AIスクールで使える補助金とは、国や行政が設けた制度によりAIスキル習得のための受講料の一部を還元・支給する仕組みのことです。
2026年現在、AIスクール受講者が活用できる補助金・給付金制度は主に3種類あります。経産省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」では最大70%(上限56万円)、厚労省の「専門実践教育訓練給付金」では通常最大70%(年間上限56万円)・令和6年10月以降開講の講座で資格取得+就職+賃金5%以上上昇の全条件を満たした場合は最大80%(年間上限64万円)の還元を受けられます。法人向けには「人材開発支援助成金」(最大75%)もあります。いずれも申請条件や手順が異なるため、本記事で詳しく解説します。
この記事のポイント
- 最大80%還元の制度あり(条件付き)
- 個人・法人別に制度が違う
- 申請5ステップを図解解説
AIスクールで使える補助金・給付金の種類一覧
AIスクールで使える補助金・給付金制度は大きく3種類に分類されます。個人向けには経産省のリスキリング補助金と厚労省の教育訓練給付金、法人向けには人材開発支援助成金が代表的です。それぞれ対象者・給付率・申請先が異なるため、自分の状況に合った制度を選ぶことが重要です。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業とは
「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」は、経済産業省が実施する個人向けの補助金制度で、新たなスキルを習得して転職・キャリアアップを目指す方を対象としています。キャリア相談・リスキリング・転職支援を一体的に提供する補助事業者(認定スクール)を通じて申請します。
この事業の最大の特徴は、受講修了時に受講料(税別)の50%(上限40万円)が補助され、さらにその後転職し転職先での1年間継続就業が確認できた場合に追加で20%(上限16万円)が支給される点です。合計で最大70%・上限56万円の補助が受けられます。
- 対象:在職中の個人(転職希望者)
- 給付率:最大70%(上限56万円)
- 申請先:認定補助事業者(スクール経由)
- 受給タイミング:修了後・転職後
なお、補助金は前払いではなく受講修了後に受け取る仕組みです。受講料はいったん自己負担で支払い、後から補助金が振り込まれます。申請前にキャリア相談(無料)を受けることが必須条件となっています。
教育訓練給付金(専門実践)の対象条件と給付率
「教育訓練給付金」は厚生労働省が実施する制度で、雇用保険の被保険者(または離職後一定期間内の方)が指定講座を受講した場合に受講料の一部を支給するものです。AIスクール関連では「専門実践教育訓練給付金」と「一般教育訓練給付金」の2種類が活用できます。
専門実践教育訓練給付金は受講料の最大70%・年間上限56万円が支給されます(受講修了で50%、指定資格取得+修了後1年以内の就職で追加20%)。さらに令和6年10月1日以降に受講を開始した講座については、上記の要件を満たしたうえで訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上上昇した場合に、受講費用の10%(年間上限8万円)が追加支給され、最大80%・年間上限64万円となります。一般教育訓練給付金は受講料の20%・上限10万円です。
受給するための主な条件は以下のとおりです。
- 雇用保険に原則3年以上加入(初回受給者は2年以上)
- 受講開始前にハローワークで手続き必須
- 厚労省指定の講座のみ対象
- 修了要件(出席率・課題提出)を満たすこと
パートタイム・派遣社員でも雇用保険の加入要件を満たしていれば申請できます。受講前に必ずハローワークで「教育訓練給付金支給要件回答書」を取得しておきましょう。
人材開発支援助成金(法人向け)の活用方法
「人材開発支援助成金」は、企業が従業員にAIスキル研修を受けさせた際に活用できる法人向けの助成金です。厚生労働省が運営しており、「事業展開等リスキリング支援コース」などを活用することで、AIスクール・AI研修の費用を大幅に削減できます。
中小企業の場合は訓練経費の最大75%、大企業でも最大60%の助成率が適用されます。申請はハローワークを通じて行いますが、訓練開始日の1か月前までに「訓練実施計画届」を提出する必要があります。計画的な準備が不可欠です。
なお、人材開発支援助成金は令和8年3月2日に制度改正が施行され、「事業展開等リスキリング支援コース」への設備投資助成が新設されました。また、「人への投資促進コース」および「事業展開等リスキリング支援コース」は令和8年度(2026年度)が最終年度となる見込みです。活用を検討している企業は早めに申請準備を進めることをお勧めします。詳細は最寄りのハローワークまたは厚生労働省の公式サイトで最新情報を確認してください。
補助金対象のAIスクール一覧と実質料金比較表
補助金や給付金を利用するためには、対象となるAIスクール・講座を選ぶことが前提です。ここでは、リスキリング補助金対象のAIスクール5選と、教育訓練給付金対象のAIスクール3選を紹介します。各スクールで実質負担額が大きく異なるため、制度比較表も参考にしてください。
| 補助金の種類 | 対象 | 給付率 | 上限額 | 申請先 |
|---|---|---|---|---|
| リスキリング補助金(経産省) | 個人(在職者・転職希望) | 最大70% | 56万円 | スクール(補助事業者)経由 |
| 教育訓練給付金(専門実践) | 個人(雇用保険加入者) | 最大70%(※条件付きで最大80%) | 年56万円(※条件付きで年64万円) | ハローワーク |
| 教育訓練給付金(一般) | 個人(雇用保険加入者) | 20% | 10万円 | ハローワーク |
| 人材開発支援助成金 | 法人(企業) | 最大75% | - | ハローワーク |
※専門実践の80%給付は、令和6年10月1日以降開講の講座で「資格取得+就職(+20%)」かつ「賃金5%以上上昇(+10%)」の全要件を満たした場合のみ適用されます。
リスキリング補助金対象のAIスクール5選
経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」に採択されているAIスクール・プログラミングスクールをご紹介します。採択スクールは公式サイト(careerup.reskilling.go.jp)で検索できます。2026年時点で代表的なスクールは以下のとおりです。
- テックアカデミー(TechAcademy)
- デジタルハリウッドSTUDIO
- スキルアップAI
- Aidemy Premium(アイデミー)
- SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)
たとえばAIプログラミング講座(受講料30万円・税別)を受講した場合、修了後に15万円(50%)が補助され、転職して1年間継続就業後にさらに6万円(20%)が追加支給されます。合計21万円(70%)が還元され、実質負担は9万円となります。スクール選びの際は「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業の補助事業者として採択されているか」を必ず確認しましょう。
関連記事:AIスクール比較ランキング|おすすめ15選を徹底解説では、各スクールの特徴・料金を詳しく解説しています。
教育訓練給付金対象のAIスクール3選
厚生労働省の教育訓練給付金制度(専門実践・一般)を利用できるAIスクール・データサイエンス系スクールを紹介します。対象講座は厚労省の「教育訓練給付制度 訓練対応キャリアコンサルタント検索システム」で検索できます。申請前にハローワークで支給要件の確認が必須です。
2026年時点で教育訓練給付金(専門実践)対象の主なAIスクールは以下のとおりです。
- スキルアップAI(専門実践・最大70%)
- Aidemy Premium(専門実践・最大70%)
- Winスクール(一般・20%対象コースあり)
教育訓練給付金は、雇用保険の加入期間に応じて受給できる金額が異なります。在職中でも離職後でも申請できますが、離職後は離職日翌日から1年以内(受講開始前)という期限があります。リスキリング補助金と異なり、キャリア相談は必須ではありませんが、ハローワークでの事前手続きが必要です。
関連記事:AIスクールの費用相場|料金比較と安くする方法では、補助金を活用した実質費用の計算方法も紹介しています。
AIスクール補助金の申請手順5ステップ【図解付き】
AIスクールの補助金を受けるためには、正しい手順で申請を進めることが重要です。制度によって申請の流れが異なりますが、ここではリスキリング補助金と教育訓練給付金それぞれの申請手順を5ステップで解説します。見落としがちな注意点も合わせて確認しましょう。
リスキリング補助金の申請から受給までの流れ
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業の補助金を受け取るまでの流れを5ステップで解説します。ステップ1のキャリア相談が必須条件となっており、相談なしに講座を申し込んでも補助金を受けられないため注意してください。
【ステップ1】キャリア相談を受ける(無料)
補助事業者(採択スクール)のキャリアコンサルタントに相談し、受講コースを決定します。相談は無料で、オンラインでも受けられます。
【ステップ2】対象講座に申し込む
補助対象のAI講座を選択し、受講料をいったん全額自己負担で支払います(前払い)。分割払い・ローンも利用可能なスクールが多いです。
【ステップ3】講座を受講・修了する
カリキュラムを修了し、所定の修了条件(出席率・課題提出など)を満たします。修了できないと補助金が受け取れないため、計画的に受講することが重要です。
【ステップ4】修了後に補助金を申請する(受講料の50%)
修了後、補助事業者を通じて経産省へ申請手続きを行います。審査が通ると受講料(税別)の50%(上限40万円)が口座に振り込まれます。
【ステップ5】転職・継続就業確認後に追加補助を受ける(20%)
受講後に転職し、転職先で1年間の就業が確認できた場合、追加で受講料の20%(上限16万円)が支給されます。合計で最大70%・56万円の還元です。なお、転職しなかった場合はこの追加20%は受け取れません。
AIスクール補助金を個人で申請する際の注意点
補助金・給付金の申請では、見落としがちな注意点がいくつかあります。申請のタイミングを誤ると受給できなくなるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
- 補助金は後払い(前払いではない)
- 教育訓練給付は受講前にハローワーク手続き必須
- リスキリング補助はキャリア相談が前提
- 対象講座かどうか事前に確認する
- 修了条件(出席率・課題)を必ず満たす
特に教育訓練給付金は、受講開始前にハローワークで「教育訓練給付金支給要件回答書」を取得しておかないと受給できません。受講を始めてから手続きしようとしても、遡って適用されないため注意が必要です。
また、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業補助金と教育訓練給付金(専門実践)を同一講座で同時に受給することはできません。自分の状況に合った制度を選んで申請しましょう。どちらが有利か判断に迷う場合は、キャリアコンサルタントや最寄りのハローワークに相談することをお勧めします。
関連記事:「AIスクール比較ランキング」・「AIスクールの費用相場」も合わせて参考にしてください。
AIスクールの補助金に関するよくある質問(FAQ)
AIスクールの補助金・給付金に関して、よく寄せられる質問をまとめました。申請前にぜひ確認しておいてください。
- AIスクールのリスキリング補助金は何%もらえますか?
-
経産省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」では、受講料(税別)の最大70%(上限56万円)が補助されます。修了時に50%(上限40万円)、その後転職し転職先で1年間継続就業が確認された後に追加20%(上限16万円)が支給される仕組みです。転職しなかった場合は追加の20%は受け取れません。
- 教育訓練給付金はAIスクールでも使えますか?
-
使えます。厚生労働省が指定した講座(第四次産業革命スキル習得講座など)を提供するAIスクールであれば、専門実践教育訓練給付金(通常最大70%・年間上限56万円)を利用できます。さらに令和6年10月1日以降開講の講座で、資格取得+就職の要件を満たしたうえで賃金が5%以上上昇した場合は最大80%・年間上限64万円まで給付されます。また一般教育訓練給付金(20%・上限10万円)も利用できます。対象講座かどうかは厚労省の公式検索システムで確認できます。
- 補助金の受け取りはいつですか?前払いはありますか?
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補助金・給付金はいずれも後払いです。受講料はいったん全額自己負担で支払い、受講修了後(または転職・継続就業確認後)に補助金が口座に振り込まれます。前払いや割引として受け取る制度は現在ありません。
- 会社員でもAIスクールの補助金を申請できますか?
-
はい、申請できます。リスキリング補助金は在職中の方(転職を検討している方)が対象です。教育訓練給付金(専門実践)は雇用保険に原則3年以上(初めて受給する場合は2年以上)加入している会社員・パートタイム・派遣社員も対象です。いずれも個人で申請できますが、手続き先・条件が異なります。
- リスキリング補助金と教育訓練給付金は同時に使えますか?
-
同一の講座で両方を同時に受け取ることはできません。どちらか一方を選択する必要があります。制度の対象講座・受給条件が異なるため、自分の状況(雇用保険加入年数・転職意向など)に合わせてどちらが有利か確認してから申請しましょう。
- 法人がAIスクールの費用に使える助成金はありますか?
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あります。厚生労働省の「人材開発支援助成金」(事業展開等リスキリング支援コースなど)を活用すると、従業員のAI研修費用の最大75%(中小企業)を助成してもらえます。申請はハローワーク経由で、訓練開始の1か月前までに「訓練実施計画届」の提出が必要です。なお、同コースは令和8年度(2026年度)が最終年度の見込みのため、早めの申請準備をお勧めします。
- AIスクールの補助金申請に必要な書類は何ですか?
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リスキリング補助金は補助事業者(スクール)がサポートするため、主に本人確認書類・受講料領収書・修了証明書などが必要です。教育訓練給付金はハローワークで「教育訓練給付金支給要件回答書」を取得し、修了後に「教育訓練給付金支給申請書」「受講証明書」「領収書」などをハローワークに提出します。
- 生成AIスクールで補助金が使えるおすすめコースは?
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2026年現在、ChatGPT・画像生成AIなどの生成AI系コースでリスキリング補助金対象となっているものがあります。スキルアップAI・Aidemy Premium・テックアカデミーなどがAI・データサイエンス系の補助金対象コースを提供しています。各スクールの公式サイトで「補助金対象コース」として掲載されているものを確認してください。
まとめ

本記事では、2026年現在AIスクールで使える補助金・給付金の種類・申請手順・注意点を詳しく解説しました。最後にポイントを整理します。
- 個人向けは経産省リスキリング補助金(最大70%・56万円)と厚労省教育訓練給付金(専門実践:通常最大70%・年間上限56万円、令和6年10月以降開講で全条件充足時は最大80%・年間上限64万円)が主力
- 法人向けは人材開発支援助成金(最大75%・令和8年度末が最終年度の見込み)が活用可能
- 補助金はすべて後払い。受講料はいったん自己負担が必要
- 教育訓練給付金は受講前のハローワーク手続きが必須
- リスキリング補助金はキャリア相談(無料)が前提条件
AIスキルの習得は今後のキャリアにとって大きな強みになります。補助金・給付金を賢く活用して、実質負担を最小限に抑えながらAI学習をスタートさせましょう。
おすすめのAIスクール選びは「AIスクール比較ランキング」を、費用の詳細は「AIスクールの費用相場」をあわせてご覧ください。
公式/参考URL
- – https://careerup.reskilling.go.jp/(リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 公式)
- – https://careerup.reskilling.go.jp/worker/(転職をご検討の方 公式ページ)
- – https://www.gov-online.go.jp/article/201408/entry-8115.html(政府広報オンライン:教育訓練給付金)
- – https://hojyokin-portal.jp/columns/kensyu-2(補助金ポータル:人材開発支援助成金2026年度改正)
- – https://techacademy.jp/benefits/reskilling(TechAcademy:リスキリング補助金案内)
- – https://premium.aidemy.net/ai/benefit/(Aidemy Premium:給付金制度案内)



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