「仕事辞めたい…うつかも」と思ったら|セルフチェック&心療内科に行くべき基準を解説

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仕事を辞めたいほどつらい場合、うつ病のセルフチェックを行い、気分の落ち込みや興味の喪失が2週間以上続くなら心療内科・精神科を受診すべき段階です。

「仕事辞めたい…これってうつ病?」という不安を抱えてこの記事にたどり着いたあなたへ。まず伝えたいのは、その感覚を「甘え」だと否定しないでほしいということです。2024年度に仕事のストレスが原因で精神障害の労災認定を受けた人は1,055件。統計開始以来初めて1,000件を超えました(厚生労働省「令和6年度 過労死等の労災補償状況」、2025年6月25日公表)。

あなただけが特別弱いわけではありません。本記事では、うつ病のセルフチェック10項目、心療内科に行くべき5つの基準、診断書のもらい方、休職・退職時に使える傷病手当金まで、受診前の不安を丸ごと解消します。

この記事のポイント

  • 「2週間以上」が受診判断のキーライン
  • QIDS-Jベースのセルフチェック10項目を収録
  • うつ病と適応障害の違いを比較表で整理
  • 傷病手当金は給与の約2/3を最長1年6ヶ月支給
  • うつ状態での退職判断は慎重に——今は決めなくていい

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目次

「仕事辞めたい=うつ病?」心療内科に行くべき5つの基準

「仕事を辞めたい」と感じること自体は、うつ病のサインとは限りません。ただし、その気持ちに加えて以下の5つの基準のいずれかに当てはまるなら、心療内科・精神科の受診を検討すべき段階です。「2週間以上」がキーラインだと覚えておいてください。

  • 気分の落ち込みや興味の喪失が2週間以上持続している
  • 不眠・食欲低下・頭痛・動悸などの身体症状が出ている
  • 「仕事に行けない」「涙が止まらない」が週に何度も起きている
  • 休日でも気分が回復しない
  • 「甘えかも」「まだ大丈夫」と自分に言い聞かせている

気分の落ち込み・興味の喪失が2週間以上続いている

うつ病の診断基準(DSM-5)では、「抑うつ気分」または「興味・喜びの著しい減退」のどちらかが、ほとんど毎日、2週間以上持続していることが主要な条件とされています。ここでいう「興味の喪失」とは、以前は楽しめていたことに対して何も感じなくなる状態のこと。好きだった趣味が面倒になった、友人と会いたいと思えなくなった——そうした変化は見落とされがちですが、重要なサインです。

「2週間」という数字には医学的な根拠があります。一時的な落ち込みは誰にでもありますが、それが2週間以上にわたって毎日のように続くなら、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れている可能性が出てきます。「最近ちょっと調子悪いだけ」と思い続けて3週間、4週間が経過しているなら、それは「ちょっと」ではないかもしれません。

身体症状が出ている——不眠・食欲低下・頭痛・動悸

うつ病は「心の病気」というイメージが強いですが、実際には身体症状から始まるケースが少なくありません。不眠(寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めて二度寝できない)、食欲の著しい低下または過食、慢性的な頭痛、動悸、胃痛、下痢——これらは内科を受診しても「異常なし」と言われることが多いのが特徴です。

「内科で検査しても異常がないのに体調が悪い」という状態が続いているなら、心療内科への受診を検討してください。身体症状だけが前面に出る「仮面うつ病」と呼ばれるタイプもあり、本人も周囲も気づきにくいのが厄介なところです。

「仕事に行けない」「涙が止まらない」が週に何度もある

朝、体が動かない。通勤電車に乗ると涙が出る。会社のビルが見えると足がすくむ。こうした状態が週に何度も繰り返されているなら、日常生活に明らかな支障が出ています。DSM-5では「社会的・職業的機能の著しい障害」がうつ病の診断要件に含まれており、「仕事に行けない」レベルの支障は、受診すべきラインを超えていると判断してよいでしょう。

「気合が足りない」「根性が足りない」と自分を責めている方が多いのですが、気合や根性で治るものなら、とっくに治っているはずです。ここは冷静に、自分の状態を客観視してみてください。

休日でも気分が回復しない——適応障害との違いを見極めるポイント

ここが、うつ病と適応障害を見分ける実用的な「分かれ道」になります。適応障害の場合、ストレスの原因(仕事)から離れると症状が和らぐことが多い。つまり、休日や長期休暇中に「わりと元気になれる」なら、適応障害の可能性が高い。一方、うつ病はストレスの原因から離れても抑うつ状態が続きます。休日も何もする気が起きない、好きだったことにも興味が湧かない——これが「休日テスト」とも言える鑑別のポイントです。

ただし、適応障害を放置すると、うつ病に移行するリスクがあります。「休日は元気だから大丈夫」と油断しないでほしい。適応障害の段階で治療を開始する方が、回復も早く、再発率も低くなります。どちらであっても「まず受診」が正解です(詳しい比較はH2③で後述します)。

「甘えかも」「まだ大丈夫」と自分に言い聞かせている

5つ目の基準は、逆説的ですが「自分はまだ受診するほどではない」と思っていること自体が、受診すべきサインだという話です。

うつ病やうつ状態の人は、自分の状態を過小評価しがちです。「もっとつらい人はいる」「自分は甘えている」と思い込む。でも、2024年度に精神障害の労災認定を受けた1,055人のうち、パワハラが原因だった人は224件。カスタマーハラスメントが原因だった人は108件(厚生労働省「令和6年度 過労死等の労災補償状況」より)。仕事のストレスで心を壊す人はこれだけの数に上ります。

早期受診のメリットは明確で、軽症のうちに治療を始めれば回復も早く、休職期間も短くて済みます。「もう少し様子を見よう」と先延ばしにしたことで症状が重症化し、結果として長期休職や退職を余儀なくされるケースは珍しくありません。「甘えかも」と思ったら、逆に受診のタイミングだと考えてみてください。

精神的に追い詰められている方は、こちらの記事も参考にしてください。➡️ 精神的に疲れた…仕事辞めたい、その気持ちは100%正しい

【10項目】仕事のストレスによるうつ症状セルフチェック

以下のセルフチェックは、うつ病の重症度を評価する国際的な尺度「QIDS-J(簡易抑うつ症状尺度日本語版)」の項目を参考に、仕事のストレスに特化して簡易化したものです。あくまでスクリーニング(ふるい分け)を目的としており、これだけでうつ病の診断はできません。正確な診断は必ず医師が行います。

  • セルフチェック結果はあくまで「受診の目安」
  • QIDS-Jベースの信頼性のある評価軸を使用
  • 自己診断だけで判断しない——必ず医師に相談を

セルフチェック10項目——最近2週間を振り返って確認してください

以下の10項目について、最近2週間の状態に当てはまるものをチェックしてみてください。

  • ①寝つきが悪い、または夜中に何度も目が覚める
  • ②朝早く目が覚め、二度寝ができない
  • ③食欲が著しく減った、または過食が止まらない
  • ④体重が1ヶ月で3kg以上増減した
  • ⑤集中力が落ち、簡単なミスが増えた
  • ⑥以前楽しめていたことに興味が湧かない
  • ⑦自分を責める気持ち(罪悪感)が強い
  • ⑧体がだるく、何をするにも億劫に感じる
  • ⑨気分が沈み、理由もなく涙が出ることがある
  • ⑩「消えてしまいたい」と思うことがある

⑩に該当する方は、セルフチェックの結果にかかわらず、できるだけ早く専門機関に相談してください。厚生労働省の相談窓口「まもろうよ こころ」(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/)では、電話・SNS・チャットで24時間相談を受け付けています。

チェック結果の読み方と「受診ライン」の目安

あくまで目安ですが、以下を参考にしてください。

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該当数目安推奨アクション
0〜2個軽度のストレス反応生活習慣の見直し・セルフケアを意識する
3〜5個中等度のストレス反応心療内科・精神科の受診を検討
6個以上強いストレス反応早めの受診を強く推奨

3個以上に該当する場合は、受診を検討してよい段階です。「3個だからまだ平気」ではなく、「3個も当てはまっているなら、一度専門家に診てもらおう」という方向で考えてください。ストレス度合いを別の角度からチェックしたい方は、こちらの記事も参考になります。➡️ 仕事辞めたい疲れた時の無料ストレス診断

セルフチェックの限界——自己診断の危険性を知っておく

大事なことなので繰り返します。セルフチェックで「うつ病かどうか」は判断できません。うつ病の診断は、問診・症状の経過・生活状況・既往歴など、多角的な情報を総合して医師が行うものです。

むしろ危険なのは、セルフチェックの結果が「軽度」だったからといって安心してしまい、実際には受診が必要な状態を見逃すケースです。逆に、セルフチェックの結果だけを見て「自分はうつ病だ」と思い込み、不安が増幅してしまうケースもあります。どちらのパターンも、専門家の判断なしに自分で結論を出すことが問題の根っこにあります。チェック結果はあくまで「受診するかどうかを考えるきっかけ」として使ってください。

うつ病と適応障害の違い|仕事のストレスが原因のとき、どちらを疑う?

「うつ病」と「適応障害」は混同されやすい疾患ですが、原因からの回復パターンに決定的な違いがあります。どちらであっても受診すべきという結論は変わりませんが、違いを知っておくと自分の状態を客観的に捉えやすくなります。

  • 最大の違いは「ストレスから離れて回復するかどうか」
  • 適応障害からうつ病への移行リスクがある
  • 鑑別は医師の仕事——自己判断は禁物

【比較表】うつ病と適応障害の5つの違い

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比較軸うつ病適応障害
原因特定しにくい場合もある(脳の機能的変化)明確なストレス因がある(仕事・人間関係等)
症状の持続性ストレスから離れても症状が持続するストレスから離れると症状が和らぐ
休日の回復休日も気分が晴れない休日は比較的元気になれることが多い
治療法の中心薬物療法+休養+心理療法ストレスの除去・環境調整+心理療法
予後再発リスクがある(適切な治療で軽減可能)ストレス因が解消されれば回復しやすい

先ほど触れた「休日テスト」をもう少し具体的に説明すると、こういうことです。金曜の夜や土曜の朝、仕事から解放された瞬間に「ほっとする」「趣味を楽しめる」なら適応障害の可能性が高い。逆に、休日も横になったまま何もする気力がない、好きだった映画やゲームすら面倒に感じるなら、うつ病の可能性を考えるべきです。ただし、これはあくまで目安であり、最終的な判断は医師が行います。

適応障害からうつ病に移行するリスク

「適応障害ならうつ病より軽い」と思われがちですが、これは正確ではありません。適応障害を放置した場合のうつ病への移行リスクは無視できない水準にあり、適応障害で休職した人の再休職率は1年で57.4%、2年で76.5%に達するという調査データもあります(構成案記載のファクトチェック済みデータ。確度レベルB:複数の二次ソースで言及あり)。

正直なところ、適応障害からうつ病への移行率そのものについては、一次統計で明確な数値を確認することが難しい状況です。ただ、臨床の現場では「適応障害と診断されたが、のちにうつ病に診断が変更された」というケースは珍しくないとされています。いずれにせよ、「適応障害だから軽い」と放置するのは危険だということです。

どちらであっても「まず受診」が正解

うつ病か適応障害かの鑑別は、医師の仕事です。あなたがやるべきことは、自分でどちらかを判断することではなく、「つらい状態が続いている」という事実をもって専門機関の門を叩くこと。適応障害の段階で治療を開始すれば、環境調整とカウンセリングで比較的短期間に回復できる可能性が高いのです。うつ病に移行してからでは、治療期間も長引き、社会復帰のハードルも上がります。

心療内科・精神科の受診ガイド|初診で何を聞かれる?費用は?

「行った方がいいのはわかった。でも、実際にどうすればいいの?」という不安を解消するのがこのセクションです。心療内科と精神科の違い、初診の流れ、費用の目安、そしてオンライン診療という選択肢まで、受診のハードルを具体的に下げる情報を並べました。

  • 心療内科と精神科は厳密な区別なし——通いやすさで選んでOK
  • 初診はメモを持参すると伝え漏れが防げる
  • 費用は保険適用3割負担で3,000〜5,000円程度

心療内科と精神科の違い——迷ったらどちらを受診する?

結論を先に言うと、心療内科と精神科に厳密な区別はなく、どちらを受診しても診断書はもらえます(島村記念病院の解説より)。傾向としては、心療内科はストレスが原因で体に症状が出ている場合(頭痛、胃痛、不眠など)、精神科は心の症状が中心の場合(抑うつ、不安、幻覚など)に利用されることが多いですが、実際には両方を診るクリニックがほとんどです。

迷ったときの判断基準はシンプルで、「自宅や職場から通いやすい場所にあるか」を最優先にしてください。メンタルの治療は1回の受診で終わることは少なく、継続的な通院が必要になります。通院が負担になると治療が中断しやすくなるため、アクセスの良さは意外と重要なファクターです。

初診の流れと聞かれること——メモの準備が有効

初めて心療内科を受診するとき、「何を話せばいいかわからない」という不安はもっともな感覚です。初診の流れを事前に把握しておくだけで、かなり気持ちが楽になります。

一般的な初診の流れは、まず受付で問診票を記入し、その後、医師との面談に入ります。面談では「いつ頃からどんな症状があるか」「仕事や生活で困っていること」「睡眠・食事の状態」「過去の通院歴や服薬歴」などを聞かれます。初診の所要時間は30分〜1時間程度が一般的です。

事前にメモを用意しておくと、緊張で話がまとまらなくなるリスクを防げます。書いておくべきことは、症状が始まった時期、具体的な症状(不眠、食欲低下など)、仕事の状況(残業時間、人間関係のストレスなど)、日常生活への支障の程度。スマホのメモアプリに箇条書きで入れておくだけで十分です。

初診の費用と時間の目安——保険適用で3,000〜5,000円程度

初診料は保険適用(3割負担)で3,000〜5,000円程度が目安です(クリニックや検査内容によって前後します)。健康保険証(またはマイナ保険証)を持参してください。診断書の発行が必要な場合は、別途3,000〜5,000円程度の文書料がかかります。

「治療費が続けられるか心配」という方は、自立支援医療制度を利用することで、自己負担を3割から1割に軽減できます。この制度は精神科・心療内科の通院治療が対象で、市区町村の窓口で申請できます。詳しくはH2⑤で解説します。

オンライン診療という選択肢

「どうしても通院が難しい」「家から出る気力がない」という場合は、オンライン診療を提供しているクリニックを探す手もあります。ビデオ通話で医師の診察を受けられるため、自宅にいながら相談が可能です。ただし、すべてのクリニックがオンラインに対応しているわけではなく、初診はオンライン不可とする医療機関もあります。また、診断書の発行についても対応状況はクリニックによって異なるため、事前に確認してください。

厚生労働省の「医療情報ネット(ナビイ)」を利用すれば、オンライン診療に対応した最寄りの医療機関を検索できます。

うつ病と診断されたら?休職・退職・お金の不安を解消するロードマップ

実際に受診し、うつ病や適応障害と診断された場合に読者が直面する3大不安は「仕事はどうなる?」「お金は大丈夫?」「キャリアに傷がつかない?」です。ここでは、診断後に取るべきステップと、利用できる経済的支援制度を具体的に整理します。

  • 診断書は初診では発行されないケースもある
  • 傷病手当金は給与の約2/3、最長1年6ヶ月支給
  • 退職日に出勤すると傷病手当金の継続受給が不可に

診断書のもらい方と記載内容

診断書は、医師が患者の状態を診察し、専門的な判断に基づいて発行する公的な書類です。症状が重い場合は初診で発行されることもありますが、一般的には2〜3回の診察を経て診断が確定し、その後に発行される流れになります(島村記念病院の解説より)。

診断書には病名、症状の概要、休養が必要な期間、就労の可否(「〇ヶ月の休養を要する」等の記載)が含まれます。費用は3,000〜5,000円程度で、発行までに数日〜1週間かかることもあるため、急ぎの場合は初診時に医師に相談してください。ちなみに、法律上は退職に診断書の提出は必須ではありません(民法627条)。ただ、会社に理解を求めたり、傷病手当金を申請したりする際には必要になります。

「まず休職」の選択肢と傷病手当金——給与の約2/3、最長1年6ヶ月

いきなり退職を選ぶ前に、休職制度を検討してください。健康保険の傷病手当金は、標準報酬月額の約2/3が、支給開始日から通算して最長1年6ヶ月支給される制度です(2022年1月の法改正で「通算」方式に変更。途中で復帰した期間はカウントされません)。

計算式は「支給開始日以前の12ヶ月間の標準報酬月額の平均額 ÷ 30 × 2/3」。たとえば標準報酬月額が30万円の場合、日額は約6,667円、月額換算で約20万円になります(協会けんぽの公式ページより)。

支給条件は4つあり、①業務外の病気やケガで療養中であること、②療養のため労務不能であること、③連続する3日間を含み4日以上仕事を休んでいること、④給与の支払いがないこと——これらをすべて満たす必要があります。

⚠️ 退職日に出勤すると、退職後の傷病手当金がもらえなくなる

これは本当に見落とされやすい落とし穴です。退職後も傷病手当金を継続受給するには、退職日に「労務不能」の状態であることが条件です(協会けんぽFAQに明記)。つまり、退職日に「最後の挨拶回りだけ」と出勤してしまうと、その日は「労務不能ではなかった」と見なされ、退職後の傷病手当金が一切受給できなくなります。

退職後の継続受給には、もう1つ条件があります。退職日までに継続して1年以上の被保険者期間(健康保険の加入期間)があること。転職で1日でも空白期間があると対象外になるため注意が必要です。挨拶はメールや電話で十分です。数百万円単位の受給権を失うリスクを考えれば、退職日は絶対に休んでください。

退職する場合のステップと失業保険の切り替え

うつ病で休職後、回復の見込みが立たない場合や、職場環境が根本的に改善できない場合は、退職を選択することもあります。その際の流れは、まず主治医に退職の相談をし、退職届を提出、退職後に傷病手当金の継続受給の手続きを行います。

傷病手当金と失業保険(雇用保険の基本手当)は併用できません。うつ病が回復し「働ける状態」になってから失業保険に切り替える流れになります。回復前の段階では、ハローワークで「受給期間延長」の手続きをしておくことが重要です。これを行わないと、退職から1年で失業保険の受給期間が終了してしまい、回復後に受け取れなくなるリスクがあります。

自立支援医療・障害年金——知っておくべき経済的支援制度

「治療費が払えるか不安」という方に知っておいてほしい制度が2つあります。

  • 1つ目は自立支援医療制度。精神科・心療内科の通院治療にかかる自己負担を、3割から1割に軽減できる制度です。たとえば月の医療費が1万円かかっていた場合、自己負担は約3,300円(3割)から約1,000円(1割)に下がります。申請先は市区町村の障害福祉担当窓口です。
  • 2つ目は障害年金。うつ病が長期化し、日常生活や就労に著しい支障がある場合に受給対象となる可能性があります。障害等級や加入している年金の種類(国民年金か厚生年金か)によって受給額が異なり、申請手続きも複雑なため、社会保険労務士や年金事務所への相談をおすすめします。

「仕事辞めたい=うつ」ではない|退職を決断する前に確認すべき3つのこと

ここまで読んで、「やっぱり辞めるべきだ」と思った方もいるかもしれません。ただ、もうひとつだけ伝えたいことがあります。うつ状態で下した判断は、回復後に後悔する可能性がある、ということです。

  • うつ状態では脳の判断力が低下している
  • 退職以外にも選択肢はある(休職・配置転換・時短)
  • 「それでも辞めたい」ときの判断基準3つ

うつ状態では判断力が低下している——「今は決めなくていい」

うつ病は脳の機能的な疾患であり、判断力・思考力・集中力を低下させます。「周囲に迷惑をかけている」「自分はこの職場にいない方がいい」「辞めるしかない」——こうした思考は、うつ病の症状そのものである可能性があります。つまり、「辞めたい」と強く感じている今の判断は、病気に歪められた判断かもしれないのです。

精神科医の立場からも、「うつ状態のときに人生の重大な決断(退職・離婚・転居など)をすることは避けるべき」というのが一般的な見解です。まずは治療に専念し、症状が落ち着いてから改めて考えても遅くはありません。「今は大きな決断をしないでいい」——この言葉を、自分に許可してあげてください。

退職以外の選択肢——休職・配置転換・時短勤務

退職は最終手段です。その前に検討すべき選択肢がいくつかあります。

休職制度:多くの企業には就業規則に休職制度が定められています。傷病手当金を受給しながら治療に専念でき、回復後に復職できる道を残せます。

配置転換の申し出:ストレスの原因が特定の上司や業務にある場合、部署異動や担当変更を会社に相談する方法もあります。

時短勤務・リワークプログラム:復職後にいきなりフルタイムに戻すのではなく、段階的に勤務時間を増やしていくリワーク(復職支援)プログラムを提供する医療機関や企業もあります。

これらの選択肢を検討するうえで重要なのは、主治医と相談しながら進めることです。一人で抱え込まず、産業医がいる会社なら産業医にも相談してみてください。

それでも辞めたいとき——退職が適切なケースの判断基準3つ

「休職も配置転換も検討したけれど、やはり退職したい」という場合、以下の3つの条件が揃っているかを確認してみてください。

  • 1つ目は、主治医が退職を支持しているか。医師が「この職場環境では回復が見込めない」と判断しているなら、退職は治療の一環として正当な選択です。
  • 2つ目は、職場環境が構造的に改善不可能か。パワハラが組織文化に根づいている、長時間労働が常態化しているなど、個人の努力では変えられない問題がある場合です。
  • 3つ目は、退職後の経済的なプランが立っているか。傷病手当金の受給見込み、貯蓄、家族のサポートなど、最低限の生活基盤が確保できているかどうか。

この3つが揃っているなら、退職は「逃げ」ではなく「自己防衛」です。ただし、できれば回復後に「あのとき辞めてよかった」と思える状態を目指してほしい。焦らず、治療を最優先に考えてください。

よくある質問

仕事辞めたいのはうつ病のサインですか?

仕事を辞めたいという気持ち自体はうつ病のサインとは限りません。ただし、気分の落ち込み・興味の喪失・不眠・食欲低下が2週間以上続く場合はうつ病の可能性があり、心療内科・精神科の受診を検討してください。「辞めたい」だけでなく「体と心に異変が出ているか」がポイントです。

心療内科に行くべきか迷っています。行く基準は?

日常生活に支障が出ている状態が1〜2週間以上続いているなら、受診を検討すべき段階です。具体的には「出勤できない」「涙が止まらない」「眠れない」などが該当します。「まだ大丈夫」と感じていても、身体症状が出ているなら受診のタイミングだと考えてください。

心療内科に行ったら会社にバレますか?

医療機関には守秘義務があり、本人の同意なく会社に通院情報が伝わることはありません。健康保険の利用履歴に「心療内科」の名称が記載されることはありますが、診察内容は開示されません。プライバシーは法律で守られています。

初診でいきなり「うつ病」と診断されますか?

症状が明確な場合は初診で診断されるケースもありますが、一般的には2〜3回の診察を経て診断が確定することが多いです。初診では問診と症状の聞き取りが中心で、医師があなたの状態を多角的に評価します。

うつ病の診断書はすぐもらえますか?費用は?

症状が重い場合は初診でも発行されることがありますが、通常は複数回の診察後になります。費用は3,000〜5,000円程度が一般的です。急ぎの場合は初診時にその旨を医師に伝えてください。

うつ病で休職したら、お金はどうなりますか?

健康保険の傷病手当金により、標準報酬月額の約2/3が最長1年6ヶ月支給されます。たとえば月給30万円なら月額約20万円の支給です。退職後も条件を満たせば継続受給が可能ですが、退職日に出勤すると受給資格を失うため注意してください。

うつ病で退職したら失業保険はもらえますか?

うつ病が回復し「働ける状態」になれば失業保険の受給対象となります。回復前は傷病手当金を優先し、ハローワークで受給期間延長の手続きをしておくのが重要です。傷病手当金と失業保険の同時受給はできません。

うつ病と適応障害はどう違いますか?

最大の違いは、ストレスの原因から離れたときに症状が改善するかどうかです。適応障害はストレスから離れると回復しやすいですが、うつ病はストレスから離れても抑うつ状態が続きます。休日に楽しめるかどうかが一つの目安になりますが、最終的な判断は医師が行います。

退職代行を使ってもいいですか?

うつ病で直接伝えることが困難な場合、退職代行の利用は選択肢の一つです。ただし、傷病手当金の継続受給には退職日に出勤しないことが条件です。退職代行業者にこの点を必ず確認し、退職日の取り扱いについて事前に打ち合わせてください。

家族が「仕事辞めたい、うつかも」と言っています。どうすればいい?

まず本人の話を否定せずに聞くことが最も重要です。「甘えだ」「頑張れ」という言葉は、うつ状態の人をさらに追い詰める恐れがあります。体調の良いタイミングで心療内科の受診を提案し、必要に応じて予約や付き添いのサポートをしてあげてください。

まとめ——「つらい」と感じたら、それが行動のサイン

この記事を読んでいるということは、あなた自身(あるいはあなたの大切な人)が、かなり追い詰められた状態にあるのかもしれません。最後に伝えたいことは3つです。

  • 1つ目。「甘えかも」と自分を責める必要はありません。2024年度の精神障害の労災認定は1,055件。あなたの状態は珍しいものではなく、専門家に相談して良い状態です。
  • 2つ目。2週間以上つらい状態が続いているなら、心療内科・精神科の受診を検討してください。初診は保険適用で3,000〜5,000円程度。メモを持参すれば、うまく話せなくても大丈夫です。
  • 3つ目。今すぐ「辞める」「辞めない」を決める必要はありません。傷病手当金や自立支援医療といったセーフティネットは存在します。まずは治療に専念し、判断力が回復してから、次のステップを考えてください。

もしこの記事を読んで「自分はつらい状態にある」と少しでも感じたなら、それが行動のサインです。一人で抱え込まず、専門家の力を借りてください。

つらい気持ちを今すぐ誰かに話したい場合は、厚生労働省「まもろうよ こころ」(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/)で電話・SNS・チャット相談が利用できます。

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