60代の履歴書・職務経歴書「通過率UPの書き方」|手書きは古い?PC作成マニュアル【見本あり】

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「一生懸命、丁寧に手書きしました」「職歴が長いので、別紙にびっしり書きました」

その努力は素晴らしいですが、残念ながら「逆効果」になっている可能性が高いです。

採用担当者の手元には、毎日数十通、多い時は百通以上の応募書類が届きます。その中で、60代の方から届く書類には、ある共通する「悪癖」があります。

  • 文字が小さすぎて読めない(情報を詰め込みすぎ)
  • 手書きのクセ字で、解読に時間がかかる
  • 40年前の昔話ばかり詳しく書いてある

採用担当者は忙しいのです。「読みにくい」と感じた瞬間、その書類への興味は失われます。中身(スキル)を見てもらうためには、まず「ストレスなく読める外見(フォーマット)」でなければなりません。

この記事のポイント

  • 手書きは「PCが使えない人」というレッテルを貼られる
  • 文字サイズは11pt以上。老眼の担当者に配慮せよ
  • 職務経歴書は「逆編年体(新しい順)」で書く
  • 証明写真は写真館で「−5歳」を目指せ
  • エージェントの「無料添削」で客観視を取り入れろ

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目次

論争に終止符。「手書き」vs「パソコン」

  • 結論:100%「パソコン作成」にすべき
  • ITスキルの証明、読みやすさ、修正のしやすさ

長年の論争ですが、60代の転職においては結論が出ています。

パソコン作成にすべき3つの理由

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理由詳細
ITスキルの証明になるWordやExcelで作られた書類自体が「基本的なPC操作はできます」という無言のアピール
「読みやすさ」が段違い標準的なフォントで整然と書かれた書類は、情報の摂取スピードが速く好印象
修正・使い回しができるデータなら修正は一瞬。複数の企業に応募する際も効率的

[60代の転職で「決まらない人」の共通点]や[60代女性の「事務職」は狭き門?]でも触れましたが、企業はシニアの「PCスキル」を懸念しています。手書きだと「PCが苦手なのか?」と疑われます。

例外:手書きが有利な職種

書道教室の講師、筆耕、手書きPOPライターなど、「字を書くこと」自体が業務内容である場合のみ、手書きが有利になります。それ以外(事務、警備、清掃、管理職など)は全てPC作成です。

【履歴書編】60代が意識すべき「3つの落とし穴」

  • 写真は「奇跡の一枚」を写真館で撮る
  • 「健康状態」欄は具体的に書く
  • 文字サイズは10.5pt〜12ptを守る

市販の履歴書フォーマットをそのまま使う必要はありません。60代向けにカスタマイズしましょう。

1. 写真は「奇跡の一枚」を用意する

「人は見た目が9割」です。特にシニアの場合、写真から伝わる「健康感」「清潔感」「意欲」が合否を分けます。

700円のスピード写真機ではなく、3,000円かけて写真館(スタジオ)で撮ってください。「転職用です。若々しく、元気に見えるように撮ってください」とオーダーすれば、プロが姿勢や照明を調整してくれます。この投資対効果は絶大です。

2. 「健康状態」欄は空欄にするな

履歴書に「健康状態」の欄がある場合、「きわめて良好」と書くだけでは不十分です。企業は「今は元気でも、すぐ倒れるのでは?」と疑っています。

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NG例OK例
良好極めて良好(過去5年間、病気による欠勤はありません。毎日1時間のウォーキングを継続中)

このように、「丈夫である根拠」を具体的に書いてください。

3. 文字サイズは「10.5pt〜12pt」を守る

あなた自身も老眼で小さい文字が見にくいのと同様に、採用担当者(特に決裁権を持つ役員クラス)も老眼である可能性があります。情報を詰め込もうとして文字を小さく(8ptなど)するのは自殺行為です。行間を適度に空け、スッキリ見せる勇気を持ってください。

【職務経歴書編】「自叙伝」ではなく「商品カタログ」を作れ

  • 「私は御社で何ができるか」を説明するカタログ
  • 「逆編年体」で直近の仕事を最初に書く
  • 40年前の新人時代の話は不要

職務経歴書は、あなたの人生を語る場所ではありません。「私は御社で何ができるか」という商品を説明するカタログです。

1. 「編年体」は捨てろ。「逆編年体」で書け

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形式内容60代への適性
編年体昭和55年の新入社員時代から順番に書く×(最初が40年前の話になる)
逆編年体直近の職歴(令和のキャリア)から遡って書く◎(今何ができるかが最初に来る)

60代の場合、編年体で書くと、最初の1ページ目が「40年前の新人時代」で埋まってしまいます。採用担当者が知りたいのは「今何ができるか」です。一番上に「直近の仕事」が来るように書いてください。

2. 「キャリア式」で職歴を断捨離する

転職回数が多い人や、同じような業務を長く続けた人は、「キャリア式(職務要約)」がおすすめです。年代順に全て羅列するのではなく、「営業経験」「マネジメント経験」「事務経験」のようにカテゴリー別にまとめます。

  • 40年前の実績(例:昭和60年、ワープロ検定取得)は削除
  • 役職定年後の直近5年間の役割を厚く書く

3. 自己PRは「謙虚な即戦力」を演出

[60代の転職で「決まらない人」の共通点]で触れた「元部長病」が出ないように注意が必要です。

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NG例(過去の栄光)OK例(現在の姿勢)
部長として部下50人を統率し、売上〇〇億円を達成しました。組織のパイプ役として若手の指導に尽力しました。貴社においても、プレイヤーとして汗をかきつつ、チームの潤滑油として貢献したいと考えております。

キーワードは「柔軟性」「サポート」「健康」「継続力」です。

【見本あり】そのまま使える志望動機・自己PR例文

  • コピー&ペーストして自分の状況に調整
  • 3つのパターンを用意

パターンA:事務職希望(未経験・ブランクあり)

志望動機例文
貴社の地域密着型のサービス展開と、お客様を大切にする理念に共感し志望いたしました。前職では〇〇業務に従事しておりましたが、そこでも「丁寧な顧客対応」を心がけておりました。事務職の実務経験は浅いですが、PC操作(Word/Excel)は日常的に使用しており、新しいシステム等の習得にも意欲を持って取り組みます。健康には自信があり、長く安定して貴社の業務をサポートさせていただきたいと考えております。

パターンB:マンション管理員・清掃希望

志望動機例文
長年、営業職として多くのお客様と接してまいりました。その経験を活かし、居住者様が快適に暮らせるよう、明るい挨拶と丁寧な対応を心がけたいと思い志望いたしました。体力には自信があり、日々の清掃業務や巡回業務も苦になりません。縁の下の力持ちとして、貴マンションの資産価値維持に貢献したいと考えております。

パターンC:専門職・顧問希望(経験者)

志望動機例文
〇〇業界における30年の経験と、培った人脈・知見を活かし、貴社の事業拡大に貢献したいと考え志望いたしました。特に△△分野におけるトラブルシューティングには自信があります。これまでの経験を押し付けるのではなく、貴社の社風や若手社員様の意見を尊重しながら、実務面でのサポート役に徹する所存です。

自分一人で書いてはいけない。「添削」の魔力

  • 自分の文章のクセや「上から目線」は自分では気づけない
  • 転職エージェントの「無料添削」を使う
  • 添削を受けた書類は通過率が2倍以上になることも

ここまで書き方を解説しましたが、実は最も重要なのは「書き上げた後」です。自分の文章のクセや、無意識の「上から目線」は、自分では絶対に気づけません。必ず「第三者」に見てもらってください。

転職エージェントの「無料添削」を使う

多くの転職エージェント(リクルートエージェント、マイナビミドルシニアなど)では、登録者向けに「書類添削サービス」を無料で行っています。

キャリアアドバイザーは、「この表現だと、採用担当者はこう受け取りますよ」「ここのアピールは弱いので、もっと数字を入れましょう」と、客観的かつ戦略的なアドバイスをくれます。

「添削を受けた書類」と「自己流の書類」。通過率に2倍以上の差が出ることも珍しくありません。エージェントは無料で使える「あなたの秘書」です。使い倒さない手はありません。おすすめのエージェントは[60代におすすめの転職サイト・エージェント比較ランキングTOP5]で紹介しています。

よくある質問

履歴書はWordとExcel、どちらで作るべき?

どちらでも構いませんが、Wordの方が一般的です。転職サイトには無料でダウンロードできるWordテンプレートがたくさんあります。ExcelはPDFに変換するとレイアウトが崩れることがあるため、提出前に必ず確認してください。

職務経歴書は何枚が理想ですか?

A4用紙で2枚が理想です。多くても3枚まで。60代は職歴が長いため、つい4枚・5枚と書きたくなりますが、採用担当者は全部読みません。「直近10年」を中心に書き、それ以前は要約してください。

転職回数が多い(10回以上)のですが、全部書くべきですか?

短期間(1年未満)の職歴は「キャリア式」でまとめて書くか、省略しても問題ありません。ただし、面接で聞かれた時に説明できるよう準備しておきましょう。「空白期間」を作らないことが重要です。

希望年収はどう書けばいいですか?

「応相談」か「御社の規定に従います」が無難です。具体的な金額を書くと、高すぎると敬遠され、安すぎると足元を見られます。面接で交渉するか、エージェント経由で希望を伝えてもらうのがベストです。

証明写真はスマホで撮っても大丈夫ですか?

Web応募のみなら許容範囲ですが、おすすめしません。スマホ写真は背景や照明がバラつきやすく、「この程度の準備しかしない人」という印象を与えるリスクがあります。写真館で撮影し、データでもらっておけば、印刷用・Web用どちらにも使えます。

まとめ:書類は「ラブレター」ではなく「企画書」だ

  • 見やすく(PC作成・文字サイズ大)
  • 分かりやすく(逆編年体・要約)
  • メリットがある(健康・即戦力・謙虚)

履歴書や職務経歴書に、あなたの「想い」や「人生」を詰め込みすぎてはいけません。企業が見たいのは、「この人を雇うと、いくら儲かるか(あるいは役に立つか)」というメリットだけです。

この3つを満たした書類は、採用担当者の目に「おっ、このシニアは分かっているな」と魅力的に映ります。それはもはや履歴書というより、あなたという商品を売り込むための優れた「企画書」です。

さあ、PCを開いて、あなたのキャリアを「企画書」に落とし込みましょう。不安なら、迷わずエージェントに相談してください。彼らは喜んで、あなたの企画書のブラッシュアップを手伝ってくれます。

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記事監修者

派遣業界で15年以上、営業として企業と人をつなぐ仕事に携わってきました。現在はエフネクストの広報部に所属し、これまでの営業経験を活かしながら、会社の魅力を発信する仕事をしています。
2013年に「ビジネス実務法務検定2級」と「行政書士」資格を取得。この資格を活かし、法務やコンプライアンスの視点からも安心できる情報発信を心がけています。「人の想いと企業の想いをつなぐ広報」を目指して活動中です。

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