年収2000万円を超えるハイクラス転職は、一般的な「求人検索」では実現できません。このクラスの案件は市場のわずか0.5%〜1.5%であり、そのほとんどが「ヘッドハンター」や「PEファンド」の手元にある極秘案件だからです。
成功の鍵は、複数のハイクラス特化型エージェントと長期的な信頼関係を築き、彼らの脳内で「経営課題が出た時に最初に想起される人物」になることです。また、選考ではスキル以上に「リファレンス(第三者の評判)」と「カルチャーフィット」が重視されるため、過去の人脈整理と入念な準備が不可欠です。
この記事のポイント
- 応募でなく指名される世界
- 敏腕ヘッドハンターと繋がれ
- PL責任と変革実績が必須
- 期待値調整で防衛線を張る
- PEファンド投資先が狙い目
「今の会社で、これ以上の上がり目はない」「自分の経験を使えば、もっと大きな経営課題を解決できるはずだ」
50代を迎え、そうした渇望を抱いているあなたは、すでにビジネスマンとして一つの頂点に達している方でしょう。年収1000万円〜1500万円。部長、あるいは役員として組織を回してきた自負。
しかし、そこからさらに上、「年収2000万円以上」の世界を目指すとなると、ゲームのルールは劇的に変わります。それは、「優秀な実務家」から「プロの経営人材」への脱皮を意味するからです。

このクラスの転職情報は、リクナビNEXTやdodaのような公開サイトには絶対に載りません。なぜなら、経営幹部の募集は、企業の「次の戦略(新規事業、M&A、再建)」そのものであり、最高機密だからです。
では、どうすればその「極秘の椅子」に座ることができるのか?この記事では、一般の転職市場には出回らない情報を元に、ハイクラス層専門のエージェント(ヘッドハンター)を使いこなし、最後のキャリアで最高峰に到達するための戦略的アプローチを解説します。
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なぜ「年収2000万」の求人は表に出ないのか? エグゼクティブ市場の3つの不文律
戦う場所の構造を理解せよ
- 経営戦略と直結し極秘扱い
- 応募でなく一本釣りが基本
- 個人ヘッドハンターが握る
まず、戦う場所(市場)の構造を理解しましょう。年収2000万円以上の求人を探して、転職サイトを検索しているとしたら、それは「高級寿司店を探して、回転寿司のアプリを見ている」ようなものです。エグゼクティブ市場には、一般の転職市場とは全く異なる独自のルールが存在します。この3つの不文律を理解しない限り、年収2000万円のポジションにたどり着くことはできません。
不文律①:経営戦略と直結するため「極秘(Confidential)」である
- CXOや事業責任者ポジション
- 競合に戦略がバレる危険
- 現職役員解任の可能性も
- 特定ヘッドハンターに口頭伝達
年収2000万を払うポジションとは、CXO(最高責任者)や事業責任者です。「CFOを募集している」という情報が出れば、競合他社に「あそこは財務戦略を変える気だ」とバレてしまいます。あるいは、「現職の役員を解任する予定」というケースもあります。
そのため、情報は徹底的に伏せられ、信頼できる特定のヘッドハンターだけに口頭で伝えられます。求人サイトに掲載されることは絶対にありません。企業の戦略そのものが漏れるリスクを冒してまで、公開募集することはないのです。この極秘性こそが、ハイクラス市場の最大の特徴です。
不文律②:「応募」ではなく「一本釣り」が基本
このクラスの人材は、自ら職を探していません。現職で活躍しているからです。企業側も「職を探している人」ではなく、「他社で活躍している、転職する気のない人」を欲しがります。したがって、待ちの姿勢(求人への応募)ではなく、ヘッドハンターを通じて「あなたに興味がある企業がある」と一本釣り(スカウト)されるのが基本ルートになります。
つまり、「見つける」のではなく「見つけられる」ための準備をする必要があるのです。ヘッドハンターのレーダーに映る存在になること。これが、ハイクラス転職の大前提となります。
不文律③:エージェントではなく「個人のヘッドハンター」が握っている
- 大手にも案件はあるが
- 特命案件は個人に紐付く
- 経営者から個人的依頼
- 敏腕個人と繋がることが鍵
大手エージェントのデータベースにも、一部のハイクラス求人はあります。しかし、本当においしい「特命案件」は、組織ではなく「個人」に紐付きます。「〇〇さん(ヘッドハンター)に任せれば間違いない」と、経営者から個人的に依頼されているケースが大半です。
つまり、エージェントという「看板」ではなく、敏腕ヘッドハンターという「個人」と繋がることが勝負の分かれ目になります。業界で名の知れたヘッドハンターは、独自の人脈と信頼関係を持っており、その情報ネットワークに入ることが、ハイクラス転職の成功確率を劇的に高めます。
⇒【50代向け】転職エージェントとの賢い付き合い方|「あなたに紹介できる求人はない」と言わせないための事前準備
50代が「選ばれる」ための最低条件:PL責任と「修羅場の経験値」

実績で証明せよ
- PL責任を負った経験必須
- 修羅場からのV字回復実績
- 商売人感覚を持っているか
ヘッドハンターは、あなたの何を見ているのでしょうか?「マネジメント経験があります」だけでは、年収2000万のチケットは切れません。求められるのは、以下の2つの「実績」です。単なる管理職経験ではなく、経営者としての判断と責任を負ってきた証拠が必要なのです。
条件①:PL(損益)責任を負った経験
- 予算管理だけでは不十分
- 自らの判断で投資し売上創出
- 利益も損失も全責任を負う
- 商売人感覚を持っているか
「予算を管理していました」では不十分です。自らの判断で投資し、売上を作り、利益を出した(あるいは損を出した)という、PL(Profit and Loss)の全責任を負った経験があるか。つまり、「サラリーマン」ではなく「商売人(経営者)」としての感覚を持っているかが問われます。
事業部長として年間10億円の売上を担当し、営業利益率を15%から20%に改善した。新規事業に3億円を投資し、3年で黒字化を達成した。こうした具体的な数字と責任範囲を示せる実績こそが、年収2000万円の世界への入場券となります。
条件②:「修羅場」からのV字回復、あるいは撤退戦
順調な事業を維持管理した経験は、あまり評価されません。年収2000万で雇われる人材は、何らかの「トラブル」や「変革」を解決するために呼ばれるからです。赤字事業を1年で黒字化した。不採算部門を閉鎖し、従業員のリストラを完遂した。ゼロから新規事業を立ち上げ、撤退ラインギリギリで成功させた。
こうした「血の通った修羅場のストーリー」こそが、レジュメで最も輝くアピールポイントになります。順風満帆な成功体験よりも、困難を乗り越えた経験の方が、ハイクラス市場では圧倒的に価値があります。なぜなら、年収2000万で雇われる人は、まさにその修羅場を解決するために招聘されるからです。
ヘッドハンターを「審査員」にするな。「パートナー」として使い倒す関係構築術

同志のような信頼関係を築け
- Executive Resume用意
- 本音と弱みをさらけ出す
- 定期的な壁打ち相手として
ターゲットとなるヘッドハンターと出会ったら、どう接するべきか。多くの50代は、ここで「品定め」されるような態度を取ってしまい、失敗します。ヘッドハンターは審査員ではなく、あなたの人生の代理人です。彼らをパートナーとして扱い、長期的な信頼関係を築くことが、ハイクラス転職成功の鍵となります。
職務経歴書ではなく「Executive Resume」を用意せよ
- JIS規格履歴書は捨てる
- A4用紙1〜2枚に凝縮
- サマリーで稼ぐ力を断言
- 実績を数字で3つに絞る
一般的なJIS規格の履歴書や、細かすぎる職務経歴書は捨ててください。エグゼクティブに必要なのは、A4用紙1〜2枚に凝縮された「Executive Resume(エグゼクティブ・レジュメ)」です。
サマリー(要約): 冒頭5行で「私は何屋で、いくら稼げる人間か」を断言する。
主要な実績(Highlight): 過去の役職ではなく、「達成した成果(数字)」を3つに絞って記載。
Will(意志): 次の会社で何を成し遂げたいか、というビジョン。
これを用意することで、ヘッドハンターは「この人はプロだ。経営者にそのまま渡せる」と判断し、優先順位を上げます。長々とした経歴を並べるのではなく、端的に自分の価値を示すことが、エグゼクティブの証なのです。
「本音」と「弱み」をさらけ出す
「年収は高ければ高いほどいい」といった建前は不要です。「実は親の介護があり、勤務地は譲れない」「今の会社の派閥争いに疲れた」こうした本音(Vulnerability)を共有することで、ヘッドハンターとの間に「同志」のような信頼関係が生まれます。
彼らはあなたの「人生の代理人」です。情報を隠すクライアントを、代理人は全力で弁護できません。本音を共有することで、ヘッドハンターはあなたの真のニーズを理解し、最適な案件をマッチングできるようになります。完璧な候補者を演じるのではなく、人間としての弱さも見せることが、長期的な信頼関係を築く秘訣です。
定期的な「壁打ち相手」として付き合う
- 転職はタイミングが全て
- 3ヶ月に1回ランチや面談
- 業界トレンドや市場価値確認
- トップ・オブ・マインドを目指す
転職はタイミングです。今すぐ案件がなくても、3ヶ月に1回程度、ランチやお茶に誘いましょう。「最近の業界トレンドはどうですか?」「私の市場価値は変わりましたか?」そうやって情報をアップデートし続けることで、いざ特命案件が出た時に、真っ先にあなたの顔を思い出してもらえるようになります(トップ・オブ・マインド)。
この定期的な接触が、ヘッドハンターの記憶にあなたを刻み込む最も効果的な方法です。案件が出た瞬間に「あの人がぴったりだ」と思い出してもらえるかどうか。これが、ハイクラス転職の成否を分けます。
盲点となる「PEファンド投資先」という新大陸

プロ経営者の新天地
- PEファンドが最も熱い
- 年収2000万+ストックオプション
- ハンズオン能力が求められる
「ハイクラス=外資系」と思っていませんか?今、最も熱いのが「PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)」の投資先企業です。外資系だけに目を向けていると、最も報酬が高く、やりがいのある案件を見逃してしまいます。PEファンド投資先は、50代の実務家にとって理想的なフィールドなのです。
プロ経営者の登竜門
- 企業買収後に経営陣刷新
- プロ経営者を常に探している
- 年収2000万〜3000万円
- Exit時に億単位の報酬も
PEファンドは、成長ポテンシャルのある企業を買収し、企業価値を高めて売却(Exit)することで利益を得ます。彼らは買収後、経営陣を刷新し、送り込むための「プロ経営者」を常に探しています。年収2000万〜3000万円に加え、Exit時のストックオプションで億単位の報酬が得られることもあります。
これは単なる高給取りの仕事ではありません。企業価値を数年で倍増させるという、経営者としての真の実力が試される場です。成功すれば、あなたの経歴に「企業再生のプロ」という最高の称号が刻まれます。
求められるのは「ハンズオン」できる50代
投資先の多くは、中堅・中小企業や、大企業のカーブアウト(切り出し)案件です。ここでは、綺麗な戦略を描くだけでなく、泥臭く現場に入り込んで改革を進める「ハンズオン能力」が求められます。現場を知り尽くした50代の実務家こそ、実はPEファンドが最も欲しがっている人材なのです。
PEファンドとのパイプを持つエージェント(JACリクルートメントや、特定のヘッドハンティングファーム)を押さえておくことが重要です。この市場は、知っている人だけが参入できる「隠れた宝の山」なのです。
最終関門「リファレンスチェック」の正体と対策
身辺調査への完璧な備え
- 嘘や誇張は100%バレる
- 推薦者を確保しておく
- インテグリティが最重視
ハイクラス転職で避けて通れないのが、「リファレンスチェック(身辺調査)」です。候補者の過去の上司、同僚、部下などに連絡を取り、「働きぶり」や「人物像」を確認するプロセスです。この関門を軽く見ていると、最終段階で内定が取り消されるという悲劇が起こります。
嘘や誇張は100%バレる
- 第三者の評判で判明する
- 役員採用は誠実さ重視
- 失敗も隠さず話すべき
- 学んだことを伝える
面接でいくら「素晴らしいリーダーでした」と語っても、リファレンス先から「部下の手柄を横取りする人だった」と言われたら、即アウトです。役員採用では、スキル以上に「インテグリティ(誠実さ)」が問われます。
都合の悪い事実(降格経験やプロジェクトの失敗)も、隠さずに話し、「そこから何を学んだか」を伝える方が、信頼を得られます。完璧な経歴を装うよりも、失敗から学び成長した姿を見せる方が、経営者としての資質を証明できるのです。
推薦者(レフリー)を確保しておく
企業側から「過去の上司2名、部下1名の連絡先を教えてください」と言われた時、すぐに頼める人がいますか?円満退職していなければ、ここで詰みます。日頃から、利害関係を超えた信頼関係を築いておくこと。そして、いざ依頼する際は、「どのような点をアピールしてほしいか」をあらかじめレフリーとすり合わせておくことが戦略的に重要です。
リファレンスチェックは、過去のあなたの行動が現在を審判する瞬間です。日頃から誠実に人と接し、円満な関係を保つこと。これが、最終的にあなたを救う保険となります。
⇒50代の円満退職|培った人脈を資産として残す、感謝されるプロフェッショナルの引き際
失敗事例から学ぶ:高年収で入社して「半年でクビ」になるパターンの回避法
期待値のズレを防げ
- 救世主コンプレックスが危険
- 最初の90日は観察に徹する
- 期待値調整が身を守る
年収2000万のオファーが出ても、浮かれてはいけません。高額報酬には、それ相応の「リスク」が伴います。最も多い失敗パターンは、「期待値のズレ」による早期退職です。高年収で入社したにも関わらず、半年でクビになる。この悲劇を避けるための防衛策を知っておきましょう。
失敗パターン:救世主(メシア)コンプレックス
- すぐに結果を出そうと焦る
- 入社直後から独自改革強行
- プロパー社員が猛反発
- 孤立して退職に追い込まれる
「高い年収で呼ばれたのだから、すぐに結果を出さなければ」と焦り、入社直後から独自の改革を強行する。結果、プロパー社員(生え抜き)の猛反発に遭い、孤立して退職に追い込まれる。これは「ハイクラス転職あるある」です。
高年収で招かれた人ほど、「自分は救世主だ」という錯覚に陥りやすいのです。しかし、組織には独自の文化があり、変革には時間がかかります。急激な変化は、必ず抵抗を生みます。
対策:最初の90日は「観察」に徹する
『The First 90 Days』という有名な経営書にもある通り、最初の3ヶ月は成果を焦らず、組織の文化やキーマンを理解する「学習期間」に充てるべきです。面接の段階で、「最初の3ヶ月は現状分析に徹し、4ヶ月目から施策を実行します」と宣言し、企業側との期待値を調整しておくことが、自分の身を守る最大の防衛策になります。
この期待値調整ができるかどうかが、ハイクラス転職の成否を分けます。すぐに成果を求められるプレッシャーから自分を解放し、じっくりと組織を理解する時間を確保する。これが、長期的な成功への道なのです。
まとめ:転職はゴールではない。伝説を残すためのスタートラインだ

年収2000万円。それは、サラリーマンとしての「上がりのゴール」ではありません。プロフェッショナルとして、自分の名前で勝負する「荒野へのスタートライン」です。
そこには、これまでのような会社の看板も、守ってくれる上司もいません。あるのは、あなたの「経験」と「覚悟」、そして「結果」だけです。しかし、30年間ビジネスの最前線で戦ってきたあなたなら、その荒野すらも楽しめるはずです。
ヘッドハンターという優秀なシェルパ(案内人)を味方につけ、人生最後の、そして最高峰の山へアタックしてください。頂上から見える景色は、きっと格別なはずです。年収2000万円の世界は、単なる高収入ではなく、あなたの経験と覚悟が試される最高の舞台なのです。
📝 次のアクション:まずは「市場価値」の健康診断から
いきなりヘッドハンターに会うのが敷居が高いなら、まずはハイクラス特化型の転職サイト(ビズリーチやリクルートダイレクトスカウトなど)に、匿名でレジュメを登録してみましょう。「どのようなスカウトが、いくらの年収で来るか」を見るだけで、自分の現在の市場価値が客観的に分かります。そこから戦略を練り直しましょう。
👉 【50代向け】転職エージェントとの賢い付き合い方|「あなたに紹介できる求人はない」と言わせないための事前準備
よくある質問
\ 老若男女が働く六本木二丁目の派遣会社 /

全国拠点として仙台・大阪・福岡にも営業所を展開中!
参考URL一覧
- JAC Recruitment: ハイクラス・エグゼクティブ転職
- Korn Ferry: エグゼクティブサーチ(ヘッドハンティング)
- BizReach (ビズリーチ): ハイクラス転職サイト
- リクルートダイレクトスカウト: ヘッドハンター検索
- 日本プライベート・エクイティ協会:

