60代転職に「資格」は必要?役に立つ資格vs金と時間の無駄になる資格リスト

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「定年後は時間があるから、難関資格に挑戦して独立開業しよう」「資格さえあれば、どこかが雇ってくれるはずだ」

もしあなたが、通信講座のパンフレットを広げながらそう考えているなら、一度手を止めてください。厳しいことを言いますが、60代からの「未経験×難関資格」は、転職市場ではほとんど評価されません。

企業が60代に求めているのは、「知識」ではなく「即戦力」です。「行政書士の勉強を2年して合格しました(実務経験ゼロ)」という人と、「資格はないけど、経理の実務が30年あります」という人。企業が採用するのは、間違いなく後者です。

この記事のポイント

  • 「マンション管理士」は難関だが、管理人には不要
  • 「危険物乙4」はセルフスタンド監視員の最強資格
  • 「フォークリフト」で物流倉庫の即戦力になれる
  • 女性は「介護初任者研修」が就職率ほぼ100%
  • 職業訓練を使えば無料で資格が取れる

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目次

【要注意】金と時間の無駄になりがちな資格リスト

  • 資格自体が悪いのではなく「60代の未経験転職」との相性が悪い
  • 勉強期間と得られるポストが見合わない
  • 「取ればなんとかなる」は危険な誤解

まずは、「取ればなんとかなる」と誤解されがちな資格から見ていきましょう。

1. マンション管理士

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項目内容
難易度高(合格率8%前後)
誤解「マンション管理のプロとして、管理会社に高待遇で迎えられる」

この資格は、管理組合へのコンサルティングを行うための知識を問うものです。しかし、60代の求人で多い「マンション管理員(管理人)」の仕事には、この資格は必須ではありません。求人の9割以上は「資格不問」であり、難関試験に合格する労力と、得られるポスト(管理人の時給)が見合わないことが多いのです。

2. 行政書士・社会保険労務士

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項目内容
難易度超高
誤解「独立開業して一国一城の主になれる」

「資格=顧客」ではありません。営業力がなければ、収入はゼロです。企業への再就職を目指す場合も、人事や法務の実務経験がないシニアが、資格だけで採用されることは稀です。2〜3年の勉強期間が無収入になるリスクを考えてください。

3. 医療事務(女性に人気)

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項目内容
難易度
誤解「病院の受付で安定して働ける」

[60代女性の「事務職」は狭き門?採用されるための「PCスキル」と狙い目の業界]でも触れましたが、人気の事務職です。クリニックの受付は「病院の顔」として若年層が採用されやすく、60代未経験者が資格を取っても、30代の経験者に競り負けます。取得するなら「調剤薬局事務」の方がまだ勝機があります。

【男性編】即戦力になる「食える資格」ベスト3

  • 「業務独占資格」「必置資格」を狙う
  • 法律で資格者が必要=年齢に関係なく採用ニーズあり
  • 短期間で取得できるものを選ぶ

狙うべきは、「業務独占資格」や「必置資格」です。これらは、「法律でその資格者がいないと業務ができない」ため、年齢に関係なく採用ニーズが発生します。

1. 危険物取扱者 乙種第4類(乙4)【おすすめ度:S】

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項目内容
取得期間1〜2ヶ月
ターゲットセルフガソリンスタンドの監視員、ビルメンテナンス

ガソリンスタンドには、有資格者を必ず配置しなければなりません。特にセルフスタンドの「モニター監視員」は、冷暖房完備の室内で座って監視ボタンを押すのが主な業務です。体力をほぼ使わないため、60代〜70代の男性に大人気の「隠れホワイト職種」です。

2. フォークリフト運転技能者【おすすめ度:A】

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項目内容
取得期間4〜5日(講習のみ)
ターゲット物流倉庫、工場

講習を受ければほぼ100%取れます。物流業界は慢性的な人手不足で、免許さえあれば「60代未経験」でも面接に呼ばれます。時給も軽作業より高く、座って操作するカウンターフォークなら体力負担も軽減できます。

3. 第二種運転免許(大型・普通)【おすすめ度:B】

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項目内容
ターゲット送迎バス、タクシー、役員運転手

「人の命を預かる」責任は重いですが、運転が得意な人には天職になります。特に、デイサービスや幼稚園の送迎バス、スクールバスの運転手は、シニア採用がメインの市場です。

【女性編】確実に仕事にありつく「手堅い資格」ベスト2

  • 事務系資格より人手不足業界の「入門資格」が最強
  • 介護業界なら60代でも「若手」として歓迎される

女性の場合、事務系資格(簿記やMOS)よりも、人手不足業界の「入門資格」が最強の武器になります。

1. 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)【おすすめ度:S】

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項目内容
取得期間1〜3ヶ月(スクーリングあり)
ターゲット訪問介護、デイサービス、老人ホーム

これがあれば、介護業界への扉は全開になります。「きつい仕事は嫌」という人は、[記事C1]で紹介した「生活援助(掃除・洗濯)」メインの訪問介護や、デイサービスの補助を選べばOKです。60代でも「若手」として歓迎される稀有な業界です。

2. 登録販売者【おすすめ度:B】

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項目内容
取得期間半年程度
ターゲットドラッグストア

薬局で風邪薬などを販売できる資格です。時給が高く、資格手当もつきます。ただし、試験はそこそこ難しく、過去2年間の実務経験がないと「研修中」扱いになるため、即効性は介護に劣りますが、接客が好きなら狙う価値はあります。

資格スクールに行く前に「職業訓練」を調べろ

  • 職業訓練ならテキスト代のみ(受講料無料)
  • 条件を満たせば月10万円の給付金をもらいながら通える
  • 「お金をもらいながら資格を取る」が賢いシニアの戦略

「よし、資格を取ろう!」といきなりユーキャンや通学スクールに申し込むのは待ってください。[60歳からのハローワーク活用術|「良い求人」は検索機に出てこない?窓口攻略法]で紹介した、ハローワークの「職業訓練(ハロートレーニング)」を使えば、テキスト代のみ(受講料無料)で資格が取れる可能性があります。

職業訓練で取れる資格例

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訓練科取得できる資格
ビル管理科電気工事士、ボイラー技士などがセットで学べる
介護サービス科初任者研修が無料で取れる
パソコン事務科簿記やExcelが集中的に学べる

「お金を払って資格を取る」のではなく、「お金をもらいながら資格を取る」。これが賢いシニアの戦略です。

資格がなくても「経験」だけで戦える場合

  • 過去の経験をそのままスライドさせる
  • 必要なのは「職務経歴書」のブラッシュアップ
  • エージェントに聞くのが一番早い

最後に、そもそも資格が必要ないケースをお伝えします。それは、「過去の経験をそのままスライドさせる」場合です。

経験だけで戦える例

  • 経理一筋30年:簿記1級がなくても、実務経験だけで即戦力
  • 営業部長:資格より、人脈や交渉力が武器(顧問契約など)

あなたがもし、現役時代の職種と同じ分野で転職するなら、今さら新しい資格を取る必要はありません。必要なのは、資格証明書ではなく、「職務経歴書」のブラッシュアップです。

自分の経験が「資格なし」でどこまで通用するか。それを知るには、転職エージェントに登録して「私の経歴で紹介できる案件はありますか?」と聞くのが一番早いです。勉強を始めるのは、エージェントに「この資格があれば紹介できます」と言われてからでも遅くありません。おすすめのエージェントは[60代におすすめの転職サイト・エージェント比較ランキングTOP5]で紹介しています。

よくある質問

簿記の資格は取るべきですか?

経理職を目指すなら「あれば有利」ですが、必須ではありません。実務経験があれば、簿記2級がなくても採用されます。ただし、未経験から経理を目指すなら、簿記3級程度の知識は必要です。職業訓練で無料で学べるので、スクールに高額な授業料を払う前に検討してください。

宅建(宅地建物取引士)は60代でも役立ちますか?

不動産業界で働くなら役立ちます。ただし、60代未経験からの不動産営業は体力的にハードです。「営業ではなく、契約書のチェックなど事務的な仕事を」と考えるなら、宅建より実務経験や人脈の方が重要です。すでに不動産業界の経験がある人には強力な武器になります。

危険物乙4はどのくらい難しいですか?

合格率は約30〜40%程度で、勉強すれば十分取れる資格です。過去問を繰り返し解けば、1〜2ヶ月で合格レベルに達します。高校レベルの化学の知識があれば有利ですが、暗記中心なので文系の人でも問題ありません。

介護初任者研修はどこで受けられますか?

民間のスクール(ニチイ、ベネッセなど)と、ハローワークの職業訓練の2つのルートがあります。民間スクールは5〜10万円程度かかりますが、職業訓練なら無料(テキスト代のみ)です。ハローワークで「介護の職業訓練を受けたい」と相談してみてください。

資格を取ってから転職活動、それとも同時進行?

同時進行がおすすめです。「資格取得中」でも面接でアピールできますし、求人を見ることで「本当にこの資格が必要か」が分かります。また、派遣会社に登録して「この資格があれば紹介できる案件が増えますか?」と聞くのも効果的です。

まとめ:資格は「飾り」ではなく「道具」を選べ

  • マンション管理士より、フォークリフト
  • 医療事務より、介護初任者研修
  • スクールより、職業訓練

60代の資格選びに、ロマンはいりません。必要なのは、「確実に仕事に繋がるか」というリアリズムです。

この選択基準を持つだけで、あなたは「資格難民」にならずに済みます。今から2年も勉強する必要はありません。1ヶ月の講習で取れる資格を取り、胸を張って面接に行きましょう。

その小さなカード(免許証)一枚が、あなたの「働きたい」という意欲を証明する、最強の通行手形になります。

次のステップ

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記事監修者

派遣業界で15年以上、営業として企業と人をつなぐ仕事に携わってきました。現在はエフネクストの広報部に所属し、これまでの営業経験を活かしながら、会社の魅力を発信する仕事をしています。
2013年に「ビジネス実務法務検定2級」と「行政書士」資格を取得。この資格を活かし、法務やコンプライアンスの視点からも安心できる情報発信を心がけています。「人の想いと企業の想いをつなぐ広報」を目指して活動中です。

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