30代、キャリアの次なるステージへ進むための転職活動。その最初の関門である「面接」を前に、クローゼットの前で立ち尽くしていませんか?
「10年前に買った、あのリクルートスーツで大丈夫だろうか…?」
「”オフィスカジュアルで”と言われたけど、一体何を着ていけば正解なの?」
「服装で、”若作り”や”おじさん/おばさん感”が出たらどうしよう…」
20代の頃のように「とりあえずリクルートスーツ」という思考が通用しないのが、30代の転職活動です。服装は、あなたがこれまで培ってきた経験、スキル、そして人としての信頼性を無言で語る、最初のプレゼンテーション。ここで失敗するわけにはいきません。
でも、ご安心ください。この記事を読めば、もう服装で悩むことはありません。
金融のような堅い業界から、IT・アパレルのような自由な業界まで、あらゆるシチュエーションに対応できる「30代の面接服装の正解」を、男女別・業界別に徹底解説します。さらに、「ユニクロやGUでも大丈夫?」といったリアルな疑問にも、プロの視点から具体的にお答えしますよ。
この記事のポイント
- 迷ったらネイビーかグレーのスーツが正解
- リクルートスーツは絶対NG
- 清潔感・TPO・年齢相応が3原則
- ユニクロ・GUでも選び方次第でOK
この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って面接の日の服を選び、堂々と当日を迎えることができるはずです。
まずはコレを肝に銘じて!30代の面接服装・3つの大原則

- 清潔感が最も重要
- TPOを意識する
- 年齢相応の品格を持つ
服装を選ぶ前に、全ての基本となる3つの原則を押さえましょう。
清潔感:最も重要な要素
清潔感は、すべてに優先される最も重要な要素です。シワのないシャツ、磨かれた靴、整えられた髪型、手入れされた爪など、細部への気配りが「仕事の丁寧さ」に繋がります。
正直、どんなに高級なスーツを着ていても、靴が汚れていたり、シャツにシワが寄っていたりすれば台無し。逆に、ファストファッションでも、きちんと手入れされていれば好印象を与えられるのです。
TPO:場に合わせた服装選び
Time(時)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字を取ったTPO。面接を受ける企業の業界や社風に合わせることが求められます。
コーポレートサイトの社員写真などを参考に、その場の雰囲気に合った服装を選びましょう。金融業界にカジュアルすぎる服装で行けば浮きますし、IT企業に堅すぎる服装で行けば「柔軟性がない」と思われる可能性もあります。
年齢相応の品格:30代らしさを出す
20代のような若々しさよりも、30代には「信頼感」「安定感」「落ち着き」が求められます。素材や仕立ての良い、ジャストサイズの服を選ぶことが品格に繋がるのです。
安っぽく見えるポリエステル100%の光沢感、体型に合っていないダボダボのシルエット。これらは避けたいところですね。
【警告】これだけは絶対にNG!30代がやりがちな服装の失敗例
- リクルートスーツは絶対NG
- サイズが合っていない服
- 派手な色・柄・装飾
- カジュアルすぎるアイテム
良かれと思って選んだその服、実はあなたの評価を下げているかもしれません。
NG①:リクルートスーツ
はっきり言います。30代の転職面接でリクルートスーツは絶対にNGです。
新卒感・頼りない印象を与え、「キャリアを積んできた大人」として見られません。安価なポリエステル素材の光沢感や、体型に合っていないシルエットは、ビジネスの場にふさわしい品格を損ないます。
正直、「間に合わせで来た」という印象を与えてしまい、あなたの評価を著しく下げてしまうリスクがあるのです。
NG②:サイズの合っていない服
大きすぎるスーツはだらしなく、小さすぎるスーツは窮屈に見えます。特に肩幅、袖丈、着丈が合っているかは重要。
ジャストサイズの服は、それだけで自己管理能力の高さを示します。体型が変わっていないか、面接前に必ず試着してチェックしましょう。
NG③:派手な色・柄、華美な装飾
面接の主役はあなた自身です。服装ではありません。
派手なストライプのスーツ、光沢の強いシャツ、ブランドロゴが大きく入ったバッグやベルト、じゃらじゃらしたアクセサリーは避けましょう。
シンプルで上品なスタイルこそが、30代には求められるのです。
NG④:カジュアルすぎるアイテム
Tシャツ、パーカー、デニム、スニーカー、サンダル、リュックサックなど。これらは、たとえ「服装自由」と言われても面接の場にはふさわしくありません。
ビジネスシーンであることを忘れないでください。自由と言われても、一定の線引きは必要なのですよね。
【男性編】30代の魅力を引き出す面接の服装
- ネイビーかグレーのスーツが基本
- 白シャツで清潔感を演出
- 靴は必ず磨いておく
- オフィスカジュアルでもジャケット着用
ここからは、具体的なアイテム選びを男性向けに解説します。
基本のスーツスタイル
迷ったらスーツを選べば間違いありません。ポイントは「質」と「サイズ感」です。
スーツの色: ダークネイビー(濃紺)またはチャコールグレーが基本。誠実さ、知的さ、落ち着きを演出できます。真っ黒はリクルートスーツや冠婚葬祭のイメージが強いため避けましょう。
スーツの柄: 無地が最も無難です。織柄でさりげなく見えるシャドーストライプ程度ならOK。
シャツ: 白の無地が最も清潔感があり、どんなスーツにも合います。次に選ぶなら、薄いブルーの無地。襟はレギュラーカラーかワイドカラーを選びましょう。
ネクタイ: 派手すぎない色・柄を選びます。紺、グレー、エンジなどをベースにした、ストライプや小紋柄がおすすめです。情熱を伝えたいなら赤系、誠実さなら青系など、色で印象をコントロールするのも良いでしょう。
靴: 黒か濃茶の革靴。デザインは紐付きのストレートチップかプレーントゥが基本です。必ず磨いておきましょう。
鞄: A4サイズの書類が入る、黒か濃茶の革製のビジネスバッグ。床に置いたときに自立するタイプが望ましいです。
「オフィスカジュアル」指定の場合
「スーツ以外で」と言われた場合に備えましょう。基本はジャケット+パンツスタイルです。
ジャケット: ネイビーやグレーのテーラードジャケットが着回しやすく便利です。
パンツ: ジャケットとは別の色を選びます。グレーのスラックスや、ベージュ・ネイビーのチノパンなどが一般的です。センタープレス(中央の折り目)が入っていると、よりきちんと見えます。
インナー: 襟付きのシャツが基本です。夏場ならポロシャツも可の場合がありますが、基本はシャツが無難です。
靴・鞄: スーツスタイルと同様、革靴とビジネスバッグを合わせます。
正直、「オフィスカジュアルで」と言われても、ジャケットを羽織っておけばまず失敗しないというのが鉄則なのです。
【女性編】品格と自信をまとう面接の服装
- パンツでもスカートでもOK
- ネイビー・グレー・ベージュが定番
- 膝が隠れる丈のスカート
- ナチュラルなベージュのストッキング
女性の服装は選択肢が多い分、悩みも深いもの。ポイントを押さえて、自分を最も魅力的に見せましょう。
より詳細な女性向けの服装・メイク・髪型ガイドはこちら
→ C5. これで完璧!30代女性の転職面接&活動時の服装・スーツ・髪型ガイド
基本のスーツスタイル
女性の場合、パンツスーツとスカートスーツのどちらを選んでも問題ありません。
スーツの色: ネイビー、グレー、ベージュ、ライトグレーなどがおすすめです。黒を選ぶ場合は、リクルートスーツに見えないよう、素材感やデザイン性のあるものを選びましょう。
スーツの種類:
- スカートスーツ: 膝が隠れる丈が基本。タイトスカートは上品、フレアスカートは柔らかい印象を与えます
- パンツスーツ: 活発で知的な印象を与えます。営業職や管理職候補の面接で人気です
インナー: 白やパステルカラー(水色、ピンクなど)のブラウスやカットソーが基本。胸元が開きすぎていない、シンプルなデザインを選びましょう。フリルやリボンは控えめなものに。
ストッキング: ナチュラルなベージュを着用するのがマナーです。
靴: 3〜5cmヒールのシンプルなパンプス。色は黒、ネイビー、ベージュなどが合わせやすいです。
鞄: A4サイズが入り、床に置いたときに自立するビジネスバッグ。色はスーツや靴に合わせましょう。
「オフィスカジュアル」指定の場合
ここでも基本はジャケットやきれいめのカーディガンです。
トップス: 品のあるブラウスや、ハイゲージ(編み目の細かい)のニット。
ボトムス: 膝下丈のスカート(タイト、フレア、プリーツなど)や、きれいめのパンツ(テーパード、ワイドなど)。
羽織りもの: テーラードジャケットやノーカラージャケット、または上品なカーディガン。
靴・鞄: スーツスタイルと同様です。
女性の場合、色や素材で少し華やかさを出せるのが強みですね。ただし、やりすぎは禁物。あくまで上品に、がポイントです。
【業界別】服装のOK/NGラインはこれだ!
- 金融・コンサルは堅実スーツ必須
- IT・Webはオフィスカジュアル可
- メーカー・商社は基本スーツ
- アパレルはセンスを見せる
企業のカルチャーによって最適な服装は異なります。ここでは代表的な業界の服装マナーを解説します。
金融・コンサル・不動産・公務員など(堅い業界)
基本姿勢: 伝統と信頼が重んじられる業界。男女ともにスーツが必須です。
男性: ダークネイビーかチャコールグレーのスーツ。シャツは白無地。ネクタイも派手でないもの。
女性: ダークネイビー、グレーなどの落ち着いた色のスーツ。インナーは白のブラウスが無難。
この業界では、「安定感」と「信頼性」を服装で示すことが何より重要なのです。
IT・Web・広告・マスコミなど(比較的自由な業界)
基本姿勢: 「服装自由」「私服でお越しください」と言われることが多い業界。しかし、Tシャツ・デニムはNG。ビジネスカジュアルが基本です。
男性: ジャケット+パンツスタイルが最も無難。企業によっては襟付きシャツ+きれいめパンツでもOKな場合がありますが、面接ではジャケットを羽織るのがマナーです。
女性: ジャケットやカーディガン+ブラウス+スカートorパンツのスタイル。堅すぎず、ラフすぎないバランスが重要です。
「自由」と言われても、面接という場は特別だということを忘れないでくださいね。
メーカー・商社など(中間の業界)
基本姿勢: 企業による差が大きいですが、基本的にはスーツが無難です。特に歴史のある大手メーカーや商社は堅い傾向にあります。
男性・女性: 基本のスーツスタイルを選んでおけば、まず間違いありません。企業のHPなどで社員の服装を確認し、雰囲気がカジュアルであれば、女性はインナーを少し華やかな色にしたり、男性はネクタイで少し個性を出したりする程度に留めましょう。
迷ったら、堅めの選択をしておく方が安全なのがこの業界ですね。
アパレル・デザインなど(クリエイティブな業界)
基本姿勢: センスや個性が問われる業界。スーツでは「没個性的」と判断される可能性も。ただし清潔感とTPOは必須。
男性・女性: その企業のブランドイメージに合った、きれいめの私服(オフィスカジュアル)が基本。もしそのブランドの製品を持っていれば、一つ取り入れるのも良いでしょう。ただし、全身をそのブランドで固めるのはやりすぎです。
この業界では、「あなたのセンス」が服装から伝わることが重要。でも、奇抜すぎるのはNGですよ。
30代のリアルな疑問にプロが回答!
- ユニクロ・GUでもOK
- オンライン面接も対面と同じ
- 夏でもジャケット着用が基本
Q. ユニクロやGUの服でも大丈夫?
A. はい、全く問題ありません。むしろ、賢い選択です。
重要なのはブランドではなく、「清潔感」「サイズ感」「品質」です。ユニクロやGUには、ビジネスシーンで使える高品質なアイテムが豊富にあります。
おすすめアイテム:
- ユニクロの感動ジャケット・感動パンツ: 軽量でストレッチが効き、シワになりにくい。シルエットも綺麗で、セットアップで着用可能
- ユニクロのカスタムオーダーシャツ: 自分のサイズにぴったり合ったシャツが手頃な価格で作れます。サイズ感は最も重要なので、非常におすすめです
- GUのテーパードパンツやブラウス: トレンドを取り入れつつ、オフィスで使えるきれいめアイテムが豊富です
選び方のコツ: シンプルなデザインで、光沢感の少ない、落ち着いた色のものを選びましょう。購入後は必ず試着し、サイズが合っているか確認してください。
Q. Web(オンライン)面接の服装は?
A. 対面と同じ服装をしましょう。 「上半身しか映らないから」と油断は禁物です。
何かの拍子に立ち上がった際、下が部屋着だと気まずいだけでなく、気持ちも引き締まりません。
注意点:
- 顔色が明るく見える色を選ぶ: 白やパステルカラーのトップスは、レフ板効果で顔色を明るく見せてくれます
- 柄物は避ける: 細かい柄はモニター上でちらついて見える(モアレ現象)ことがあるため、無地がおすすめです
- 背景に溶け込まない色: 背景が白い壁なら、白いシャツは避けるなど、背景とのコントラストも意識しましょう
Q. 夏(クールビズ)や冬の服装は?
夏場: 企業から「クールビズで」と指定がない限り、夏でもジャケットは着用するのが基本マナーです。面接会場まではジャケットを脱ぎ、建物に入る前に羽織りましょう。
冬場: コートはウール素材のチェスターコートやステンカラーコートなど、ビジネスにふさわしいものを選びましょう。ダウンジャケットやダッフルコートはカジュアルすぎるため避けます。コートは受付の前に脱ぐのがマナーです。
よくある質問
- 転職の面接で30代はどのような格好をするべきですか?
-
基本はダークネイビーかチャコールグレーのビジネススーツです。「オフィスカジュアル」の指定があれば、男性はジャケットとスラックス、女性はジャケットやカーディガンにブラウスとスカート/パンツを合わせます。いずれの場合も、リクルートスーツは避け、清潔感と年齢に合った品格を意識することが最も重要です。
- 30代女性が転職する時のスーツの色は何色がいいですか?
-
ネイビー、グレー、ベージュが定番で、どんな業界でも好印象を与えやすいです。ネイビーやグレーは知的で落ち着いた印象、ベージュは柔らかく親しみやすい印象になります。黒を選ぶ場合は、素材やデザインでリクルートスーツとの差別化を図りましょう。
- 30代の転職面接でリクルートスーツはありですか?
-
いいえ、絶対にNGです。リクルートスーツは新卒の学生が着るものであり、キャリアを積んだ30代が着用すると、頼りなく見えたり、ビジネスマナーを理解していないと判断されたりする可能性があります。「間に合わせで来た」という印象を与え、あなたの評価を著しく下げてしまうリスクがありますよ。
まとめ:服装はあなたを語る。自信を持って面接へ
30代の転職面接において、服装は単なる「着る物」ではありません。それは、あなたがこれまで築き上げてきたキャリア、誠実な人柄、そして仕事への敬意を雄弁に物語る「サイレント・プレゼンテーション」です。
この記事で解説したポイントを参考に、あなたというビジネスパーソンの価値を最大限に高める一着を選んでください。
最後に、面接当日の朝に慌てないための最終チェックリストを用意しました。
面接直前・最終チェックリスト
- スーツやシャツにシワはないか
- 靴は磨かれているか
- 髪は整っているか(寝癖などないか)
- 爪は短く切られているか
- バッグの中身は整理されているか(必要な書類は揃っているか)
- 全身を鏡で見て、清潔感があるか
外見の準備が完璧に整えば、心にも余裕が生まれます。自信を持って、あなたの未来を掴み取りに行ってください!
この記事のポイントまとめ
- 迷ったらネイビーかグレーのジャストサイズスーツが正解
- リクルートスーツは30代では絶対にNG
- 清潔感・TPO・年齢相応の品格が3原則
- 業界によって服装の堅さは変わる
- ユニクロ・GUでもサイズと清潔感を意識すればOK
- オンライン面接も対面と同じ服装で臨む



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