「行政書士はやめとけ」とは、飽和・稼げない・AIなどを理由に受験を思いとどまらせる、ネット上でよく見かける忠告のことです。
結論、「やめとけ」の多くはデータの誤読か古いビジネス観に基づく誤解です。ただし「楽して稼ぎたい人」「営業が絶対に嫌な人」には確かに向きません。読了後、あなたは各理由の本当のところを見極め、自分が挑戦すべきか冷静に判断できるようになります。
この記事のポイント
- 「やめとけ」の多くは根拠が弱い
- 「飽和」に確たる根拠なし
- 独占業務は明確にある
- 向かない人も正直にいる
- 準備次第で後悔しない
この記事を書いた人


2013年に「ビジネス実務法務検定2級」と独学で「行政書士」試験に合格。この資格を活かし、法務やコンプライアンスの視点からも安心できる情報発信を心がけています。
【結論】「やめとけ」の多くは根拠が弱い——ただし例外もある

先に本音を言います。「行政書士はやめとけ」の大半は、数字を見れば否定できる誤解です。ただし、正直に「向かない人」もいます。両方を包み隠さずお伝えします。
多くは「データの誤読」か「古い常識」
ネットの「やめとけ」を分析すると、共通点が見えます。その多くは、統計の誤った解釈か、10年前のビジネス観に基づいています(士業メディアの分析)。「飽和」「稼げない」という言葉を、根拠を確かめずに繰り返しているケースが目立ちます。
それでも「向かない人」は確かにいる
一方で、無責任に「誰でもおすすめ」とは言いません。楽して稼ぎたい人、営業が絶対に嫌な人、勤務就職だけが目的の人には、正直に向きません。ここを直視せずに始めると後悔します。向き不向きは後半で具体的に示します。
「言っている人が誰か」を見る
意外と大事な視点があります。ネット上の「やめとけ」には、発言者が実務経験者かどうか分からないものが多いということ(発言者属性の調査があるわけではありません)。伝聞や古い情報が混ざりやすいからこそ、情報の出どころと根拠を見極めるのが、惑わされない第一歩です。

正直、やめとけと言う人ほど、やったことがない印象です。
「行政書士はやめとけ」と言われる7つの理由


まず、どんな理由で「やめとけ」と言われるのかを整理します。代表的な7つを押さえると、次章の仕分けが理解しやすくなります。
- 人数が多く飽和している
- 就職・転職しづらい
- 稼げない人もいる
- 独占業務が少ない/AI/難関/妬み
「飽和」「稼げない」が二大理由
もっとも多いのがこの2つです。登録者が5万人を超え飽和している、資格だけでは稼げない、という声が「やめとけ」の中心にあります。確かに登録者は令和8年4月時点で約5万4千人(日本行政書士会連合会)。数字の一面だけを見れば、不安になるのも無理はありません。
「就職に弱い」「独占業務が少ない」
働き方への懸念もよく挙がります。独立向け資格ゆえに勤務求人が少なく、他士業に比べ独占業務が弱いと言われがちです。就職目的で取ると期待外れになりやすい、というのは一理あります。ただし独占業務については明確な誤解があり、次章で解きます。
「難関」「AI」「妬み」も定番
残りの理由も見ておきましょう。合格率が10〜15%程度と難関で、AIに奪われるという不安、努力への妬みも「やめとけ」の背景にあります。難易度が高いのは事実ですが、それは裏を返せば取得後の価値でもあります。AIの影響は限定的です。



理由を並べると、実は「難関」以外は反論できるものばかりです。
理由を「事実・半分・誤解」に仕分けする


ここが本記事の核心です。7つの理由を、事実度で3段階に仕分けしました。感情でなく、事実として何が正しいのかを見極めましょう。
| 理由 | 判定 | 真相 |
|---|---|---|
| 難易度が高い | ◎事実 | 合格率10〜15%の難関(令和7年度14.54%) |
| 就職に弱い | △半分 | 独立向け・都市部に求人 |
| 稼げない人もいる | △半分 | 個人差大・営業力次第 |
| 飽和している | ×根拠薄 | 需給を示す公的統計がない |
| 独占業務が少ない | ×誤解 | 明確な法定独占あり |
| AIでなくなる | ×誤解 | 作業は縮小・判断は残る |
◎事実:難易度は本当に高い
唯一、全面的に事実なのが難易度です。直近の令和7年度は14.54%、過去10年でもおおむね10〜15%で推移する難関(行政書士試験研究センター)。ここは覚悟が要ります。ただ、難しいからこそ取得後に価値が出るとも言えます。年収の実態は行政書士の年収の現実で確認できます。


×根拠薄:「飽和」を裏付けるデータはない
「飽和」は根拠の弱い説の代表です。登録者数だけで市場の飽和は判断できません。需給を示す公的統計(受任件数・所得分布等)は存在せず、「飽和している」側にも「していない」側にも決定的なデータはないのが実情です。扱える書類は1万種超ともいわれ(日行連の案内による目安)、5万人全員がフル稼働ではなく副業登録や非稼働も含みます。令和7年度試験の合格者を見ても20代は1,517人にとどまり(試験研究センターの属性データ)、若い世代にはむしろチャンスがあります。
×誤解:「独占業務が少ない」も間違い
これも事実誤認です。官公署提出・権利義務・事実証明の3分野の書類作成は、行政書士法第1条の3と第19条の組み合わせによる罰則付きの法定独占です(他の法律で認められた例外はあります)。範囲が広く他士業と重なる部分があるため「少ない」と誤解されるだけ。なお、独占の有無と市場の需要量は別問題です。仕事の中身は行政書士の将来性・需要もあわせて読むと、需要の実態まで見えてきます。





仕分けしてみると、「やめとけ」の根拠の弱さがよく見えてきます。
それでも「本当にやめた方がいい人」


ここは正直に書きます。誰にでもおすすめできる資格ではありません。次に当てはまる人は、一度立ち止まった方がいいかもしれません。
「楽して稼ぎたい」人
まず、これは向きません。資格を取れば自動的に高収入、という期待を持っている人は確実に後悔します。医師免許のように取得=高収入ではなく、独立後は経営努力が必須。楽して稼げる資格ではない、という現実は受け入れる必要があります。
「営業が絶対に嫌」な人
独立を考えるなら、ここは避けて通れません。待ちの姿勢では仕事は来ず、集客・営業ができないと開業しても厳しいのが実態です。人と話すのも売り込むのも一切したくない、という人には独立行政書士は不向き。勤務でカバーする道もありますが、求人は限られます。
「就職・転職だけが目的」の人
目的が就職なら、ミスマッチの可能性があります。行政書士は独立向け資格で、勤務求人は都市部中心。就職の即戦力として万能ではありません。ただし企業法務で法律知識のアピールにはなります。転職の武器がほしいだけなら、他資格の方が近道な場合もあります。



向かない人に無理に勧めないのが、誠実な情報だと思います。
逆に「目指す価値がある人」


ここまで厳しい話もしましたが、向いている人には本当に良い資格です。次のどれかに当てはまるなら、挑戦する価値は十分あります。
独立・開業を見据えている人
もっとも相性がいいのが独立志向の人です。登録に一律の実務経験要件がなく、他業種の独立に比べ初期費用を抑えやすいのが行政書士の特徴です(費用は地域・事務所形態で変わります。利益率や成功のしやすさを保証するものではありません)。自分の裁量で働きたい、定年後も続けたいという人にとって、始めやすい部類の士業といえます。
専門分野を作れる・作りたい人
強みを掛け合わせられる人も向いています。前職の経験や人脈を活かし、入管・建設業・相続などに専門特化できる人は、飽和市場でも選ばれます。逆に言えば、何か1つでも武器にできる分野があるなら、それが最大の参入障壁になります。
コツコツ努力・勉強を続けられる人
難関資格ゆえの適性もあります。合格までの数百時間を継続でき、開業後も法改正や新分野を学び続けられる人は強い。行政書士は勉強が終わらない仕事です。学ぶことが苦でないなら、それ自体が大きな適性。学習法は行政書士通信講座おすすめランキングで講座も比較できます。





「学び続けられるか」。これが一番の適性だと感じています。
後悔しないための3つの準備


挑戦を決めたなら、後悔しないための準備をしておきましょう。「やめとけ」を跳ね返すのは、正しい準備です。
合格後の「働き方」を先に決める
最初にゴールを描きましょう。独立か勤務か、どの分野を専門にするかを、勉強を始める前にざっくり決めておくと、モチベーションが続きます。目的が曖昧なまま取ると「取ったのに使えない」と感じがち。逆算して動くことが、後悔しないコツです。
独立するなら「生活費」を確保する
独立志向なら、お金の準備が命綱です。開業1〜2年目は収入が不安定なため、当面の生活費を確保してから独立するのが鉄則。ここを軽視して資金ショートするのが、失敗の典型パターンです。副業から始めて軌道に乗せる道もあります。
まず正確な情報で「自分で」判断する
最後は情報リテラシーです。「やめとけ」の声を鵜呑みにせず、一次データと現役の声で自分の頭で判断すること。この記事もその材料の一つとして使ってください。全体像をつかみたい人は行政書士の将来性・需要で需要の実態も確認しましょう。





他人の「やめとけ」でなく、自分のデータで決めるのが正解です。
よくある質問(FAQ)
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- 「行政書士はやめとけ」は本当ですか?
-
多くは根拠の弱い説です。「飽和」「独占業務が少ない」「AIでなくなる」といった理由は、データを確認すると裏付けが見当たりません。一方、「難易度が高い」ことや、勤務求人が少なめなこと、登録・会費などの固定費がかかることは事実として押さえるべき点です。ただし楽して稼ぎたい人や営業が嫌な人には向かないため、向き不向きを見極めることが大切です。
- 行政書士は飽和して仕事がないのですか?
-
飽和とは言い切れません。士業の人数と平均年収に相関はなく、許認可業務は1万種以上と幅広いためです。登録者約5万4千人には副業や非稼働も含まれ、全員がフル稼働ではありません。専門特化と集客ができれば仕事は得られます。
- 行政書士は本当に稼げないのですか?
-
個人差が非常に大きいのが実態です。転職サービス登録者対象の調査(MS-Japan・2023年)では1,000万円超が約9%とされますが、これは独立者全体の分布ではありません。資格取得だけで高収入は保証されず、専門分野と営業力で差がつきます。「稼げない」のは資格のせいではなく、戦略の問題であることが多いです。
- どんな人が行政書士に向いていますか?
-
独立・開業を見据えている人、前職の経験や人脈で専門分野を作れる人、コツコツ勉強や営業を続けられる人が向いています。実務未経験でも低コストで開業でき、定年後の再スタートにも適した資格です。
- どんな人は行政書士をやめた方がいいですか?
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資格を取れば楽に高収入を得られると考えている人、営業や集客が絶対に嫌な人、就職・転職だけが目的の人は、期待とずれる可能性が高いです。独立には経営努力が、勤務には限られた求人という現実があるためです。
- 就職・転職のために取るのはやめた方がいいですか?
-
就職の即戦力として万能ではありません。行政書士は独立向けの資格で、勤務求人は都市部中心です。ただし企業法務では法律知識のアピールになり、難関試験を突破した努力も評価されます。就職が主目的なら他資格との比較も検討しましょう。
- 難易度が高いのに取る価値はありますか?
-
あります。合格率10〜15%の難関だからこそ、取得後の価値と信頼につながります。独立開業・企業内・ダブルライセンスなど働き方の選択肢が広がり、需要の伸びる分野も明確です。難易度は参入障壁でもあり、突破すれば強みになります。
- 「やめとけ」の声とどう向き合えばいいですか?
-
発言の根拠と出どころを確認しましょう。伝聞や古い情報が混ざりやすいためです。一次データ(登録状況・合格率・報酬統計)と現役の声をもとに、自分の目的に照らして判断するのが、後悔しない向き合い方です。
まとめ|「やめとけ」は他人でなく自分のデータで判断


「やめとけ」という言葉に振り回されていた状態から、あなたはもう抜け出せます。確かな事実は難易度の高さや固定費など一部で、飽和・独占・AI説には確たる根拠がない。稼げるかは戦略次第で、向く人・向かない人がはっきりある。他人の忠告でなく、事実で判断できる位置に立てました。
- 確かな事実は難易度と固定費
- 向き不向きを直視
- 準備すれば後悔しない
今日できる一歩は、この記事の「向く人・向かない人」に自分を当てはめてみること。挑戦すると決めたら、需要の実態を行政書士の将来性・需要で、学習の全体像を行政書士完全ガイドで確認しましょう。




参考URL一覧
- 日本行政書士会連合会(登録者数):https://www.gyosei.or.jp
- 行政書士試験研究センター(合格率):https://gyosei-shiken.or.jp/
- アガルート・「やめとけ」と言われる理由7選:https://www.agaroot.jp/gyosei/column/stop
- ブラッシュアップ学び・やめとけと言われる理由と実態:https://www.brush-up.jp/theme/real_estate/administrative-scrivener/sub/demerit
- Manegy・「行政書士はやめとけ」は本当か:https://www.manegy.com/learning/detail/text/117









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