この記事の結論
20代女性が転職でライフプランとキャリアを両立させるためには、「制度の有無」だけでなく「制度が実際に活用されているか」を見極めることが最も重要です。
結婚・出産後も輝ける”本当に働きやすい企業”は、求人票の特定の項目や、国が優良企業を認定する「えるぼし」「くるみん」マークで判別可能。この記事では、具体的な「企業チェックリスト」を用いて、求人票のどこを見て、面接で何を聞けば良いのか、その全てを解説します。
この記事のポイント
- 正しい情報収集で不安解消
- 取得率・復職率が実態を語る
- 国の認定マークが客観指標
- 女性管理職比率が未来を映す
- 賢い質問で実態を探れる
- 働きやすさの軸を持つこと
- チェックリストが羅針盤
「このままで、本当に大丈夫…?」20代女性が抱えるキャリアの不安

- 結婚後の働き方への不安
- 産休育休の実態への疑問
- 子育てとの両立への不安
- キャリアとの両立への悩み
仕事にも慣れ、後輩もできて、毎日が充実している。でも、ふとした瞬間に、こんな不安がよぎることはありませんか?
20代女性が抱える転職の悩み
- 「今の会社、結婚しても働き続けられるのかな?」
- 「産休や育休は取れるって聞くけど、実際、みんな取ってるの?」
- 「子育てしながら、今のペースで働くなんて無理かも…」
- 「キャリアも大切にしたいけど、ライフイベントを考えるとどうすれば…」
20代は、キャリアの基盤を築く大切な時期であると同時に、結婚や出産といった大きなライフイベントを意識し始める時期。その狭間で、多くの女性が一人、漠然とした不安を抱えています。
でも、安心してください。キャリアとライフプラン、どちらかを諦める必要なんてありません。大切なのは、あなたの未来を真剣に考え、「賢い選択」をするための正しい知識を身につけることです。この記事が、あなたの不安を解消し、自信を持って未来へ踏み出すための”羅針盤”となります。
20代女性の転職!働きやすさを”見抜く”ための企業チェックリスト20

- 言葉だけに惑わされない
- 客観的に企業を評価する
- 実際の企業研究で活用
- 印刷して使える形式
言葉だけの「女性活躍」に惑わされず、本当にあなたを大切にしてくれる企業を見つけるために。このチェックリストを使って、複数の企業を客観的に評価してみましょう。
印刷したり、スクリーンショットを撮ったりして、ぜひ実際の企業研究で活用してください。
【働きやすさを見抜く!企業チェックリスト】
カテゴリ | チェック項目 | 求人票の確認場所 / 面接での質問例 | 評価 |
---|---|---|---|
① 制度の有無 | 1. 産休・育休制度は明記されているか | 福利厚生欄 | ◎/○/△ |
2. 時短勤務制度はあるか(子供の年齢制限も確認) | 福利厚生欄、募集要項 | ◎/○/△ | |
3. 看護休暇、介護休暇の制度はあるか | 福利厚生欄 | ◎/○/△ | |
4. 住宅手当や家族手当はあるか | 福利厚生欄、諸手当欄 | ◎/○/△ | |
② 制度の実態 | 5. 育児休業取得率・復職率は公開されているか | 採用HP、企業情報欄、CSR報告書 | ◎/○/△ |
6. 「くるみん」「プラチナくるみん」認定はあるか | 採用HP、福利厚生欄(認定マーク) | ◎/○/△ | |
7. 平均勤続年数は長いか(特に女性) | 企業情報欄、採用データ | ◎/○/△ | |
8. 制度利用の前例について質問できるか | (面接)「育休から復帰された方は、どのような働き方をされていますか?」 | ◎/○/△ | |
③ 働き方の柔軟性 | 9. リモートワークは可能か | 勤務スタイル、福利厚生欄 | ◎/○/△ |
10. フレックスタイム制度はあるか | 勤務時間欄 | ◎/○/△ | |
11. 残業は少ないか(月平均残業時間) | 募集要項、採用データ | ◎/○/△ | |
12. 年間休日は120日以上あるか | 休日・休暇欄 | ◎/○/△ | |
④ キャリアパス | 13. 女性の管理職比率は公開されているか | 企業情報欄、採用HP | ◎/○/△ |
14. 「えるぼし」「プラチナえるぼし」認定はあるか | 採用HP、福利厚生欄(認定マーク) | ◎/○/△ | |
15. 女性のロールモデルはいるか | 社員紹介ページ、採用ブログ | ◎/○/△ | |
16. キャリアパスについて質問できるか | (面接)「御社で活躍されている女性社員の方のキャリアパスについてお伺いできますか?」 | ◎/○/△ | |
⑤ 企業のカルチャー | 17. 女性活躍推進に関する企業のメッセージはあるか | 採用HPトップ、代表メッセージ | ◎/○/△ |
18. 男女比はどうか | 企業情報欄、採用データ | ◎/○/△ | |
19. 平均年齢はどうか | 企業情報欄、採用データ | ◎/○/△ | |
20. 口コミサイトの評判は良いか | OpenWork, Vorkers, etc. | ◎/○/△ |

チェックリスト徹底解説:求人票のどこを見て、面接で何を聞くか

- 国の認定マークが最重要
- 取得率が真実を語る
- 女性管理職比率が鍵
「チェックリストは分かったけど、具体的にどう使えばいいの?」
ここからは、特に重要な項目をピックアップし、その見極め方を詳しく解説します。
最重要指標!国の”お墨付き”「えるぼし」「くるみん」認定とは?
数ある項目の中で、まず最初に確認してほしいのが、この2つの認定マークです。これらは、国が「この企業は女性活躍や子育てサポートをちゃんとやっていますよ」と認めた証。客観的な信頼性が非常に高い指標です。
- えるぼし認定:女性の活躍推進に関する状況が優良な企業に発行されるマーク。3段階のレベルがあり、星の数が多いほど評価が高い
- くるみん認定:子育てサポートに関する状況が優良な企業に発行されるマーク。「プラチナくるみん」なら、さらに高い水準
これらのマークが採用サイトや求人票にあれば、チェックリストの多くの項目をクリアしている可能性が高いと判断できます。

「取得率」こそが真実を語る。制度の”実態”の見抜き方
「育休制度あり」この言葉だけでは不十分です。大切なのは、その制度が形骸化せず、実際に使われているかどうか。
- 育児休業取得率:特に男性の取得率に注目しましょう。男性が育休を取りやすい職場は、女性も気兼ねなく制度を利用できる、理解ある文化が根付いている証拠です
- 復職率:育休後に、どれだけの社員が職場に戻ってきているかを示す数字。この数値が高いほど、復帰後のサポートが手厚いと考えられます
これらのデータは、企業の採用サイトの「データで見る〇〇」といったページや、CSR報告書、統合報告書などに記載されていることが多いです。見つからない場合は、面接で「育休から復帰されて活躍されている方の事例はありますか?」と聞いてみるのが有効です。
あなたの10年後を映す鏡。「女性管理職比率」
「この会社で、自分はどんなキャリアを築けるんだろう?」その答えのヒントが、女性管理職比率です。
この比率が高いということは、
- 女性が長期的にキャリアを築ける環境が整っている
- 性別に関係なく、実力で評価される文化がある
- あなたの目標となるロールモデルが見つかる可能性が高い
ということを示唆しています。業界平均と比較して、著しく高い数値であれば、女性が活躍しやすい企業である可能性が高いでしょう。

20代のキャリア戦略:年代別で考えるべきこと
- 前半と後半で戦略が異なる
- ポテンシャルを活かす時期
- 経験を活かす時期
20代と一括りに言っても、前半と後半では考えるべきキャリア戦略が少し異なります。
20代前半(~25歳):ポテンシャルを武器に、未経験分野にも挑戦
第二新卒としても扱われるこの時期は、ポテンシャルが最大の武器になります。
- まずは専門性を磨く:ライフイベントを見据え、まずは3年後、5年後に自分の”武器”となる専門スキルを身につけられる環境を選びましょう
- 働き方の多様性に注目:この時期から、リモートワークやフレックスなど、将来的に働き方の選択肢が増えるような制度を持つ企業に目を向けておくと、後々のキャリアが楽になります
20代後半(26歳~):経験を活かし、”働きやすさ”を賢く選択
これまでの経験を活かし、より長期的な視点でキャリアを考える時期です。
- チェックリストをフル活用:今回紹介したチェックリストを使い、待遇や仕事内容だけでなく、「働きやすさ」の軸で企業を徹底的に比較検討しましょう
- ロールモデルを探す:採用サイトの社員紹介や、面接の逆質問を通じて、自分の目標となるような女性の先輩がいるかを確認しましょう。具体的な目標が見えることで、入社後のキャリアプランが描きやすくなります
▼自分だけの”軸”を見つけるために
どんな働き方を「働きやすい」と感じるかは、人それぞれです。キャリアプランを考える前に、まずは自己分析で自分の価値観を明確にすることが、後悔しない企業選びの第一歩です。
➡️ 【保存版】20代のための自己分析やり方ガイド|簡単3STEPで強み・やりたいことを見つける魔法のシート付
よくある質問
- Q1. 面接で結婚や子供の予定を聞かれたら、正直に答えるべき?
-
本来、企業がそのようなプライベートな質問をすることは不適切とされています。もし聞かれた場合は、直接的な回答を避けつつ、仕事への意欲を伝えるのが賢明です。例えば、「将来的には結婚も考えておりますが、まずは御社で一日も早く戦力となり、〇〇の分野で貢献していきたいという気持ちが一番です」といった形で、前向きな姿勢を示しましょう。
- Q2. 産休・育休でキャリアが中断するのが怖いです。
-
その不安は、多くの働く女性が感じています。だからこそ、育休中のスキルアップを支援する制度(eラーニングなど)がある企業や、復帰後のキャリアをサポートする面談制度が整っている企業を選ぶことが重要です。キャリアの中断を「ブランク」ではなく、「インプット期間」と捉えられるような環境を選びましょう。
- Q3. 女性の転職支援に強いエージェントはありますか?
-
はい、存在します。女性のキャリア支援を専門に行う転職エージェントや、女性のキャリアアドバイザーが多く在籍するエージェントを活用するのがおすすめです。企業の内部情報(実際の育休取得率や、子育て中の社員の働き方など)に詳しいため、あなた一人で情報収集するよりも、はるかに効率的で確実です。
➡️ 【2025年最新】20代におすすめの転職サイト・エージェント比較|あなたに合う「必勝の組み合わせ」を診断
まとめ:未来の自分から「ありがとう」と言われる選択を
キャリア、結婚、出産…。20代女性の人生には、たくさんの選択肢と可能性があります。だからこそ、悩んでしまうのは当然のことです。
大切なのは、世間一般の”正解”に自分を合わせるのではなく、あなた自身が心から納得できる道を、あなた自身の意志で選ぶこと。
今回ご紹介したチェックリストは、そのための強力なツールです。この羅針盤を手に、ぜひ、未来のあなたから「あの時、この会社を選んでくれてありがとう」と言われるような、賢い一歩を踏み出してください。
■ 公式/参考URL一覧
- 厚生労働省 | 女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定)
- 権威性: 「えるぼし認定」を管轄する厚生労働省の公式ページ。制度の概要や認定基準が明記されており、記事の信頼性を担保する最も強力な情報源です。
- 厚生労働省 | くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて
- 権威性: 「くるみん認定」を管轄する厚生労働省の公式ページ。えるぼし同様、客観的な企業評価の根拠として不可欠な情報源です。
- 男女共同参画局 | 男女共同参画白書
- 権威性: 内閣府が発行する、日本の男女共同参画の現状と課題に関する年次報告書です。女性の労働力率(M字カーブ)など、マクロな視点での課題認識の裏付けとなる公的データが豊富に掲載されています。
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