてください」とお願いする
  • 「もし本人に連絡があった場合は、即座に再度、会社へ抗議・警告していただけますか?」と、事後対応について確認しておく
  • 会社の特徴や上司の性格について、事前に詳しく説明しておく
  • 過去にトラブルがあった場合は、その詳細も伝えておく

実績のある優良な業者であれば、これらの要望に快く応じてくれます。

業者の対応力を事前に確認する方法

スクロールできます
確認項目良い業者の特徴注意すべき業者の特徴
会社からの連絡への対応「即座に再抗議します」と明言「対応します」程度の曖昧な回答
緊急時の連絡体制24時間連絡可能な体制営業時間内のみの対応
法的根拠の説明具体的な法的根拠を示せる「とにかく大丈夫」など根拠不明
過去の事例類似ケースの具体的対処法を説明一般論のみで具体性がない

【最新】退職代行おすすめランキング7選!料金・サービス徹底比較

よくある質問

仲の良かった同僚から、心配してLINEが来ました。これも無視すべきですか?

ケースバイケースですが、慎重な対応が必要です。純粋な心配である可能性も高いですが、その同僚が上司に頼まれて、あなたの状況を探ろうとしている可能性もゼロではありません。「心配してくれてありがとう。でも、今は代行業者さんに全てお任せしているので、ごめんなさい」と、当たり障りなく返信し、深い話は避けるのが無難です。

親に連絡が行くことはありますか?

会社が、あなたの親の連絡先を知っていて、かつ、その会社が非常に悪質な場合、可能性はゼロではありません。しかし、これは極めて稀なケースです。もしそのようなことがあれば、個人情報保護の観点からも大きな問題ですので、すぐに代行業者に相談してください。

業者に報告したのに、会社からの連絡が止まりません。

それは、依頼した業者の対応能力に問題がある可能性があります。特に、交渉権のない民間企業の場合、会社側が「なめてかかって」いるのかもしれません。もし、業者の対応に不満や不安を感じる場合は、より交渉力の強い労働組合や弁護士法人運営のサービスに、改めて相談することも検討すべきです。

会社からの連絡内容を録音しても大丈夫ですか?

はい、自分が当事者である会話の録音は法的に問題ありません。むしろ、証拠保全の観点から録音することをお勧めします。ただし、録音していることを相手に伝える必要はありません。録音データは代行業者にも共有し、適切な対応を求めましょう。

家族が会社からの電話に出てしまった場合はどうすればいいですか?

家族には事前に「会社から連絡があっても応対しないでほしい」と伝えておくことが重要です。もし出てしまった場合は、「本人は不在で、連絡は代行業者を通してください」と伝えてもらいましょう。家族が聞いた内容も含めて、すぐに代行業者に報告してください。

まとめ:あなたは「壁」の向こうにいる。応答する義務はない。

退職代行サービスを利用した瞬間、あなたと会社の間には、業者という名の分厚い「壁」が築かれます。会社からの連絡は、その壁の向こうから聞こえる声にすぎません。あなたには、それに耳を傾け、応答する義務も義理も、一切ないのです

あなたの仕事は、ただ一つ。「壁(業者)に報告すること」。それさえ守れば、あとはプロが全て解決してくれます。

重要なポイントを再度確認しましょう。

  • 電話には出ない、メールには返信しない、訪問にはドアを開けない
  • 全ての連絡内容を証拠として保全し、代行業者に即座に報告する
  • 悪質な行為には躊躇なく警察などの公的機関の力を借りる
  • 罪悪感を感じる必要はない。あなたは正当な手続きを踏んでいる

想定外の連絡に怯えることなく、冷静に、そして毅然と対処して、あなたの平穏な新しい毎日を手に入れてください。

退職代行を利用したあなたは、もはや会社の従業員ではありません。新しい人生のスタートラインに立った、自由な個人です。過去の束縛から解放され、明るい未来に向かって歩んでいく権利があなたにはあるのです。

■ 公式/参考URL一覧

  1. 厚生労働省 – 総合労働相談コーナーのご案内
    • 会社からの悪質な連絡や嫌がらせがエスカレートした場合の、公的な相談窓口として、信頼性の高い情報を提供するために参照。
  2. 法テラス(日本司法支援センター) – ストーカー・DV・嫌がらせの相談
    • 自宅への訪問など、退職トラブルがエスカレートした場合に、刑法上の問題(不退去罪など)になりうること、そして法的な相談が可能であることを示すために参照。
  3. 弁護士ドットコム等の法律相談サイト
    • 「退職代行 会社から連絡」といったキーワードで、実際の法律相談事例や弁護士の回答を複数参照
運営者情報

エフネクストの経営理念「キッカケ」はいつも人から。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次