「もう疲れた…」「限界かもしれない…」そう感じているのに、自分の疲れがどの程度深刻なのか、客観的に判断するのは難しいものです。この記事では、厚生労働省のチェックリストなどを基に作成した25の質問に答えるだけで、あなたの心身の限界度を4段階で診断できる無料のセルフチェックツールを提供します。診断結果に基づき、今のあなたに本当に必要な、具体的な段階別対処法もわかります。自分を追い詰めるのをやめ、まずは客観的に現在地を把握することから始めましょう。
この記事のポイントまとめ
- 5分で完了:25の簡単な質問に答えるだけで、あなたのストレス・疲労の蓄積度が客観的にわかります
- 信頼性の高い基準:厚生労働省の「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」等を参考に作成しています
- 4段階で結果表示:あなたの限界度を「安全」「注意」「危険」「緊急事態」の4レベルでわかりやすく解説します
- 具体的な対処法:診断結果のレベルごとに、今すぐ何をすべきかの具体的なアクションプランを提示します
- 専門家への相談:一人で抱えきれない状態の時には、専門の医療機関へスムーズに繋がるための情報も提供します
その疲れ、放置は危険です【診断前の注意点】
診断を始める前に、一つだけお伝えしたいことがあります。
「疲れた」「限界だ」と感じるその感覚は、あなたの心が発している最も正直で、重要なサインです。決して「気のせい」や「甘え」で片付けてはいけません。
厚生労働省の調査では、日本の労働者の約6割が、仕事に対して「強い不安、悩み、ストレスがある」と回答しています。また、高ストレス者と判定される人の割合も年々増加傾向にあります。あなたが疲れを感じるのは、特別なことでも、弱いからでもないのです。
【重要:必ずお読みください】この診断は、あなたの心身の状態を客観的に把握するための一つの目安です。医学的な診断に代わるものではありません。診断結果にかかわらず、心身の不調が続いている、あるいは強い苦痛を感じる場合は、この記事の最後に記載されている窓口や、お近くの心療内科・精神科といった専門の医療機関に必ず相談してください。
それでは、準備はよろしいでしょうか。過去1ヶ月のあなたご自身の状態を、正直に振り返りながら回答してみてください。
【無料】5分でわかる!限界度ストレス診断チェック(全25問)
各質問に対して、最も当てはまるものを1つ選んでください。
【全くない(0点)・時々ある(1点)・よくある(2点)・ほとんどいつも(3点)】
A. 自覚症状についての質問(13問)
- 朝、目が覚めても「疲れた」と感じる
- 仕事中、強い眠気を感じることがある
- 息切れやめまいを感じることがある
- 目が疲れる、かすむ
- 頭痛や頭が重い感じがする
- 肩、首、背中が凝る、または痛む
- 胃腸の調子が悪い(胃痛、便秘、下痢など)
- 食欲がない、または食べ過ぎてしまう
- 夜、なかなか寝付けない、または夜中に目が覚める
- ちょっとしたことでイライラする
- 何かをするのが億劫だと感じる
- 理由もなく不安な気持ちになる
- 気分が落ち込んで、憂鬱になる
B. 仕事の状況についての質問(7問)
- 勤務時間中は、ほとんど休憩が取れない
- 勤務時間が不規則、または夜勤や休日出勤がある
- 毎日2時間以上の残業をするのが当たり前になっている
- 仕事の量が多く、自分のペースで進められない
- 仕事で大きな責任やプレッシャーを感じている
- 職場の人間関係で悩んでいる
- 仕事でミスをしたり、ヒヤリとすることが増えた
C. プライベートの状況についての質問(5問)
- 帰宅後、疲れて何もする気が起きない
- 休日も仕事のことが頭から離れない
- 趣味や好きなことを楽しむ気力がない
- 家族や友人との会話が減った
- 将来に対して、希望が持てないと感じる
▼ 合計点を計算してください ▼
診断結果:あなたの心身の限界度は?
あなたの合計点は何点でしたか?点数に応じて、あなたの心身の限界度レベルと、今必要なアクションを解説します。
【合計 0~20点】レベル1:安全ゾーン 🟢
あなたの心身は、まだ健全な状態を保てているようです。日々のストレスや疲れを、自分なりにうまく解消できています。しかし、油断は禁物です。この健康な状態を維持するために、引き続きセルフケアを大切にしましょう。
アクションプラン:
- 良質な睡眠を維持する:7時間以上の睡眠を目標に
- バランスの取れた食事:特にビタミンB群やタンパク質を意識
- 軽い運動の習慣化:週に2~3回、20分程度のウォーキングから
- 週末のデジタルデトックス:仕事用のPCやスマホから離れる時間を作る
【合計 21~40点】レベル2:注意ゾーン 🟡
あなたは「隠れ疲労」が蓄積し始めている状態です。自覚症状はまだ少ないかもしれませんが、心身は確実にSOSを発し始めています。「まだ大丈夫」と無理を続けると、一気に危険ゾーンに移行する可能性があります。
アクションプラン:
- 意識的に休息を取る:思い切って有給休暇を取得し、何もしない一日を作りましょう
- ストレスコーピングを見直す:自分のストレス解消法(コーピング)を書き出し、効果的なものを実践しましょう
- 完璧主義を手放す:仕事は8割できればOKと考え、自分を追い詰めない
- 信頼できる人に話を聞いてもらう:友人や家族に、今の気持ちを話してみましょう
感情の波をうまくコントロールする方法を学びましょう。
→ 【診断付】あなたの「仕事を辞めたい」は逃げ?勇気?5つの質問で見極める方法
【合計 41~60点】レベル3:危険ゾーン 🟠
あなたの心身は、限界が近い危険な状態です。おそらく、この記事で紹介したような「毎日仕事に行きたくない」という強い拒否感を、日常的に感じているのではないでしょうか。これは意志の問題ではなく、過剰なストレスによる心身の悲鳴です。専門家の助けを借りることを真剣に検討すべき段階です。
アクションプラン:
- 現状の働き方を見直す:上司に相談し、業務量の調整や残業時間の削減を申し出ましょう
- 環境調整を試みる:部署異動など、ストレス源から物理的に離れる方法を検討する
- 休職を視野に入れる:まずは1~2週間程度の長期休暇が取れないか相談してみましょう。状況によっては、医師の診断書をもらい、正式な休職制度を利用することも重要です
なぜ毎日行きたくないのか、その心理を深く理解し、具体的な解決策を探りましょう。
→ [ 毎日「仕事行きたくない」が止まらない時の心理分析と3つの解決策]
【合計 61点以上】レベル4:緊急事態ゾーン 🔴
今すぐ、全ての行動をストップしてください。
あなたの心身は、いつパンクしてもおかしくない極めて危険な状態にあります。これは、うつ病や適応障害といった、治療が必要な病気の可能性も考えられるレベルです。決して一人で抱え込まず、即座に専門の医療機関を受診してください。
アクションプラン:
- 最優先事項:心療内科・精神科の受診:会社のことは考えず、まずは予約を取り、医師の診察を受けてください
- 休職・退職の決断:医師と相談の上、心身の回復を最優先するための決断(休職、退職など)をしましょう。あなたの命と健康以上に大切な仕事はありません
- 公的な相談窓口を利用する:病院に行くのがためらわれる場合でも、まずは電話相談などを利用してください
燃え尽きてしまった心を、安全に回復させるためのステップはこちら。
→ [燃え尽きた心を回復させる方法〜バーンアウトから立ち直る完全ガイド〜]
どうしても今日、会社を辞めたい場合はこちら。
→ [【緊急時】今すぐ仕事を辞めたい人のための24時間以内実行ガイド]
よくある質問
- 診断で点数が高かったのですが、仕事を休むわけにはいきません。
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その「休めない」という思考こそが、あなたを追い詰めている最大の原因かもしれません。あなたが倒れてしまえば、仕事どころではなくなります。休むことは、あなたに残された義務であり、権利です。まずは半日でも良いので、休みを取ることから考えてみてください。
- 病院では、どんなことをするのですか?
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まずは専門の医師が、あなたの話をじっくりと聞くことから始まります。現在の症状や、仕事・プライベートの状況などを話す中で、あなたの状態を診断し、今後の治療方針(休養の指示、お薬の処方、カウンセリングなど)を一緒に考えてくれます。
- 診断結果を上司に見せた方がいいですか?
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必ずしも見せる必要はありません。しかし、「危険ゾーン」以上で、業務量の調整や休職を相談する際には、この診断結果を基に「現在、これほど心身に負荷がかかっているため、相談させてください」と切り出すことで、客観的な状況が伝わりやすくなる可能性があります。
- 疲れの原因が、仕事なのかプライベートなのかわかりません。
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多くの場合、仕事とプライベートのストレスは相互に影響し合います。この診断は、その両方からの影響度を測るものです。どちらか一方に原因を限定しようとせず、「全体として、自分のキャパシティを超えている」という事実を受け止めることが大切です。
- ストレスに強い人と弱い人の違いは何ですか?
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ストレスへの耐性には個人差がありますが、「強い人」は、自分なりのストレス解消法(コーピング)を多く持っていたり、物事の捉え方が柔軟だったり、困った時に人に頼るのが上手だったりする傾向があります。これらは、今からでも意識して身につけることが可能です。
- この診断を定期的に行った方がいいですか?
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はい。特に「注意ゾーン」だった方は、1ヶ月後に再度チェックしてみることをお勧めします。点数が増加しているようであれば、対策がうまく機能していない可能性があります。自分の心身の状態を定点観測するツールとしてご活用ください。
- 診断結果が悪くても、まだ頑張れる気がします。
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限界が近い時ほど、交感神経が昂って「まだやれる」と錯覚してしまうことがあります。それは、エンジンが焼き付く寸前に、一時的に回転数が上がるのに似ています。あなたの「感覚」よりも、客観的な診断結果を信じて、予防的な休息を取る勇気を持ってください。
まとめ:自分の「限界」を知ることは、自分を守る第一歩
今回の診断結果は、いかがでしたか?点数が高かったとしても、自分を責める必要は全くありません。むしろ、今までよく頑張ってきたと、自分を褒めてあげてください。
そして最も重要なのは、自分の限界を客観的に知ることができたという事実です。それは、これからの人生で、あなたが自分自身を大切に扱い、心と体を守りながら生きていくための、かけがえのない第一歩です。
この診断をきっかけに、あなたの働き方、そして生き方を見つめ直し、あなたにとって本当に心地よい道を選択できることを、心から願っています。
■ 公式/参考URL一覧
- 厚生労働省 こころの耳 – 5分でできる職場のストレスセルフチェック:
- 診断項目の作成にあたり、最も主要な参考元とした、信頼性の高い公的セルフチェックツール。
- 厚生労働省 – 令和6年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況:
- 日本の労働者が抱えるストレスの現状に関する客観的なデータを引用。
- 一般社団法人 日本産業カウンセラー協会 – 相談窓口のご案内:
- 専門家への相談を促すセクションで、具体的な相談窓口の一つとして参照。医療機関だけでなく、カウンセリングという選択肢も提示。
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