行政書士の将来性とは、AI・行政DX・少子化が進む中でも需要が残り拡大するかという、この資格の伸びしろのことです。
結論、行政書士に将来性はあります。AIで消えるのは定型的な「作業」だけで、要件判断・行政折衝・独占業務は残ります。在留外国人412万人(過去最高)など、関連需要の裾野を示す指標も伸びています。読了後、あなたは「AIでなくなる」という噂の正体を見抜き、伸びる分野を選べるようになります。
この記事を書いた人


2013年に「ビジネス実務法務検定2級」と独学で「行政書士」試験に合格。この資格を活かし、法務やコンプライアンスの視点からも安心できる情報発信を心がけています。
この記事のポイント
- 消えるのは作業だけ
- 登録抹消は年数%程度
- 登録者は増加傾向
- 入管・相続が伸びる
- AIは使う側になる
【結論】行政書士に将来性はある——「なくなる」のは作業だけ

先に結論です。「行政書士はAIでなくなる」という不安に、現実のデータで答えます。消えるのは仕事の一部であって、資格そのものではありません。
丸ごとAIに置き換わる可能性は低い
結論から言えば、行政書士の仕事が丸ごとAIに置き換わる可能性は低いです。書類作成はAIが得意でも、要件判断・行政折衝・依頼者への相談は人の仕事として残るからです。実際、現役の行政書士も「消えるのではなく変化する」と口を揃えます(現役行政書士による実務解説)。
「なくなる業務」と「伸びる業務」に分かれる
ただし、変化がないわけではありません。定型的な代行は縮小し、相談・戦略や独占業務まわりの価値が相対的に高まっていく——というのが当サイトの見立てです(将来予測であり、確定した事実ではありません)。「行政書士がなくなるか」を心配するより、「どんな価値を出す行政書士になるか」を考える段階に来ています。
2026年の法改正はむしろ「追い風」
制度面でも後押しがあります。2026年1月施行の改正行政書士法で、デジタル対応が職責に明記され、無資格者による代行の禁止も強化されました(日本行政書士会連合会)。AIやデジタルを使いこなす側に回れる行政書士には、追い風の改正です。

正直、「なくなる」より「変われるか」が問われている実感です。
「AIでなくなる」説の正体——2015年研究の誤解


そもそも「行政書士はAIに奪われる」という説は、どこから来たのでしょうか。元になった研究を正しく理解すると、不安の輪郭が変わります。
元ネタは「2015年の代替可能性研究」
「オワコン」説の出どころは、1本の研究です。2015年に野村総合研究所とオックスフォード大学が発表した、AIによる職業代替可能性の分析で、行政書士は代替可能性が高い職種に分類されました。この「90%超」という数字が独り歩きしています。
「書類作成」の側面だけで評価された
ここに落とし穴があります。この研究は職業を定型的な作業特性のモデルで推計したもので、個々の実務の全体像をそのまま評価したものではないと研究元も限界を示しています。しかも発表は生成AI登場前の2015年。前提が今とは違うのです(野村総合研究所・2015年ニュースリリース参照)。
「技術的に可能」と「実際に代替される」は別
もう一つ重要な視点があります。技術的に代替できるかと、法律・信頼・複雑さの中で実際に代替されるかは、まったく別の問題です。AIは「正しそうに見える間違い」を出すこともあり、法的書類では最終責任を負える専門家の価値が下がりません。



10年前の研究を今の結論に使うのは、業界では危険とされます。
データで見る現実——飽和・廃業率・需要


感覚論ではなく、数字で現実を確かめましょう。「飽和している」「廃業率が高い」という噂を、公的データで検証します。
| 指標 | 数字 | 出典 |
|---|---|---|
| 登録者数(2015→2026) | 44,740人→54,186人(令和8年4月1日現在・個人会員) ※2026年7月1日現在では法人会員等を含め約5万6千人と日行連が発表 | 日行連 |
| 登録抹消の割合(令和6年度) | 登録者に対し年4%程度 ※事業統計上の「廃業率」ではない | 総務省・登録状況 |
| 在留外国人(2025末) | 412万5,395人(過去最高) | 出入国在留管理庁 |
「廃業率9割」は根拠のない都市伝説
もっとも広まっている噂から検証します。「3年で9割廃業」に統計的根拠はありません。確認できるのは、令和6年度の登録抹消が登録者の年4%程度という数字です(総務省「行政書士の登録状況」に基づく概算)。ただしこれは死亡等を含む「登録抹消」の割合であり、事業統計上の廃業率とは定義が異なるため、他産業の廃業率と直接比較することはできません。それでも「3年で9割」という数字を裏付けるデータはどこにもない、とは言えます。
登録者は増加も、抹消理由の多くは前向き
登録者数は約10年で1万人増え、競争が増したのは事実です。ただし登録抹消の理由別の内訳は公表されておらず、「収益不振による廃業」がどの程度かは統計からは分かりません。抹消には死亡・高齢による引退等も含まれるため、抹消=失敗と読むのは早計です。数の増加はどの士業でも共通で、行政書士だけの問題ではありません。
在留外国人は過去最高の412万人
需要の裾野を示すデータもあります。2025年末の在留外国人は412万5,395人で過去最高を更新しました(出入国在留管理庁)。これは行政書士への依頼件数そのものを示す統計ではありませんが、在留資格関連手続きの潜在的な母数が増えていることは確かで、入管業務は行政書士業界で注目される分野の一つになっています。



数字を見れば、「オワコン」がいかに雑な言葉か分かります。
AIで「縮む業務」と「伸びる業務」


将来を読むカギは、業務の中身を分けて見ることです。同じ行政書士でも、扱う仕事によって未来がまったく違います。
- 縮む:定型書類・単純代行
- 縮む:条文写し・低単価事務
- 伸びる:要件判断・行政折衝
- 伸びる:相談・戦略・伴走
縮むのは「作業的な代行」
AIと行政DXの影響を受けるのは、作業性の高い業務です。車庫証明のような定型・低単価業務や、ひな形に当てはめるだけの書類作成は縮小します。「書かないワンストップ窓口」やオンライン申請の普及で、単純な代行ニーズは確実に減っていきます。
伸びるのは「判断・設計・折衝」
一方、専門性の高い部分はむしろ価値が上がります。要件を満たすかの判断、通る書類の設計、行政窓口との折衝は、制度を深く理解していないとできません。オンラインで申請できることと、正しく申請できることは別。自分でやって失敗した人からの相談も増えています。
独占業務という「法的な壁」がある
根本的な安全弁も忘れてはいけません。官公署提出書類の作成・代行は行政書士の独占業務で、AIで作っても報酬を得て代行できるのは行政書士だけです。仕事の中身は行政書士の仕事内容・独占業務で確認できます。法律が需要の土台を守っています。





業界では「AIと同じ仕事しかしない人」だけが危ういとされます。
需要が伸びる注目分野


将来性を具体化するのが、伸びる分野の存在です。社会の変化がそのまま新しい仕事を生み出しています。どこに張るかで未来が変わります。
入管業務(在留資格)——最注目の成長分野
いま最も注目されるのが入管業務です。在留外国人412万人時代、在留資格の取得・変更・更新の需要は継続的に発生し、リピートも見込めます。ただし申請取次には「行政書士申請取次実務研修」を受けてピンクカードを取得する必要があるため、早めの準備が有利です。
相続・遺言——高齢化が追い風
高齢化を背景に、相続分野の需要も伸び続けています。遺産分割協議書や遺言作成のサポートは、紛争を含まない範囲で行政書士が担える安定分野です。地域に根ざして高齢者に寄り添う相談力が、そのまま強みになります。長く続けられる仕事の柱になります。
ドローン・民泊・補助金——新規制が生む新分野
新しいビジネスが生まれるたびに、新しい許認可が生まれます。ドローン飛行許可、民泊申請、補助金申請など、新規制とセットで行政書士の出番が拡大しています。いち早く専門性を身につければ、競合が少ないうちに実績を積めます。稼げる分野の詳細は行政書士の年収の現実もあわせてどうぞ。





新しい規制は、行政書士にとって新しいチャンスの合図です。
AI時代に選ばれる行政書士になるには


将来性があるとはいえ、全員が安泰なわけではありません。選ばれる側に回るための、現実的な戦略を3つに絞ります。
専門分野を1つに絞る
もっとも効くのが専門特化です。「何でも屋」は単価が上がらず、AIとも競合しやすい。入管なら入管、相続なら相続と1本柱を作ることで、代わりのきかない存在になれます。前職の経験や人脈と相性のよい分野を選ぶのが、立ち上がりの近道です。
AIを「敵」でなく「道具」にする
これからの必須スキルがAI活用です。下書きや調査はAIに任せ、自分は判断・提案・折衝という高付加価値の仕事に集中する——この使い分けが重要になる、というのが当サイトの見立てです。AIを使いこなせるかどうかが競争力の差になりやすい時代と言えるでしょう(将来予測を含みます)。
集客の仕組みを持つ
最後は集客です。ホームページを放置せず、紹介以外の問い合わせ経路を作れるかが、仕事量を大きく左右します。「仕事がない」と言う人の多くは、専門分野が曖昧で集客手段を持っていません(士業コンサルによる現場分析)。逆に言えば、ここを整えるだけで状況は変わります。



10年運用して見えた本質は、結局「専門×集客」に尽きます。
よくある質問(FAQ)
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- 行政書士はAIでいずれなくなりますか?
-
丸ごとなくなる可能性は低いです。AIが代替するのは定型書類の下書きや情報整理などの作業部分で、要件判断・書類設計・行政折衝・最終責任は人の仕事として残ります。さらに独占業務という法的な壁があり、AIで作っても報酬を得て代行できるのは行政書士だけです。
- 「行政書士はオワコン」は本当ですか?
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断定はできませんが、悲観の根拠は弱いです。元になった2015年の代替可能性研究は定型作業特性による推計で、生成AI登場前のもの。在留外国人412万人など関連需要の裾野を示す指標は伸びており、「3年で9割廃業」のような極端な説に統計的根拠はありません。
- 行政書士は飽和していて仕事がないのでは?
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登録者は約10年で1万人増え競争は激化していますが、これはどの士業でも同じです。問題は数ではなく「増えた中でどう選ばれるか」。専門分野を絞り、集客の仕組みを持つ行政書士は、飽和市場でも安定して仕事を得ています。
- 3年で9割が廃業するというのは本当ですか?
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統計的根拠のない都市伝説です。総務省の令和6年度データから確認できる登録抹消は登録者の年4%程度で、「3年で9割」を裏付ける数字はありません。ただし抹消理由の内訳は公表されておらず、抹消は死亡等も含む概念のため、事業統計上の廃業率とは異なる点に注意してください。
- これから伸びる行政書士の分野はどこですか?
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在留外国人の増加を背景とした入管業務、高齢化による相続・遺言、そしてドローン・民泊・補助金などの新分野が有望です。新しいビジネスや規制が生まれるたびに新しい許認可が生まれるため、いち早く専門特化した人にチャンスがあります。
- AIを使えば行政書士に依頼しなくてよくなりますか?
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なりません。AIで書類の下書きは作れても、要件を満たすかの判断や行政との折衝、そして報酬を得ての代行は行政書士の独占です。AIは「正しそうな間違い」を出すこともあり、最終的に責任を負える専門家の価値は下がりません。
- 2026年の法改正は将来性にどう影響しますか?
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追い風です。デジタル対応が職責に明記され、無資格者による代行の禁止と両罰規定が強化されました。AIやデジタルを使いこなす行政書士が制度的に後押しされる一方、独占業務の壁がより明確に守られる方向の改正です。
- これから行政書士を目指すのは遅いですか?
-
遅くありません。需要が伸びる分野が明確にあり、AIを使いこなす人材はむしろ不足しています。大切なのは資格取得後に専門分野を選び、AI活用と集客の仕組みを整えること。時代の変化に対応する姿勢があれば、十分に活躍できます。
まとめ|将来性は「どの業務を選ぶか」で決まる


「AIでなくなる」という漠然とした不安から、あなたはもう抜け出せます。消えるのは作業的な代行だけ。要件判断・折衝・独占業務は残り、入管や相続では需要が伸びている。将来性は資格全体でなく、あなたが選ぶ業務と働き方で決まります。
- 作業でなく判断で稼ぐ
- 伸びる分野を選ぶ
- AIは道具として使う
今日できる一歩は、入管・相続・ドローンなど伸びる分野から、自分の経験や興味と合うものを1つ選んでみること。資格取得の全体像は行政書士完全ガイド、講座での学び方は行政書士通信講座おすすめランキングで確認できます。




参考URL一覧
- 日本行政書士会連合会(会員数・改正):https://www.gyosei.or.jp
- アガルート・行政書士の将来性(登録者・廃業率の検証):https://www.agaroot.jp/gyosei/column/future
- 伊藤塾コラム・行政書士に将来性がある理由:https://column.itojuku.co.jp/gyosei/career/shouraisei
- 行政書士飯島事務所・AI時代の行政書士:https://iij-office.com/gyoseishoshi/gyoseishoshi-ai-shourai
- インナーコンサルティング・行政書士の仕事がなくなると言われる理由:https://blog.inner-consulting.com/gyousei-shigoto-nakunaru









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