60代女性の「事務職」は狭き門?採用されるための「PCスキル」と狙い目の業界

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「昔、商社で事務をしていました」「パソコンは家で年賀状を作るのに使っています」「だから、事務の仕事ならできると思います」

60代女性のキャリア相談で、最も多く聞かれる言葉です。しかし、残念ながらその認識のまま就職活動をすると、100社応募しても1社も通らない「お祈りメール地獄」に陥ります。

今のオフィスの風景は、あなたが働いていた20年前、30年前とは様変わりしています。電話は鳴らずチャット(ChatworkやSlack)で会話が進み、書類は紙ではなくクラウド(Google DriveやBox)に保存され、会議はZoomで行われます。

「事務職」は今、単なる補助業務ではなく、「デジタルツールの操作係」になりつつあります。そして、人気ゆえに有効求人倍率は常に0.3倍(求職者3人に対し求人1つ)程度。ここに60代が正面から挑むのは、無謀と言わざるを得ません。

では、諦めるしかないのでしょうか?いいえ、戦略があります。「みんなが狙う場所(レッドオーシャン)」を避け、「あなただからこそ歓迎される場所(ブルーオーシャン)」を狙うのです。

この記事のポイント

  • 人気の「一般事務」は倍率数十倍、書類で落ちるのが現実
  • Word/Excelより「チャット」「クラウド」への順応性が重要
  • 狙い目は「調剤薬局」「介護施設」「建設事務所」
  • タッチタイピングができないと面接以前に詰む
  • 「派遣」なら年齢の壁を突破して事務職に就ける

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目次

自己診断!現代の事務職に求められる「3つのPCスキル」

  • タッチタイピング(ブラインドタッチ)は必須
  • 「分からないことを検索する」力が重要
  • Word・Excelは「修正」スキルで十分

まずは、あなたのPCスキルが「通用するレベル」か確認しましょう。「Excelのマクロが組める」といった高度な技術は不要です。重要なのは「基礎力」と「順応性」です。

1. タッチタイピング(ブラインドタッチ)

これができないと、話になりません。今の事務職は、チャットの返信やデータ入力において「スピード」が求められます。キーボードを指一本で探しながら打っているようでは、即戦力とはみなされません。

合格ライン:手元を見ずに、話し言葉と同じくらいのスピードで文字が打てること

2. 「分からないことを検索する」力

今のオフィスでは、使ったことのないソフト(専用の会計システムや勤怠管理アプリなど)を渡されるのが日常です。その時、「習っていないのでできません」と言うのか、「Googleで検索して、マニュアルを見ながらやってみます」と言えるのか。企業が求めているのは後者です。「ITリテラシー」とは、知識の量ではなく、解決する姿勢のことです。

3. Word・Excelの「修正」スキル

ゼロから書類を作る機会は減っています。多くの場合、誰かが作ったフォーマットへの「入力」や「修正」がメインです。

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ソフト必須スキルあれば武器になる
Word挨拶文の作成、レイアウトの崩れを直す差し込み印刷
Excel四則演算、SUM関数、セルの書式設定VLOOKUP関数、ピボットテーブル

VLOOKUP関数やピボットテーブルは、できれば強力な武器になりますが、必須ではありません。資格については[60代転職に「資格」は必要?役に立つ資格vs金と時間の無駄になる資格リスト]で詳しく解説しています。

ここなら入れる!60代女性が狙うべき「穴場業界」3選

  • 「若手不人気」×「対人スキル重視」の業界を狙う
  • 60代の「落ち着き」「母性」が武器になる
  • 丸の内のOLは忘れて、勝手口から入る

一般企業の事務(丸の内や大手町のOL)は忘れましょう。そこは20代の激戦区です。60代女性が狙うべきは、「若手不人気」×「対人スキル重視」の業界です。

狙い目1:介護・福祉施設の「事務・受付」

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項目内容
競争率低め
業務内容介護保険の請求補助、来客対応、電話対応、備品発注

介護現場は慢性的な人手不足です。若い人は現場(介護職)に回されがちなので、事務専任のスタッフは貴重です。また、利用者様(高齢者)やご家族への対応において、60代女性の「落ち着いた物腰」や「人生経験」が安心感を与えます。「介護事務」の資格(3日で取れる民間資格など)があると、熱意のアピールになります。

狙い目2:調剤薬局の「調剤事務(アシスタント)」

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項目内容
競争率中程度
業務内容処方箋の入力、お薬手帳の確認、患者様の案内、会計

地域の調剤薬局は、患者様の多くが高齢者です。ここでもシニア女性のコミュニケーション能力が武器になります。専用のレセプトコンピュータ(レセコン)を使いますが、入力項目は決まっているので、一度覚えればルーチンワークです。「座り仕事」の比率が高いのも魅力です。

狙い目3:建設・工事事務所の「現場事務」

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項目内容
競争率低め(穴場!)
業務内容安全書類の整理、職人さんの出勤管理、電話対応、お茶出し

建設現場の仮設事務所などで働く仕事です。「男ばかりでむさ苦しい」「トイレが仮設」などの理由で、若い女性からは敬遠されがちです。しかし、職人さんたちを「お母さん」のようにサポートできる60代女性は、現場のアイドルとして重宝されます。時給も高めに設定される傾向があります。

採用される履歴書の書き方・面接対策

  • 履歴書は必ず「パソコン」で作る
  • 「老眼」を感じさせない工夫
  • 「謙虚さ」と「学習意欲」をセットにする

スキルとターゲットが決まったら、次は「売り込み方」です。「事務経験20年」と書くだけでは落ちます。

1. 履歴書は必ず「パソコン」で作る

[ハローワークの「60歳以上・女性限定」求人の正体]や[60代の転職で「決まらない人」の共通点]でも触れましたが、履歴書を手書きしている時点で「私はPCスキルがありません」と宣伝しているようなものです。WordやExcelで作成し、「この程度の書類ならササッと作れますよ」と無言のアピールをしてください。これが最強のポートフォリオになります。

2. 「老眼」を感じさせない工夫

細かい文字が見えにくいのは仕方ありませんが、それを仕事に出してはいけません。面接で書類を渡された時、顔をしかめて読んだりしていませんか?適切な老眼鏡(リーディンググラス)をかけ、スムーズに文字を読む姿を見せてください。「健康上の問題はない」と思わせることが重要です。

3. 「謙虚さ」と「学習意欲」をセットにする

面接でのキラーフレーズはこれです。

「最新のソフトには疎い部分があるかもしれませんが、分からないことは素直に調べ、若い方にも教わりながら、一日も早く戦力になれるよう努力します」

「昔はこうだった」ではなく「これから覚える」。この姿勢こそが、採用担当者がシニアに求めているものです。履歴書の詳しい書き方は[記事D2]をご覧ください。

効率よく探すなら「派遣」の力を借りよう

  • 派遣はスキルの証明になる
  • ニッチな期間限定案件が豊富
  • コーディネーターが交渉してくれる

ハローワークで「一般事務」を探しても、条件の良いものは空求人か、すでに埋まっていることが大半です。事務職を本気で狙うなら、「派遣会社」に登録するのが一番の近道です。

なぜ派遣だと事務に就けるのか?

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理由詳細
スキルの証明になる登録時のタイピングテストやExcelテストで「この人は使える」と太鼓判を押してもらえる
ニッチ案件が多い「大学の入試期間だけ」「ワクチン接種会場の受付」など期間限定の事務案件が豊富
交渉してくれる「電話対応は得意だが細かい入力は苦手」などの特性をコーディネーターが企業に伝えてくれる

おすすめの派遣会社・サイト

  • テンプスタッフ / スタッフサービス:求人数が圧倒的、未経験OKの事務案件も多い
  • しゅふJOB:パート事務に特化、シニア歓迎の求人が探しやすい

よくある質問

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)の資格は取るべき?

時間があるなら取っても損はありませんが、必須ではありません。MOSを持っていることより、「実務でExcelを使って請求書を作っていた」経験の方が評価されます。資格勉強に半年かけるくらいなら、派遣会社で「データ入力」の短期バイトをして実務経験を積むほうが有利です。

パソコン教室に通う価値はありますか?

「実務直結型」ならありです。単にテキストをなぞるだけの教室ではなく、「ビジネスメールの打ち方」「クラウドツールの使い方」などを教えてくれる講座なら価値があります。ただし、高額なスクール代を払う前に、YouTubeの無料講座で独学できないか試してみてください。

未経験で医療事務の資格を取りました。就職できますか?

資格だけでは厳しいですが、アピールにはなります。医療事務は経験者優遇の世界です。しかし、人手不足のクリニックなどでは「資格があり、やる気があるなら」と採用されるケースもあります。資格を武器に、「未経験可」の求人を根気よく探しましょう。

60代で事務職に転職して、若い人とうまくやれますか?

「謙虚さ」と「学習意欲」があれば大丈夫です。「昔のやり方が正しい」と押し付けるシニアは嫌われますが、「教えてください」と素直に言えるシニアは歓迎されます。年下の上司や同僚に敬語を使い、分からないことは素直に聞く姿勢が大切です。

週3日だけの事務職はありますか?

あります。特に「パート事務」や「派遣の短時間勤務」なら、週3日・1日5時間といった働き方が可能です。派遣会社に登録する際に「週3日希望」と伝えておけば、条件に合う求人を紹介してもらえます。

まとめ:事務職への扉は「狭い」が、鍵穴は一つではない

  • 「介護」「調剤」「建設」という勝手口から入る
  • PCスキルより「気配り」「対人スキル」が評価される
  • 履歴書をPCで作り、派遣会社に登録する

60代女性の事務職転職は、確かに厳しい戦いです。しかし、それは「大手企業の一般事務」という正門から入ろうとするからです。

「介護」「調剤」「建設」といった勝手口(ニッチな入り口)に回れば、扉は意外と開いています。そこでは、あなたのPCスキルそのものよりも、「円滑に業務を進めるための気配り」や「誰とでも仲良くできる対人スキル」が、Excel関数よりも高く評価されます。

「私には無理」と諦める前に、まずは履歴書をパソコンで作り直し、派遣会社に登録してみませんか?あなたの経験と、ほんの少しのデジタルスキルを求めている場所は、必ずあります。

次のステップ

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記事監修者

派遣業界で15年以上、営業として企業と人をつなぐ仕事に携わってきました。現在はエフネクストの広報部に所属し、これまでの営業経験を活かしながら、会社の魅力を発信する仕事をしています。
2013年に「ビジネス実務法務検定2級」と「行政書士」資格を取得。この資格を活かし、法務やコンプライアンスの視点からも安心できる情報発信を心がけています。「人の想いと企業の想いをつなぐ広報」を目指して活動中です。

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