「60歳になったら定年退職。あとは失業給付をもらいながらハローワークに通って、近所の警備か清掃の仕事でも見つかればいいか……」

もしあなたがこんなプランを漠然と描いているなら、今すぐその「設計図」を書き直してください。2025年4月から始まる法改正で、そのプランではあなたの手取り収入が予想以上に減ってしまうリスクが高いんです。

長年勤め上げた会社を去る、あるいは再雇用で給料が半減した状態で働き続ける。どちらにせよ、60代からの仕事探しは、20代や30代の頃の「キャリアアップ」とはまったく異なるゲームです。それは、あなた自身の「プライド」を守り、そして何より「老後の資産」を目減りさせないための「防衛戦」なのです。

この記事のポイント

  • 2025年4月から給付金が縮小
  • ハロワ×エージェントの二刀流が最強
  • 4ステップで実践する転職ロードマップ
  • 属性別に「勝ち筋」ルートを解説
  • 門前払いされにくいエージェント紹介

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なぜ今、60代の転職戦略を変える必要があるのか?(2025年問題)

  • 高年齢雇用継続給付が15%→10%に縮小
  • 65歳雇用義務化で「飼い殺し」リスク増
  • 「給付金があるから安心」は崩壊した

60代の仕事探しを取り巻く環境は、今まさに激変の最中にあります。キーワードは「2025年4月」。ここで何が起きるのか、あなたの財布にどう影響するのかを直視しましょう。

2025年4月施行!「高年齢雇用継続給付」縮小の衝撃

これまで、60歳以降に賃金が大幅に下がった労働者を支えてきたのが、雇用保険の「高年齢雇用継続給付」。下がった賃金の最大15%を国が補填してくれる、まさに命綱とも言える制度でした。

ところが、2025年4月1日より、この給付率が最大15%から最大10%へと縮小されます

  • 対象者:2025年4月以降に60歳到達の方
  • 月20万円なら給付が3万円→2万円に減少
  • 年間で約12万円のダウン

「たかが10%」と侮ってはいけません。再雇用で基本給が下がっている中での数万円の減額は、生活費の収支にダイレクトに響きます。さらに、政府はこの給付金を将来的には「廃止」する方向で動いています。もはや、「給料が下がっても給付金があるから大丈夫」という前提は崩れ去ったのです。

詳細なシミュレーションと早見表は[【緊急解説】2025年4月「高年齢雇用継続給付」15%→10%縮小へ|あなたの手取りはいくら減る?早見表]で必ず確認を

「65歳雇用義務化」経過措置終了の落とし穴

もう一つの変化が、「高年齢者雇用安定法」の経過措置終了です。2025年4月からは、企業は希望者全員を65歳まで雇用することが完全に義務化されます。

「全員雇ってもらえるなら安心じゃないか」と思うかもしれません。しかし、ここには大きな落とし穴があります。法律は「雇うこと」を義務付けていますが、「現役時代と同じ待遇で雇うこと」までは義務付けていないのです。

その結果、何が起こるか?企業側は、「辞めさせはしないが、高い給料は払えない」として、最低賃金に近いレベルまで給与を下げたり、やりがいのない閑職へ追いやったりするケースが増えると予想されます。

「会社に残れるから安心」ではなく、「会社に残ると、飼い殺しにされるリスクがある」。これが2025年以降のシニア雇用のリアルな姿です。

60代最強の生存戦略「ハロワ×エージェント二刀流」とは?

  • ハローワークは「生活の土台」として活用
  • エージェントは「年収アップの武器」
  • 両輪を回すことで「守り」と「攻め」を両立

給付金は減り、再雇用の条件も厳しい。では、どうすればいいのか?答えはシンプルです。「自分で、より高い条件の仕事を探す」しかありません。

ただし、闇雲に動くのは危険。ここで私たちが提案するのが、ハローワークと転職エージェントのいいとこ取りをする「二刀流(ハイブリッド)戦略」です。

ハローワークは「セーフティネット(土台)」

ハローワーク(公共職業安定所)は、国の機関です。ここを「メインの活動場所」にするのではなく、あくまで「生活の土台を守る場所」として活用します。

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項目メリットデメリット
求人の特徴地元の中小企業の求人が豊富年収が高い求人や専門性を活かせる求人は少ない
手続き関連失業給付(失業保険)の手続きができる求人票の文字情報だけで判断が必要
スキルアップ職業訓練でスキル習得+給付受給可能入社後「話が違う」トラブルが起きやすい

ハローワークの検索機に出てくる求人だけが全てではありません。職員と関係を築くことで引き出せる「裏求人」の存在をご存知でしょうか?詳しくは[【2026年最新】60歳からのハローワーク活用術|「良い求人」は検索機に出てこない?窓口攻略法]で解説しています。

転職エージェントは「スナイパーライフル(武器)」

一方、民間の転職エージェントは、あなたの経験を高く売るための「武器」です。

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項目メリットデメリット
非公開求人一般には出回らない管理職・専門職の求人を保有「紹介できる案件がない」と門前払いされることも
交渉代行言いにくい年収交渉や条件交渉をプロが代行担当者との相性に左右される
市場価値「あなたの経歴ならこれくらい狙えます」と客観視できるサービスによって対応の差が大きい

なぜ「併用」が最強なのか

60代の転職活動において、最も恐れるべきは「行き先が決まらないまま、無収入になること」です。

  • ハローワークで失業給付を確保し、地元の堅実な求人をチェック(守り)
  • 転職エージェントで「高待遇案件」を探る(攻め)

この両輪を回すことで、「生活の不安」を消しながら、「年収アップの可能性」を捨てずに活動できます。どちらか一方に絞る必要はありません。タダで使えるものは、すべて使い倒す。それが賢い大人の戦い方です。

【実践編】60代からの転職ロードマップ(4ステップ)

  • Step1:マインドセット転換が最重要
  • Step2:履歴書・資格の「武器」を準備
  • Step3:二刀流で求人検索・応募
  • Step4:面接では「人柄」と「健康」が勝負

では、具体的にどのように動けばいいのか。時系列に沿って4つのステップで解説します。

Step 1:マインドセットの転換(プライドの整理)

テクニックの前に、最も重要なのが「心の整理」です。60代の転職失敗事例の多くは、「プライドが捨てられない」ことに起因します。

  • 「元部長」は忘れる
  • 「過去の自慢」ではなく「未来の貢献」を語る

新しい職場では、あなたは「新人」です。年下の上司に敬語を使えますか?素直に教えを乞うことができますか?

「昔はこんな大きなプロジェクトをやった」という話は、面接官(特に若手)にとっては退屈な自慢話に過ぎません。「その経験を活かして、御社のこの課題をこう解決できます」という再現性をアピールしてください。

プライドが邪魔をして面接で落ち続ける人の共通点と、そこからの脱出法は[【現実は甘くない】60代転職が「みじめ」と言われる5つの理由と、底辺から逆転した人の「準備」]で詳しく解説しています。

Step 2:武器の準備(書類・資格)

次に、戦うための武器を磨きます。

履歴書・職務経歴書のポイント

  • 手書きにこだわる必要なし、PC作成が見やすい
  • 「老眼対策」:文字サイズは10.5pt〜11pt
  • 健康状態は具体的に明記する

採用担当者がシニアの場合、文字が小さいだけで読む気を失います。「健康状態:良好(持病なし、直近3年間無欠勤)」など、具体的に書くことで、企業側の「すぐ倒れるのではないか」という不安を払拭します。詳しい書き方は[60代の履歴書・職務経歴書「通過率UPの書き方」|手書きは古い?PC作成マニュアル【見本あり】]をご覧ください。

資格は「即戦力」重視で選ぶ

今から難関資格(司法書士など)を目指すのは、時間対効果が悪すぎます。狙うなら、「業務独占資格」かつ「短期間で取得可能」なもの。

例えば、ビル管理系(危険物、ボイラーなど)や介護系(初任者研修)は、60代でも即戦力として歓迎されます。役に立つ資格vs無駄になる資格のリストは[60代転職に「資格」は必要?役に立つ資格vs金と時間の無駄になる資格リスト]で紹介しています。

Step 3:求人検索と応募(二刀流の実践)

準備ができたら、いよいよ市場に出ます。

ハローワークルート

基本は週に1〜2回通い、新着求人をチェック。「60歳以上歓迎」の求人は競争率が高いので、あえて年齢不問の求人に「経験」を武器に電話してみるのも手です。窓口攻略法は[【2026年最新】60歳からのハローワーク活用術|「良い求人」は検索機に出てこない?窓口攻略法]で詳しく解説しています。

エージェントルート

  • まずは「大手」と「特化型」の2〜3社に登録
  • 「選り好みはしないが、譲れない条件」を明確に伝える
  • 「何でもやります」は逆効果

担当者との面談では、最低年収などの譲れない条件を明確に伝えます。「何でもやります」は、逆に紹介しづらい人材と思われるので注意してください。

Step 4:面接とクロージング

書類が通れば、次は面接です。60代の面接で見られているのは、スキルよりも「人柄」と「健康」です。

  • 頑固そうに見えないか?→笑顔で、相手の話を最後まで聞く
  • 健康そうに見えるか?→背筋を伸ばし、声のトーンをワントーン上げる
  • 否定語(でも、しかし)を使わない

エージェントに「紹介できる案件がない」と言われたら終わり?いいえ、そこからが勝負です。復活のメール術は[【復活のメール術】転職エージェントに「紹介できる求人がない」と断られた時の対処法3選]で解説しています。

【属性別】あなたにおすすめの「勝ち筋」ルート

  • 60代女性→「座り仕事」で勝負
  • 専門スキル保有者→中小企業の管理職を狙う
  • すぐ働きたい方→ビルメン業界が鉄板

60代と一口に言っても、これまでのキャリアや性別によって「勝てる戦場」は異なります。

60代女性の場合(事務・軽作業)

「ずっと専業主婦だった」「事務の経験しかない」という女性にとって、肉体労働はハードルが高いでしょう。狙い目は、「少しだけ専門性のある座り仕事」です。

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職種特徴おすすめポイント
医療・介護事務一般事務より倍率が下がる資格取得で差別化しやすい
コールセンターマニュアル完備で座って働けるシニアの丁寧な言葉遣いが重宝される
マンションコンシェルジュ物腰の柔らかさが武器になる立ち仕事だが体力的負担は軽め

体力に自信がない女性が選ぶべき「座り仕事」の現実と、採用されるコツは[【60代女性】未経験・資格なしでも働ける職種7選|体力に自信がない人が選ぶべき「座り仕事」の現実]で詳しく解説しています。

専門スキルを活かしたい場合(技術・経理・人事)

長年培った専門スキルがある方は、「中小企業のプレイングマネージャー」または「顧問派遣」を狙いましょう。

大企業では役職定年で給与が下がりますが、人手不足の中小企業では、あなたの「管理職経験」や「技術指導力」が高く評価される可能性があります。この層こそ、ハローワークではなく転職エージェント(特にJACリクルートメントなどのハイクラス系)を使うべきです。

とにかくすぐに働きたい場合(警備・清掃・マンション管理)

「背に腹は代えられない」「体を動かして働きたい」という場合は、ビルメンテナンス業界が鉄板です。しかし、現場選びを間違えると、腰を痛めて早期退職…ということになりかねません。

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職種楽な現場キツイ現場
清掃オフィスビル(比較的楽)病院・商業施設(ハード)
警備施設警備(屋内)交通誘導(屋外・夏冬が地獄)

絶対に選んではいけない「ハズレ現場」を回避するための格付けチェックは[60代の「清掃」はきつい?病院vsオフィスビル|腰痛持ちが絶対に選んではいけない現場]をご覧ください。

60代におすすめの転職サービス・エージェント(目的別厳選)

  • リクルートエージェント:求人数No.1の王道
  • マイナビミドルシニア:年齢で弾かれにくい
  • シニアジョブ:技術・専門職に強い

60代が登録しても「門前払い」されにくく、かつ良質な求人を持っているサービスを厳選して紹介します。各サービスの詳細な比較は[【2026年版】60代におすすめの転職サイト・エージェント比較ランキングTOP5|断られないのはココ]のランキング記事をご覧ください。

1. リクルートエージェント【求人数No.1の王道】

言わずと知れた業界最大手。保有求人数が圧倒的で、60代向けの案件も数多く紛れています。

使い方のコツ:担当者はドライ(事務的)なことが多いですが、それは「システム的にマッチングしてくれる」ということでもあります。感情的なサポートより「数」を求めるならココです。詳しい評判と裏ワザは[リクルートエージェントは60代でも使える?利用者の評判と「塩対応」された時の裏ワザ]で解説しています。

2. マイナビミドルシニア【40代〜60代特化】

その名の通り、ミドルシニア層に特化したサイト。求人は首都圏・東海・関西・北海道・福岡が中心ですが、「年齢で弾かれる」というストレスが少ないのが最大のメリットです。

使い方のコツ:登録時のプロフィールを充実させることで、スカウトが届きやすくなります。詳しい評判は[マイナビミドルシニアの評判は?60代の求人実態と登録前の注意点]をご覧ください。

3. シニアジョブ【技術・専門職に強い】

シニア専門のエージェント。施工管理、士業、医療福祉などの専門職に強みを持ちます。

おすすめな人:手に職がある人。定年前よりも年収アップできる事例も出ています。「断られないのはどこ?」「サポートが優しいのは?」全サイトを徹底比較した[【2025年版】60代におすすめの転職サイト・エージェント比較ランキングTOP5|断られないのはココ]もあわせてチェックしてください。

よくある質問

60歳を過ぎてからの転職は、年金に影響しますか?

影響します。「在職老齢年金」という仕組みにより、賃金と年金の合計額が月額50万円(令和6年度基準)を超えると、年金の一部または全額が停止されます。しかし、「年金が減るのが嫌だから働かない」よりも、働いて総収入(賃金+残った年金)を増やす方が、結果的に手元に残るお金は多くなるケースがほとんどです。

パソコンが全く使えませんが、仕事はありますか?

あります。警備、清掃、調理補助、配送助手、介護(身体介助メイン)などはPCスキル不要な場合が多いです。ただし、簡単な日報入力などでスマホやタブレットを使う機会は増えています。アレルギーを持たずに「覚える気はあります」という姿勢を見せることが大切です。

転職エージェントに登録しましたが、連絡がきません。どうすればいいですか?

悲しいですが、よくあることです。めげずに他のエージェントに登録するか、登録情報を修正(希望年収を下げる、職務経歴を具体的に書くなど)して再申請してみましょう。対処法については[記事E2]で詳しく解説しています。

60代の転職サイトはどこがいいですか?

求人数ならリクルートエージェント、サポート重視ならシニア特化型のマイナビミドルシニアやシニアジョブがおすすめです。ハローワークとエージェントの「二刀流」が最も効果的です。

60代が転職で求められているスキルは何ですか?

新しい技術より「柔軟性」「謙虚さ」「健康」が重視されます。年下の上司にも素直に接することができる姿勢、そして長く働けるという安心感を与えることが大切です。

60代の転職成功率はどれくらいですか?

60代の就業率は約74%というデータがあります。「選ばなければある」というのが現実ですが、「良い条件で転職する」ためには、しっかりとした準備とエージェントの活用が必要です。

まとめ:動いた人だけが、老後の安心を手に入れる

  • 2025年4月の法改正は厳しい向かい風
  • 「二刀流戦略」で守りと攻めを両立
  • 「まだ60歳」と挑戦する姿勢が未来を変える

2025年4月の法改正は、私たち60代にとって厳しい向かい風です。「給付金は減る」「再雇用の給料は上がらない」「物価は上がる」。この三重苦の中で、ただ座って待っているだけでは、資産は確実に目減りしていきます。

しかし、悲観する必要はありません。「ハローワーク」というセーフティネットを張りながら、「転職エージェント」という武器を持って市場に出る。この「二刀流戦略」を正しく実行すれば、あなたの経験を必要としている企業と巡り合う確率は飛躍的に高まります。

「もう60歳だから」と諦めるか。「まだ60歳だから」と挑戦するか。

その選択が、これからの10年、20年の景色を決定づけます。まずは一歩、「自分の市場価値」を知るためのエージェント登録、あるいはハローワークへの訪問から始めてみてください。あなたの「第二の現役生活」が、実りあるものになることを応援しています。

次のステップ

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